2008年11月27日 08時00分 UPDATE
特集/連載

部長のためのBI活用講座【第1回】営業部長、SFAデータを本当に使えていますか?

営業部長と営業現場のリーダーたちとの会話を例に、企業内にたまり続けるデータを活用するためのBIの価値を解説する。

[小島 薫,ウイングアーク テクノロジーズ]

始めに──本連載の趣旨

 企業の現場の人々にとって、ITの中で最もなじみがないのが今回の連載テーマ「BI(Business Intelligence)」かもしれない。

 ERPSFAであれば、「業務システム」「営業支援システム」といったように、社内の比較的多くの人がイメージできるだろう。しかしこれがBIになった途端に、「BIって何だろう」「何のために必要なのだろう」と思う方が多いと思う。また、実際に社内にBIが導入されている場合でも、「BIを自分が使っているという認識がない」というケースも多いことだろう。さらに「BIは自分たちに関係のない世界」と思っている現場の人も多いかもしれない。

 本連載では「部長のためのBI活用講座」と題して、具体的な事例を交えながら、できる限り分かりやすくBIを紹介していきたいと思う。

なぜBIは難しくとらえられるのか

 なぜ、BIは難しくとらえられているのだろうか。まずはそのネーミングに理由がある。Business Intelligenceを直訳すると「ビジネスの知性」となり、ますます意味不明になる。

 一般的にBIとは「データを基に事実を可視化して、適切な意思決定や具体的なアクションを行うことにより、ビジネスに価値(売り上げ、生産性、企業価値)をもたらすこと」と定義される。つまり、BIはデータを基に事実を可視化するための道具であり、使われ方は業種や使う人の企業内での役割によって異なるため、一言で説明が難しいのかもしれない。

 そして、BIが難しくとらえられている最大の理由は、上記の定義を自分の業務に照らし合わせて具体的にイメージできないことにほかならない。

たまり続けるデータをどうやって活用するか

 企業内には非常に多くのデジタルデータが収集/保管され続けてる。これは企業内のさまざまな業務でシステム化が進んだためである。

 例えば、小売業の店舗現場で既にPOSレジが常識になったように、営業現場でもSFAやCRM(顧客管理システム)が導入され始め、業務の中でより多くのデータがシステムに入力されるようになってきた。また、データを保管するハードウェアが非常に安価になってきたことも、長期にわたってデータが保管されるようになった大きな理由である。さらに、最近では内部統制強化のために、取引の原始(明細)データやシステムへのアクセス記録なども、企業として長期間の保管が必要となってきている。

 これらのデータをただの「ゴミ」とするか、あるいは重要な「資産」とするのかは、そのデータをどうやって活用するかに懸かっている。

ある経営会議での社長と営業部長の会話


社長:先月の会議で目標達成は大丈夫だと言っていたじゃないか。


営業部長:ええ、各営業チームのリーダーが口をそろえて「今月こそは目標達成できそうです」と言っていたので、絶対に目標達成できるはずでした。


社長:今月は大丈夫かね?


営業部長:今月こそは絶対に大丈夫です。


社長:その根拠は?


営業部長:今月こそは、各営業チームリーダーは大丈夫だと……。


社長:それでは先月と同じじゃないのか? せっかく本年度、SFAを導入したというのに何をしているんだ!


営業部長:今回導入したSFAは、高価ではありましたが効果は十分に出ています。


社長:駄じゃれはいい! で、具体的にどのような効果が出ているんだ?


営業部長:営業担当者の行動や見込み案件がすべて入力されており、誰がどの案件を持っているのかがすぐに分かります。


社長:それでは、来月の見込み案件の件数と金額はどのくらいだ?


営業部長:私は使っていないので……。でも各営業チームのリーダーは大丈夫だと……。


社長:……。


 誇張して表現したので、このような会話がそのまま繰り広げられている企業はないと思う。しかしこの会話は、データ活用ができていない企業の典型的な例といえる。社長におしかりを受けた営業部長。この後の営業会議での展開は予想できるだろう。

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