片手操作が可能な5インチ未満モデルで最高クラス
徹底レビュー:小さめボディーの「Xperia Z3 Compact」から漂う高級感
ソニーがリリースした最新のコンパクト主力機種「Xperia Z3 Compact」は、5インチ未満のスマホを求めるユーザーを満足させる、標準サイズと遜色ない性能を備えている。その魅力に迫る。
スマートフォンメーカーが主力機種のコンパクトモデルを設計するときには、ボディーのサイズと一緒に性能も削られることが多い。だが、ソニーはこの残念なトレンドに逆行する数少ないメーカーだ。最新の「Xperia」シリーズのコンパクト版では、5インチ未満のスマートフォンを求めるユーザーをがっかりさせない、標準サイズと同等の性能を実現している。
ソニーがリリースした最新のコンパクト主力機種「Xperia Z3 Compact」は、4.6インチのディスプレー、米Qualcomm製「Snapdragon 801」(クアッドコア、2.5GHz)、2070万画素のメインカメラを搭載している。ボディーはガラス製で防水加工が施されており、米Googleの「Android 4.4.4」ベースのUIを備えている。標準サイズ(5.2インチ)の「Xperia Z3」と大きく異なる点はサイズ以外に見当たらない。標準サイズと遜色ない性能を備えているのは素晴らしい。だが、残念ながら、このようなコンパクトモデルは市場では少数派だ。
とは言うものの、Xperia Z3 Compactは前身となる「Xperia Z1 Compact」(編注:日本では「Xperia Z1 f」という名称)が築いた基礎を継承している。ソニーは2014年1月に米ラスベガスで開催された「Consumer Electronics Show」でXperia Z1 Compactを発表している。それ以来、非常に短いサイクルで主力機種を世に送り出している。モデルチェンジのペースが早すぎて「Xperia Z2」のコンパクトモデルはリリースされなかったほどだ(※1)。改善の余地があるとはいえ、このように短いリリースサイクルで行われた改良はお見事の一言に尽きる。それでは、Xperia Z3 Compactについて詳しく見ていこう。価格は530ドル(米国の場合)で、SIMロックなしのモデルが販売されている。
※1:日本国内ではXperia Z2と同時に4.6インチの「Xperia A2」を販売していますが、「Zx Compact」名称ではなく両機の位置付けが不明確であるため、本記事では言及しておりません(2014年12月15日追記)。
構造とデザイン
Xperia Z3 Compactのデザインと素材には、Xperia Z1 Compactから大きな躍進が見られる。画面が4.3インチから4.6インチへと多少大きくなっているにもかかわらず、薄さと軽さに磨きがかかっている。それでいて、バッテリー容量は増加している。特筆すべきは、デバイスの正面と背面が滑らかなガラスコーティングになったことだ。Xperia Z1 Compactの背面はプラスチック製で、あまり高級感がなかった(※2)。
※2:日本国内モデル「Xperia Z1 f」の背面はガラス素材です(2014年12月15日追記)
標準サイズのXperia Z3と異なり、Xperia Z3 Compactの側面はわずかに丸みを帯びている。また、素材は金属ではなく、硬いシリコンタイプのプラスチックが採用されている。この変更によって側面のプレミアム感は損なわれることになった。だが、落としたりこすったりしたときに傷つきにくくなったのは間違いないだろう。また、デバイス全体が高度な防水・防じん対応なのは言うまでもない。
実際、Xperia Z3 Compactは、ほとんどの場面で非常に信頼性が高く、使い勝手のよいコンパクトなスマートフォンだ。重さとサイズのバランスがちょうど良い。重さは129グラム、サイズは127(高さ)×65(幅)×8.6(厚さ)ミリだ。このバランスのおかげで持ちやすい。デザインは魅力的で洗練されている。ある意味、米Appleの「iPhone 4」や「iPhone 4S」を連想させる。ただし、サイズは大きく「iPhone 6」に近い現代的なサイズといえるだろう。Xperiaシリーズに期待するセンスの良さは、Xperia Z3 Compactでも健在で目を引く特徴であるのは変わらない。
