2015年09月14日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品導入ガイド企業ITの主流になるDevOps

連続的なリリースを必要とする動きの速いソフトウェアプロジェクトでは、開発チームと運用チームを組み合わせることで時間を短縮でき、品質も向上する。だがそのためには文化的にも大きな変化が求められる。

[Cath Everett,Computer Weekly]
Computer Weekly

 アプリケーション開発チームとシステム運用チームの作業を融合させる「DevOps」は、アプリケーション開発と導入に対するニッチなアプローチだったが、今後1年ほどで主流へとシフトするだろうと米Gartnerは予想する。

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 実際に、この草の根的理念の魅力は大きく、グローバル2000社の4分の1がDevOpsを採用するとGartnerは予想する。ソフトウェアツールの市場規模は21.1%拡大して、2014年の19億ドルから2015年には23億ドルに成長する見通しだ。

 関心は幅広い分野に及ぶとGartnerは見込んでいる。最近まで、DevOpsは主にクラウド事業者の他、金融サービス業者や通信事業者の一部が他社に先駆けて実験的に採用していたにすぎなかった。だが今では採用の幅が広がり(全社レベルではないにしても一部の部署で)、製造や小売、製薬、ライフサイエンスといった分野にも普及しつつある。

 だが、ITコンサルティング企業Xceed GroupでDevOpsと継続的配信の手法を主導するベン・サンダース氏によれば、こうした右肩上がりの状況にあっても、多くの組織ではまだ懐疑的な見方が残っているという。

 DevOpsはまだ「生まれたばかり」だ。これが一時的な現象で終わるものではないという確信が持てないことに加え、これが何を意味するのかについても一致した定義が確立していない。従って「単純にどこから始めればいいのかが、多くの人にとって大きな課題になっている」とサンダース氏は言う。

 同氏によれば、DevOpsはアプリケーション開発部門と運用部門の連携を実現し、問題が浮上すれば導入時まで持ち越すことなくその都度対応する手法を指す。

 「これは共有と、チームが結束して開発の歩調をそろえることに尽きる。その理念は、アプリケーションの動作に問題があれば運用チームが開発チームにフィードバックを提供し、確実に最善の解決策を取ることにある」(サンダース氏)

 DevOpsの核心はペースにあると451 Researchの調査マネジャー、ジェイ・ライマン氏は言う。同氏は、「一般的にはスピード、アプリケーション導入までの時間、商品化までにかかる時間、競争力から始まる」と指摘した。

DevOpsのメリットを実証

 組織がこのルートをたどると、作業の効率性が高まり、反応が良くなり(少なくともプロセス自動化のレベル上昇がその一因となる)、大幅なコスト削減につながり、人事面でもメリットがある。

 ライマン氏は言う。「組織は、特に大企業は、人材を引き付けてつなぎ止めたいと思っている。だが旧態依然と見なされれば、優秀な人材を引き付けることも、つなぎ止めることもできない。しかもこの種の専門技能については本当に需要が大きい」

 ただし、DevOpsのアプローチは何もかもバラ色というわけにはいかない。多くの場合、管理手法の変更と、単純に担当者をその気にさせることが大きな課題になる。DevOpsは開発者を中心とする草の根運動であることから、特に運用側にそれが当てはまる。

 Xceed Groupのサンダース氏は、「人は変化を好まないので、最初は必ず抵抗に遭う。自分にマイナスの影響が出ると思われればなおさら抵抗は大きい」と指摘する。「例えば、テスターに対してテストケースを自動化すると告げれば、彼らは必然的に職を失うと考える」

 従って、担当者に試験プロジェクトの数値を提供してどれほど時間が節約できるかを示すなど、DevOpsのアプローチのメリットを示すことが重要だ。プロジェクト完了までの期間を短縮できた場合のボーナスなどの形で、チーム全体にインセンティブを与えることも役に立つ。

 だだ、DevOpsがあらゆる種類の開発に適しているわけではないことも忘れてはいけない。例えば、DevOpsは一般的にアジャイルとの組み合わせで進められることから、継続的に更新され、小規模なリリースが多く、配信の間隔が短いWebやモバイルアプリなどの開発には適している。

 一方、規模の大きいバッチメインフレームプログラムや従来型のクライアント/サーバ型プログラムの構築にはこの方式は適していない。それでもライマン氏は、「DevOpsは新しいやり方を提示しており、このまま定着する」と予想する。

 恐らく抵抗があることは同氏も認めた上で、例えばアプリが機能しない場合やサイトがダウンした場合などの対応に関してメリットがあることを考えれば、いずれはこれが必須になるとの見方を示した。「競合相手がこれを使い始めれば対応を迫られる。従って、いずれは定着するだろう」

ケーススタディ:Postcode Anywhere

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