なぜパッチ適用は間に合わないのか

システム障害の損失は1時間30億円 手作業の復旧が迎えた限界

システム障害やサイバー攻撃による業務停止被害が深刻化している。攻撃のスピードが増す中、復旧を人手に頼る従来の手法では被害拡大を防ぎ切れない。自律的な修復機能の導入を阻んでいる課題とは何か。

 エンドポイントやシステムの停止に伴う業務中断は、企業の収益機会を奪い去る。セキュリティベンダーAbsolute Softwareは2026年7月、年間売上高5000万ドル以上の米国または英国企業に務める最高情報セキュリティ責任者(CISO)1000人を対象に、AI時代におけるサイバーレジリエンスに関する調査を実施した。その結果、エンドポイントが動作不能に陥った際のダウンタイム損失は1時間当たり平均1900万ドル(約30億円)に達することが判明した。

 調査結果からは、企業はサイバー攻撃やシステム障害への備えを進めているものの、従来の手作業に依存した復旧手順では被害の拡大を抑え切れない実態が浮き彫りになっている。インシデント対処の自動化を模索し始めている一方で、運用領域における全面的な自動化には依然として障壁が存在する。何が妨げになっているのか。

手作業による復旧の構造的限界

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