認証フローの死角を突く権限奪取

「OIDC」は本当に安全? Azure DevOpsの脆弱性に学ぶ特権奪取の落とし穴

OIDCによる実装に問題があると深刻な被害を招く恐れがある。「Azure DevOps」で発見された脆弱性は、この問題を悪用して本番環境を乗っ取ることが可能だった。開発時に見落としがちなリスクとは。

 クラウドインフラにおける構成管理や展開の自動化において、パイプラインの認証情報をいかに安全に運用するかは大きな課題だ。従来の手法であるシークレット(固定のパスワードやキー)を利用した管理は、漏えいのリスクや定期的な更新の工数といった構造的な制約を抱えていた。この課題を解消するため、シークレットを持たずに安全な認証を実現する「OpenID Connect」(OIDC)を用いた仕組みへの移行が、IT業界全体で推奨されている。

 しかし、この先進的な仕組みにも実装上の盲点が存在した。クラウドセキュリティベンダーDaze Securityの創業者であるコディー・バーカード氏は、Microsoftのシステム開発支援サービス「Azure DevOps」において、OIDC認証のフローを悪用してID・アクセス管理システム「Microsoft Entra ID」の特権を奪取できる重大な脆弱(ぜいじゃく)性を発見した。この手法を用いれば、攻撃者は本番環境におけるクラウドインフラへの展開権限を完全に乗っ取ることが可能だったという。この脆弱性は2025年に修正されたが、クラウドインフラの認証システムが抱える潜在的なリスクを示す事例だ。

 強固であるはずの最新の認証プロトコルに、なぜ致命的な欠陥が潜んでいたのか。

シークレット管理からの脱却とOIDCの導入

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