止まらないSFAの費用上昇と担当者の不在
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
長年の改修でブラックボックス化したSFAと高止まりする費用。エルテスは「BigQuery」と「AppSheet」を組み合わせたアーキテクチャでこの課題を突破した。4カ月で移行を完了させた手法とは。
デジタルリスクマネジメント事業を展開するエルテスでは、営業部門におけるデータシステムの複雑化が課題だった。同社は大手ベンダーのSFA(営業支援システム)を中心とした複数のSaaS(Software as a Service)を利用しており、運用費用は年々上昇を続けていた。円安や値上げの影響が重なる一方で、費用の責任所在が不明瞭なまま固定費として膨張し続ける構造に陥っていた。
10年以上にわたって改修が繰り返された結果、システムの本質的な目的や全体像を把握できる担当者が社内にいなくなったことも問題だ。そのため、抜本的な見直しを判断するのも困難な状況だった。
この事態を打開するため、エルテスは営業データの管理、分析システムを刷新することを選択した。単なるツールの入れ替えにとどまらず、「BigQuery」「Google AppSheet」といったGoogle Cloudのクラウドサービスを用い、営業の業務工程からデータインフラの構築までを見直すことで、実質4カ月という短期間で新たなシステムへの移行を完了させた。これによって、関連費用を半分に削減する成果を得た。
短期間での刷新と大幅な費用削減を可能にした背景には、従来の手法とは異なるシステム設計のアプローチがある。
積み重なるSaaSと「ブラックボックス化」したSFA
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システムの肥大化や担当者の不在をいかに解消するか
システム刷新のパートナーとしてエルテスが選定したのは、対話データAIサービスを提供するaileadだ。新たに構築した営業データシステムには、データインフラとインタフェースを完全に分離したアーキテクチャを採用した。データの保管先にはデータウェアハウスサービスBigQueryを採用して、現場の担当者が操作する画面にはノーコード開発ツールGoogle AppSheetを組み合わせた構成になっている。
従来のSFAのようにデータベースと画面が一体化したシステムは、業務要件の変更に伴う改修が複雑になりやすく、特定のベンダー製品に依存しやすい。エルテスがSFAの見直しをためらっていた理由の一つも、長年の運用によって複雑に絡み合ったデータの依存関係だった。
これに対して新システムは、インフラとインタフェースを切り離す設計を採用することで、将来的に別のツールへ画面を載せ替える場合でも、内部のデータを維持したまま実施できる拡張性を確保している。BigQueryにデータを一元化したことで、これまで点在していた情報を新しい切り口で確認できるようになり、手作業に頼っていた分析や報告書作成の自由度を向上させた。
業務に即したシステムの刷新
社内ツールが固定化すると、そのツールに入力すること自体が目的化して、費用への当事者意識が希薄になる。エルテスの場合も、システムの維持費が共通の経費として一括処理されていたため、責任の所在が曖昧になっていた。既存のSFAは入力項目が肥大化していて、なぜそのデータが必要なのかを説明できる人がいない状況だった。
この構造的な課題を解決するために、システム開発の枠を超えて、営業過程の再構築から議論できるパートナーとしてaileadを選んだ。プロジェクトでは、費用の削減以上にスピードを重視。専任メンバーを最小限に絞り込んで、要件定義とデータの整理、設計とインフラ構築、移行から稼働へと段階を細分化して進行した。関係部門との認識のずれを防ぎながら進めたことが、実質4カ月という短期間での移管完了につながった。
企業におけるSFAの肥大化課題の一般的な解決策は、別のSFAパッケージへの乗り換えだ。しかし、このアプローチでは一時的に費用を削減できても、数年後に再びツールが固定費になって、運用が複雑化するリスクを根本からは解消できない。エルテスとaileadが採用した手法の差異は、システムを何のために使うのかという営業業務の根幹に立ち返り、自社にとって最適なデータ構造を再定義した点にある。共通の経費としてまとめて処理され、誰も責任を持たなくなっていた費用構造を解体して、今後の従業員増加にも維持費が膨張しにくい仕組みを設計に組み込んだ。
AppSheetのようなノーコード開発ツールをインタフェースに採用したことも、従来手法とは異なる点だ。通常、SFAの画面改修には高度な専門知識を持つ技術者が必要で、保守費用が高騰する一因になる。ノーコード開発ツールを活用することで、現場の要望に応じた画面の変更や機能の追加を迅速に実行でき、システム変更にかかる時間と費用を大幅に抑制できる。
今回のインフラ刷新によって、エルテスは各種ツールから収集したデータと自社開発ツールのデータを掛け合わせて、AIエージェントを使った自動分析ができる状態を整備した。今後は、aileadが提供する対話データAIサービスの活用も視野に入れている。商談や会議の対話データを分析、構造化することで、優れた成績を残す営業担当者の手法の標準化や、精緻な失注要因の分析などへデータ活用の幅を広げる計画だ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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