エンドポイントセキュリティの在り方を聞く
安全なはずのWindows、なぜさらにセキュリティを高める必要があるのか?
「マイクロ仮想化」の技術でMicrosoftと提携するBromiumによれば、IT部門最大のセキュリティ課題はWindowsにあるという。それはどういうことなのか。
企業のアプリケーションとそのデータは、続々とクラウドへ移行されている。だが最大のセキュリティリスクは、いまだエンドポイントに残るという。
身代金要求型マルウェア「ランサムウェア」、特定の標的を狙ったフィッシング詐欺「スピアフィッシング」といった新たなエンドポイントの脅威は、従来のセキュリティツールの目をかいくぐることが少なくない。こうした脅威が高度になるにつれ、十分なセキュリティ教育を受けた最も用心深いユーザーでさえ欺き、悪意のあるリンクをクリックさせ、マルウェアを含む添付ファイルを開くよう仕向けることが可能になる。
こうしたエンドポイントの脅威に対抗するため、Microsoftは「マイクロ仮想化」のベンダーであるベンダーBromiumと提携し、クライアントOS「Windows 10」のセキュリティを強化しようとしている。マイクロ仮想化は、アプリケーションと他のシステムプロセスを互いに分離するテクノロジーだ。あるプロセスが攻撃の被害を受けても、クライアントPCの別の部分や企業LAN全体に影響が及ばないようにすることができる。
新しく出現するエンドポイントセキュリティの脅威に、組織がどう対応すべきか。Bromiumの共同創設者イアン・プラット氏とサイモン・クロスビー氏に聞いた。
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“悲喜こもごも”の「Windows 10」導入
―― ランサムウェアの危険性が盛んに叫ばれていますが、本当に大きな脅威なのでしょうか。
イアン・プラット氏 ランサムウェアの目的は、その存在を示して金銭を要求することにある。そう考えれば、検出するのは実に簡単だ。それよりも存在を隠そうとするマルウェアなどの攻撃の方が、PCに隠れて知的財産やクレジットカード情報、患者記録などを盗み出すため、企業に与える損害は甚大になる。
セキュリティ対策の中心にランサムウェア対策を据えるのは、実に奇妙だ。もっと大きなリスクから注意がそれている。
―― セキュリティ面で顧客が直面している大きな課題は何なのでしょうか。
プラット氏 最大の課題はWindowsにある。Windowsがセキュリティの点で劣っているからではない。Windowsが攻撃対象になることが少なくないからだ。ほとんどの組織の知的財産がWindowsに保存されていると考えられる。Windowsとアプリケーション全てを保護しようとするのは不可能だ。攻撃対象領域として、あまりにも広過ぎる。
サイモン・クロスビー氏 課題の大半は古いPCにある。PCを使って不可解なことをしている組織がいまだにある。
―― Microsoftとの提携は、どのような影響をもたらしていますか。
クロスビー氏 マイクロ仮想化の中核機能は、既にWindows 10やサーバOS「Windows Server」のサーバ仮想化機能「Hyper-V」に導入されている。目標はWindowsカーネルと、ますます多くのアプリケーションを保護し、相互に隔離できるようにすることだ。
―― エンドポイントの脅威に技術的な対策を取るのと比べた場合、フィッシング詐欺やランサムウェアについてエンドユーザーを教育するのは、どの程度重要なのでしょうか。
プラット氏 エンドユーザーを責めることも、エンドユーザーが攻撃に気付くことに期待するのもばかげたことだ。これまで目にしたスピアフィッシング攻撃の中には非常に精巧なものがあった。例えばBromiumのつづりを変えたドメイン名を使った攻撃が以前にあったが、一見しただけでは気付かないだろう。エンドユーザーが“安心”してクリックできるものに仕立て上げられている。
―― エンドユーザーの生産性とセキュリティとの適切なバランスを見つけるのに苦労している組織が少なくありません。
クロスビー氏 Appleのスマートフォン「iPhone」に、組織がどんどん寛容になっていったのはなぜだろう。セキュリティ面が非常に優れていたからだ。ありがちなのが、過度に受け身になること。「全てを禁止にしよう」という姿勢では事態は進展しない。エンドユーザーにとって生産性を向上は不可欠だ。そのため結局はエンドユーザーが回避策を編み出し、それがセキュリティの抜け道となり、悪意ある人間による侵入を再び許すことになる。
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