ネイティブアプリから仮想アプリまで一元管理、シトリックスがMDM新版NEWS

スマートデバイス自体だけでなく、アプリケーションも徹底管理したい。こうしたユーザー企業の声に応えるモバイルデバイス管理(MDM)製品をシトリックスが発表した。

2013年06月11日 19時50分 公開
[鳥越武史,TechTargetジャパン]

 シトリックス・システムズ・ジャパンは2013年6月11日、iOS/Android端末などのスマートデバイスを一元管理できるモバイルデバイス管理(MDM)の新製品を発表した。端末設定の一斉適用やリモートロック/ワイプなどのMDMの基本機能を押さえつつ、アプリケーション(アプリ)管理機能を充実させたのが特徴だ。提供開始は2013年7月10日。

 発表した「Citrix XenMobile Enterprise」は、各OS用のネイティブアプリやWebアプリ、同社のアプリ仮想化製品「Citrix XenApp」からストリーミング配信するWindowsアプリ(仮想アプリ)などを、共通の企業内アプリストアから端末へ配布できる。配布したアプリは、端末に導入したクライアントソフトウェアが備えるダッシュボードを介し、一度の認証(シングルサインオン)で利用可能だ。

 アプリ単位でVPN接続を確立する「マイクロVPN」機能も備える。マイクロVPN機能を使うと、例えば私物端末の業務利用(BYOD)をする場合、私物端末にある業務アプリケーションのみVPN接続を許可し、個人のアプリケーションからはVPNを利用させない、といった運用が可能になる。アプリ間のデータ通信を制限したり、セキュリティポリシーに基づいてアプリの実行を制限したりする技術「Citrix MDX」も搭載する。

 Citrix XenMobile Enterpriseは、同社のMDM製品「Citrix XenMobile MDM Edition」の機能に、アプリケーション管理オプション「Citrix XenMobile App Edition」とオンラインストレージサービス「Citrix Sharefile」の機能を組み合わせて提供する。Citrix XenMobile App Editionは、同社の「Citrix CloudGateway」と同等の機能を持つ。

 Citrix MDXによる制御機能を備えたモバイルアプリ群「Citrix Worx Mobile Apps」も併せて発表した。Citrix Worx Mobile Appsは、安全性を高めたWebブラウザやメールクライアントソフトウェア、カレンダーアプリ、アドレス帳、Citrix ShareFile用のクライアントソフトウェアをそろえる。Citrix Worx Mobile Apps単体での利用も可能。ただし、Citrix MDXによる制御が可能なのは、Citrix XenMobile MDM EditionまたはCitrix XenMobile App Editionを介して端末へ配信する場合に限られる。

 Citrix XenMobile Enterpriseの価格は、1デバイス当たりの年間ライセンスで9750円から。年額3600円程度のMDM製品/サービスが多い中で高めの価格だが、競合他者と比べて充実したアプリ管理機能を武器に、アプリ管理の徹底を目指すスマートデバイスの大規模導入企業に訴求する。

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