ボタンの配置はXperia Z3と全く同じだ。正面にはセンサー、LED通知ライト、スピーカー、220万画素のカメラがある。画面下部にはおなじみのソフトキーが表示されている。本体がコンパクトになったことで、ただでさえ貴重な画面領域を相変わらず無駄に占領している感は否めない。
背面にあるのは2070万画素のカメラレンズとLEDフラッシュだけだ。残念ながら、背面を開けることはできない。つまり、バッテリーは交換不可ということになる。それから、上側面には防水対応の3.5ミリオーディオジャックとサブマイク、下側面にはメインマイクが配置されている。
左側面には2つのカバーがある。1つには保護加工が施されたmicroUSB端子とmicroSD端子が、もう1つにはnanoSIMカードスロットが配置されている。また、充電端子も左側面にある。保護加工は防水・防じん規格「IP68」準拠のため、深さ1.5メートルの淡水に30分間沈めても問題ない。一方、右側面には上から順に、電源ボタン、音量調節ボタン、カメラボタンが配置されている。
ディスプレー
上述の通りXperia Z3 Compactのディスプレーは4.3インチから4.6インチへとサイズが大きくなっている。ただし、解像度は720×1280ピクセルのままなので、ピクセル密度は319ppiに低下している(Xperia Z1 Compactのピクセル密度は342ppiだった)。だが、普通の使い方なら十分だろう。最近の主力スマートフォンにはフルHDの解像度が期待されている。だが、特殊なアニメーションを再生しない限り、現時点ではドットを裸眼で見分けることは難しい。さらにディスプレーは標準サイズより小さいので、720pという解像度は実際のところ大した問題にならない。
それ以外の点に関して、Xperia Z3 CompactのディスプレーはXperia Z1 Compactからレベルアップしている。標準サイズのXperia Z3と同様に、自社開発の技術「Live Color」LEDと「TRILUMINOS」スクリーンを搭載している。このテクノロジーは青色LEDに赤色と緑色の蛍光体を通すことで、消費電力を増加させることなくこれまで以上に鮮やかで調和の取れた色を実現するものだ。
実際、これらの宣伝文句の多くは信用に足るものだ。ディスプレーのコントラスト比もXperia Z1 Compactから強化されている。ただし、まだ完璧とは言い難く、画面を斜めから見ると少し退色して見える。だが、日常的な用途に支障が出るほどではない(この点は韓国Samsung Electronicsの「Galaxy Alpha」と似ている)。画面は非常に明るい。色も鮮明に表示されるため、動画鑑賞やWebサーフィンがとても快適に行える。
パフォーマンス
Xperia Z3 Compactには標準サイズのXperia Z3と同じチップセットが搭載されている。Qualcomm製のSnapdragon 801 SoCは「Krait 400」クアッドコア(動作周波数2.5GHz)と「Adreno 330 GPU」を搭載している。わずかに違うのは、Xperia Z3のRAMが3Gバイトなのに対し、Xperia Z3 Compactは2Gバイトである点だ。だが、Xperia Z3 Compactは画面解像度が低く、Xperia Z3ほど強力な処理能力は必要ない。そのため、実際のところパフォーマンスの違いは分からない。
Xperia Z3 Compactのストレージ容量は16Gバイトだ。Xperia Z3とは異なり、32Gバイトモデルは用意されていない。写真、アプリ、音楽などを大量に保存したい人にとっては問題になるかもしれない。幸いmicroSDカードでストレージを拡張できる。だが、どちらにしても容量は大きい方がよいだろう。
このチップセットは「Android 4.4.4」(KitKat)およびXperiaのUIと相性が良い。基本的なタスクも複雑なタスクもスムーズに行える。動作がぎこちなくなったり、遅延したりすることはない。これがXperia Z3 Compactをお勧めする最大の理由である。Xperia Z3 Compactは、大型モデルと同等のパフォーマンスを備えながら片手で快適に操作できる数少ないスマートフォンの1つだ。Xperia Z3 Compactに比肩するのは、iPhone 6とGalaxy Alphaくらいだろう。
ソフトウェア
