テクノロジー未来学者が考える
今すぐに取り組むべきはブロックチェーンと自然言語処理技術
新興技術が社会やビジネスにどのような影響を与えるかを予測するテクノロジー版の未来学者が今考えている有望技術とは?
パット・ライアン氏の仕事は明日を考えることだ。同氏はテクノロジーコンサルティング会社SPRのテクノロジー版“未来学者”として新たな役割を担っており、今後、数年間に流行すると予測する新興技術を研究し、クライアントのために「その技術を具体化する」ことが仕事だ。
「われわれがやろうとしていることは、クライアントから依頼を受けてから対応するのではなく、この先、クライアントがわれわれに求めてくるであろうことを先読みし、それに対して、行動を起こしたり、より入念に熟考したりすることだ」とライアン氏は語る。シカゴを拠点とする同社での同氏の正式役職名は新興技術部門の副社長である。「物事は本当に速く変化し、その速度はさらに上昇している。ここでわれわれは、さらにその先にあるものを先取りして進めようとしているのだ」
ライアン氏はコンサルティング業務に携わっているが、デジタルテクノロジーが全く新しいビジネス(ライドシェアリングなど)の出現を可能にし、古いテクノロジー(タクシー業界)を脅かす時代において、テクノロジー未来学者としての役割は、全ての組織において、ますます必要となりつつある。一般の企業はライアン氏が持つような専門の任務を定めていないかもしれないが、将来に何が起きるかに目を向け、現時点で行動を起こすことは、誰かが進めなければならない課題である。
「今、その課題に取り組まなければ、競合がやるだろう。既存の競合かもしれないし、あるいは、これまで名前を聞いたこともないような競争相手だ」と同氏は語る。
併せて読みたいお薦め記事
2018年の技術予測
破壊的革新が導くデジタルトランスフォーメーション
テクノロジー未来学者の仕事
技術の風向きを予測することは簡単なことではない。ライアン氏は本当にビジネスとして成功する有望な技術、例えば、トランザクションの保護能力を高めることで、詐欺を防止することができるブロックチェーンなどに注目し、その技術の隅々までを学ぶ。そうすることでその技術に熱心に興味を持つクライアントから質問を受ける同僚やコンサルタントを教育できる。
多くの企業も同様に最先端技術を探し求めている、それらの企業はただ正しい方向に進むためのガイダンスが必要なだけだ。ライアン氏は、実務上どのようにブロックチェーン技術を適用するかを理解するために、現在、一緒に取り組みを行っているクライアントの例を挙げてくれた(彼は守秘義務のため、顧客名の開示はしなかった)。顧客会社のCTO(最高技術責任者)もまたテクノロジー未来学者である。彼は、分散型元帳技術によって作り替えられた世界を頭に描いている。「CTOとしての役割の一部はこの未来学者としての役割を担うことだ」とライアン氏は語った。「それが、正にわれわれが現在、彼と一緒に取り組んでいる理由だ」
数年前、ブロックチェーンは、奇妙な名前がついた珍奇なものであり、金融サービス業界以外の分野から関心を引き寄せることは、ほとんどなかった。今では、法律事務所、製造業者、ヘルスケア施設がこの技術を検討している。この技術は、いずれ企業がさまざまなアプリケーション用に使用するプラットフォームとなるとライアン氏は語る。
いずれやってくるものに対する準備
技術がまだ成熟していない段階こそ、実際の取り組みを始めるときだとライアン氏は述べる。例えば、同氏は当事者間のコントラクト(契約)を仲介するコンピュータプログラムであるスマートコントラクトがビジネスに与える影響の先を考えている。
「どのように単体テストをするか? どのようにして継続的インテグレーションのパイプラインに組み入れるか? その技術に本気で取り組むつもりであれば、技術の基本的な役割について理解する必要がある」と彼は言う。
今後、注目を集めそうな、もう1つの技術は、人間と機械との会話を容易にする自然言語処理(NLP)だとライアン氏は語る。SPRの顧客はまだ、NLPを求めてはいないが、技術は急速に進歩しており、需要は高まると読んでいる。だから企業は今行動すべきである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
パナソニックが国内製造26拠点のERPを「SAP S/4HANA」に統一 アドオン7割削減
-
2
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
3
データを無断で暗号化し使用者に身代金を要求する詐欺に用いられるマルウェアとは?
-
4
守るべきは「開発者のフロー状態」 AIによる生産性改善の6施策
-
5
「HDD終了」は本当か 巨大クラウド2社が下した大容量フラッシュへの決断
-
6
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
7
【お知らせ】 「データセンターの利用状況に関するアンケート調査」結果リポート
-
8
会員調査で浮かび上がるERPのコスト問題、IFRS対応への影響は
-
9
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
10
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー