制御実績や仕組みで比較
【徹底比較】iOSやAndroidで使えるモバイルデバイス管理(MDM)製品38種の大規模運用性
国内で入手可能なMDM製品/サービスは、どの程度の数のスマートフォンやタブレットを管理できるのか。制御実績や制御の仕組みを踏まえて比較する。
スマートデバイスの本格導入を進めていけば、管理すべき端末数は増えていく。モバイルデバイス管理(MDM)製品/サービスを導入する企業は、導入するMDM製品/サービスがどの程度の端末数を管理可能なのかを検討する必要がある。その際、単純にベンダーが示す数字だけを見るのではなく、実際にどの程度の規模の運用実績があるのか、どういった仕組みで大規模運用を可能にしているのかを調べておくことが重要になる。
TechTargetジャパンでは、2013年6月から7月にかけてMDMベンダーに調査を実施。本稿では、各MDM製品/サービスが管理可能な端末数や大規模運用実績などについて調査し、その結果を比較表にまとめた。なお、各MDM製品/サービスの価格と料金、セキュリティ機能、管理機能については、以下の関連記事で解説している。
MDM製品の大規模運用性比較表
主要なiOS/Android端末向けMDM製品/サービスの大規模運用性の比較表を以下に示す(表1)。なお今回は、企業で利用されている主要なスマートデバイスであるiOS端末やAndroid端末で利用できるMDM製品/サービスを取り上げた。ベンダーの意向などにより、期限内に回答が得られなかった一部のMDM製品/サービスは掲載していない。OEM(相手先ブランドによる生産)供給など、市販のMDM製品/サービスの機能をほぼ変更なしで提供しているMDM製品/サービスは省いた。
MDM製品の大規模運用性比較表のダウンロード
- 今回調査したMDM製品の大規模運用性を見やすくまとめた比較表をMicrosoft Excelファイルで提供しています。「iOS/Android向けMDM製品38種の大規模運用性比較表(2013年版)」からダウンロードしてください。
管理可能な端末数:10万台以上の管理も可能に
各MDM製品/サービスで確実に一斉制御が可能な端末数は何台か。カタログスペックで見ると、1管理サーバ当たり25万台程度を制御可能な日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)の「IBM Endpoint Manager for Mobile Devices」、15万台制御可能なペネトレイト・オブ・リミットの「MobiControl」(開発:カナダSOTI)など、10万台以上を一斉制御可能なMDM製品/サービスも存在する。
台数が「無制限」となっているMDM製品/サービスもあるが、実際には、サーバのスペックや台数などによって制御可能な台数には制限が掛かるものと考えられる。MDMのオンラインサービスの場合、ベンダーが必要に応じてサーバのスケールアウトやスケールアップをすることで、負荷に応じてインフラスペックを変更できることを「無制限」の根拠にしていることも多い。
一斉制御の実績:90万台管理の実績も
カタログスペックではなく、実際にユーザー企業がどの程度の規模で一斉制御を実現しているのかを見ると、日本IBMのIBM Endpoint Manager for Mobile Devicesが90万台の制御実績がある。開発元である米IBMの自社導入事例で、管理サーバ4台構成で世界約90万台を制御している。
その他、アイキューブドシステムズの「CLOMO MDM」は、リコージャパンで約7600台規模を制御している実績がある(表2)。自社導入事例だが、大塚商会は、自社の「たよれーる デバイスマネジメントサービス」で6500台を制御。またAXCEEDの「SPPM2.0」は三井住友海上火災保険が6000台の制御に利用している。社名は非公開だが、米MobileIronの「MobileIron VSP」は国内大手電機製造業で2万台の制御実績がある。
| 製品/サービス名 | 正式に利用可能なOS/端末 | ユーザー企業の一斉制御実績 |
|---|---|---|
| Trend Micro Mobile Security | ・・iOS 4.0以降 ・Android 2.1以降 ・Windows Mobile 5.0~6.5 ・BlackBerry |
・サントリーホールディングス:約3000台 |
| たよれーる デバイスマネジメントサービス | ・iOS4.3以降 ・Android ※詳細:http://campaign.otsuka-shokai.co.jp/mmm/management/android.html ・Windows XP/Vista/7/8 |
・大塚商会:6500台 |
| McAfee Enterprise Mobility Management | ・iOS 4.3以降 ・Android 2.3以降 ・Windows Phone 7/8 |
・富士ソフト:2000台 |
| CLOMO MDM | ・iOS 4.3以降 ・Android 2.3以降 |
・リコージャパン:約7600台 ・田辺三菱製薬:約6000台など |
| SPPM2.0 | ・※詳細:http://www.axseed.co.jp/?page_id=1149 ・iOS 4.3~6.1 ・Android 2.2~4.2 |
・三井住友海上火災保険:6000台 ※その他、社名非公開8500台 |
| IIJ Smart Mobile Managerサービス | ・iOS 4.2以降 ・Android 2.2以降 |
・大和ハウス工業:4000台 |
| LanScope An | ・iOS 5.0以降 ・Android 2.3.3~4.1 |
・エムオーテックス(検証):5000台 ・NTTデータカスタマサービス:200台 |
| VECTANT セキュアデバイスマネージメント | ・iOS 5.1以降 ・Android 2.2以降/3.1以降/4.0以降 |
・オートバックスセブン:約1400台 ・カネカ:約800台 |
制御の確実性確保:時間差処理で負荷を軽減
大量の端末を一斉に制御しようとすると、当然ながら管理サーバやネットワークに負荷が掛かる。こうした負荷を軽減する仕組みを盛り込んでいるかどうかが、各MDM製品/サービスが大規模運用に耐えられるかどうかの鍵となる。各MDM製品/サービスは、処理負荷を軽減すべく、管理サーバの処理方法に工夫を凝らす。
処理負荷軽減の代表例なのアプローチが、端末を複数のグループに分け、グループごとに時間差で設定変更などの処理を適用することだ(表3)。全ての端末に対して一斉に処理を進めるのではなく、処理の時間帯を分散させることで、処理のピークを抑えることができる。
| 製品/サービス名 | 正式に利用可能なOS/端末 |
|---|---|
| Absolute Manage MDM | ・iOS 4.0以降 ・Android 2.2以降 ・Windows Phone 7以降 ※ただしWindows Phoneは一部機能のみ利用可能 |
| NC7000-DM Lite | ・iOS 5.0以降 ・Android 2.2以降 ・Windows 7 |
| Kaseya MDM | ・iOS 4.2以降 ・Android 2.2以降 ・Blackberry 6.0以降(Blackberry 5.xは一部サポート) |
| OniGuard | ・iOS 5.1以降 ・Android 2.3以降 |
| VECTANT セキュアデバイスマネージメント | ・iOS 5.1以降 ・Android 2.2以降/3.1以降/4.0以降 |
その他、機能別に管理サーバを分離したり、処理をキューイング(先行処理が終了するまで処理を蓄積)するといった工夫で、処理負荷を抑えている。
MDM製品の大規模運用性比較表のダウンロード
- 今回調査したMDM製品の大規模運用性を見やすくまとめた比較表をMicrosoft Excelファイルで提供しています。「iOS/Android向けMDM製品38種の大規模運用性比較表(2013年版)」からダウンロードしてください。
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