上述の通りXperiaのUIは、Xperia Z3のUIと同じようにAndroidに若干の変更を加えたものだ。主な変更点は、ホーム画面とロック画面に幾つかのウィジェットが追加されたこと、ソニー独自のサービスが目立つ位置に配置されたこと、「リモートプレイ」機能から「PlayStation 4」の機能が使用できるようになったことだ。
リモートプレイは「PlayStation App」を使用して、PlayStation 4のゲームを直接スマートフォンにストリーミングできる機能だ。さらに「DualShock 4」コントローラーを接続することもできる。このリモートプレイ機能はXperia Z3シリーズの他のデバイスにも搭載されている。
Xperia Z3 CompactのUIは、米MotorolaのようにほとんどUIに手を加えていないわけでもなく、Samsungの「TouchWiz」のUIや台湾HTCの「Sense」のUIほど雑多な感じもない。Android本来のUIを生かした優れたUIの1つだ。Androidを使い慣れている人であれば、Xperia Z3 CompactのUIは難なく使いこなせるようになるだろう。
バッテリー持続時間
Xperia Z3 Compactのバッテリー持続時間が称賛に値することに異論を唱える人はいないだろう。Xperia Z1 Compactで2300mAhだったバッテリー容量は2600mAhに増加した。さらに、1回の充電で使用可能な時間は約2倍に延びている。これは強力になったチップセットと妥当な画面解像度、負荷の低いUIのなせる業だろう。
Xperia Z3と同様、Xperia Z3 Compactのバッテリー持続時間もピカイチだ。1回の充電で1日問題なく使用できる。いざというときには「STAMINAモード」がある。このモードを使用すると、不要な機能が制限され、バッテリーが長持ちする。欠点はバッテリーを取り外せないことだ。だが、この開封直後のパフォーマンスを見る限り、バッテリーを取り外せない点が問題になることは当分ないだろう。
カメラ
カメラは、長きに渡ってXperiaシリーズ最大のセールスポイントの1つとなっている。Xperia Z3 Compactのメインカメラも例外ではない。2070万画素のカメラはXperia Z3のカメラと全く同じものだ。そのため、Xperia Z3 Compactで撮影した写真と動画は、当然のことながらXperia Z3と同じ品質になる。つまり、細部まで捉えた非常に鮮明な撮影が可能だ。薄暗い環境で撮影しない限り、大したノイズが発生することもない。Xperia Z3 Compactのカメラは現在Androidデバイスに搭載されているものの中で最高レベルの1つだといえよう。5インチ未満のスマートフォンで、これに匹敵するカメラを備えているのはiPhone 6くらいだろう。
結論
Xperia Z3 Compactは、現在市場に出回っている中で最もバランスが取れた5インチ未満のAndroidスマートフォンだ。4.6インチのディスプレーは、最近まで「コンパクト」というカテゴリに分類されるサイズではなかったが、現在の主流はファブレットや大型スマートフォンだ。そのような状況でも、Xperia Z3 Compactは、コンパクトサイズでありながら、その薄型ボディーと高いパフォーマンスから「主力機種」と呼ぶにふさわしいデバイスに仕上がっている。
精巧なデザイン、防水対応ボディー、最高レベルのカメラ、大容量のバッテリー、強力なチップセット。これらは全て魅力的なセールスポイントだ。ディスプレーの視野角とストレージの容量に関しては改善の余地がある。だが、片手で操作できる強力なデバイスを求める人はXperia Z3 Compactに満足すること請け合いだ。
長所
- 防水対応の使いやすいボディー
- 非常に高性能なカメラ
- 優れたバッテリー持続時間
短所
- バッテリーを交換できない
- 期待はずれの視野角
- カメラボタンが小さい
Xperia Z3 Compactは、片手で快適に操作できる滑らかなガラス製のボディーに、トップレベルの処理能力、バッテリー持続時間、カメラパフォーマンスが詰まっている。現在リリースされている5インチ未満のAndroidスマートフォンの中で最高クラスのスマートフォンである。
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