置き場所の整備だけでは解決しない
ファイル探しに週1時間以上が5割弱 ファイルサーバでは消えない「最新版迷子」
ファイルの置き場所を整備しても、最新版の確認や過去のファイル探しによる時間的ロスは消えない。Fleekdriveの調査から、ファイルサーバを用意しただけでは解決できない現場の悲鳴を読み解く。
企業内でファイル共有システムの整備が進む一方で、現場からは「どれが最新版か分からない」「目的のファイルを探すのに時間がかかる」といった不満が絶えない。オンラインストレージを提供するFleekdriveは、2026年8月14日から8月25日にかけて、製造業、建設業、金融業(保険業を除く)の3業種を対象とした「ファイル管理における隠れた業務負担」の実態調査を実施した。従業員数100人以上の企業に勤務し、日常的に業務ファイルを取り扱う正社員315人から回答を得た。
調査結果によると、3業種の60.2〜67.6%が社内にファイルサーバを導入済みだ。しかし、ファイルの保管場所を用意しただけでは、現場の非効率は解消されていないことが判明した。扱う業務ファイルが異なる3業種でも、課題には共通の要因がある。
現場の業務効率を改善し、IT投資の効果を最大化するためには、どのようなシステムを構築すべきなのか。調査結果を基に、IT担当者がファイル管理で重視すべき基準を分析する。
現場を困惑させる「ファイルの迷子」と時間的ロス
業務ファイルの取り扱いで、従業員は何に非効率性を感じているのか。調査結果を見ると、業種を問わず2つの大きな課題が浮き彫りになっている。
非効率だと感じることの第1位は「過去のファイルや資料を探すのに時間がかかる」で、製造業で54.6%、建設業で48.6%、金融業で46.1%に上った。第2位は「業務ファイルの最新版や改訂履歴がわかりにくい」で、製造業50.0%、建設業40.0%、金融業38.2%と続いている。扱うファイルの種類や業務プロセスが異なる3業種で、上位2項目が完全に一致したことは注目に値する。
これらの課題は、日々の業務における時間的なロスとして確実に積み重なっている。ファイルの検索や共有、保存後の連絡などに費やす時間を尋ねたところ、「週1時間以上」と回答した割合は製造業で43.6%、建設業で49.5%、金融業で47.1%に達した。週1時間のロスは年間で約52時間に相当する。1回当たりの作業は数分程度でも、毎週繰り返し発生することで、無視できない業務負担が確認できる。
なぜ「どれが最新版か分からない」状態が生まれるのか
ファイルサーバなどの保管場所が整備されているにもかかわらず、なぜ最新版の把握やファイル探しに手間取るのだろうか。その根本的な原因は、ファイルを保存した後の作業プロセスにある。
ファイルを保存・更新した後に発生する作業のうち、保存場所だけでは完結せず、別の手段を併用しているものを尋ねた結果、3業種共通で第1位となったのは「確認・承認の進み具合の把握や再連絡」だった(製造業38.9%、建設業36.2%、金融業37.3%)。また、更新や変更内容の連絡を別手段で行う割合も28.7〜32.4%に上る。ファイルを保存した後も、メールやチャットなどで進捗(しんちょく)追跡や連絡を実施せざるを得ない状況にある。
その結果として生じるのが、確認状況のブラックボックス化だ。配布・共有したファイルを「相手が最新版を確認したか把握できていない」と回答した割合は、製造業で40.8%、建設業で33.3%、金融業で35.3%に達した。
情報が正しく伝わらず、最新版が共有されない状態は、実業務での直接的な損失につながる。直近1年間で生じた実害として、製造業では「必要なファイルが見つからず、業務が滞った」が43.5%、「確認・承認が滞り、生産や業務の予定が遅れた」が38.9%に達した。建設業では「確認・承認が滞り、工程に遅れが生じた」が31.4%、「変更が伝わらず、再確認や施工内容の食い違いが発生」が30.5%だった。金融業でも「稟議(りんぎ)・決裁が滞り、顧客への回答が遅れた」が28.4%、「必要な資料が見つからず、顧客対応が滞った」が26.5%という結果だ。改訂前の古いファイルで作業が進んでしまって手戻りややり直しが発生した割合は、各業種で18.5〜23.5%存在する。ファイル管理の不備が、生産遅延や工程遅れ、顧客対応の遅れといった本業の成果を阻害する要因だ。
「最新版の迷子」を防ぐファイル管理ツール選定の3つの基準
こうした課題を解決し、現場の非効率を解消するためには何が必要なのか。業務ファイルを扱う製品やサービスの選定基準に関する設問から、現場が求めるファイル管理システムの「3つの要件」が浮かび上がった。
1つ目は「最新版と改訂履歴がすぐにわかること」(製造業46.3%、建設業47.6%、金融業39.2%)だ。誰がいつファイルを更新したかがひと目で分かり、担当者に確認する手間を省ける機能が強く求められている。
2つ目は「過去のファイルを素早く探し出せること」(製造業44.4%、建設業43.8%、金融業42.2%)だ。保管場所の階層構造を正確に記憶していなくても、内容を参照して目的のファイルに短時間で到達できる検索性が重要になる。
3つ目は「セキュリティ・情報漏えい対策」(製造業37.0%、建設業37.1%、金融業35.3%)だ。社内外の関係者とファイルを共有する際には、アクセス権限を適切に制御し、安全に運用できるシステムが不可欠だ。
一方で、「導入・運用にかかる費用」を重視する声は、製造業10.2%、建設業24.8%、金融業15.7%にとどまった。費用削減よりも、現場の作業効率向上や安全性の確保が優先される。
今後のファイル管理は、データを保存する「ファイルの置き場所」を提供するだけではなく、最新版の把握、確認、承認、配布といった一連の業務プロセスを滞りなく完結できる仕組みが求められる。IT担当者には、ツールの刷新や既存システムでの運用ルールの見直しを通じて、現場の「業務が完結するシステム構成」を構築する視点が不可欠だ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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