Gartnerの年次予測
知らないとは恥ずかしくて言えない2019年の「10大ITトレンド」(1/2 ページ)
デジタル思考のCIOにとって、Gartnerの2019年トップ10技術トレンドに驚きはなさそうだ。ITはスマート化が進み、インテリジェントなデジタル網が社内を、そして他の全ての場所を覆うようになる。
Gartnerが毎年発表している翌年のトップ10技術トレンドは、ITリーダーを刺激すると同時に安心感を与える役割を担うこともある。
Gartner Symposium/ITxpoで発表されたトレンドのうち、全てとは言わないまでも、幾つかは、デジタル思考のCIOやITリーダーにとって驚きに欠ける内容だったはずだ。だがGartnerの上級副社長兼アナリスト、デービッド・シアリー氏がプレゼンテーションで語った通り、CIOが2019年に注目すべきは個々のトレンドではなく、その全体にある。
「今回は特に、そうしたトレンド間の多くで融合や重複や相互作用が見られた。従って、これを単独で見るのではなく、それぞれが合わさって、われわれ(Gartner)の言う『インテリジェント』『デジタル』『メッシュ』の構築にいかに貢献しているかに目を向けることが、特に重要だ」。シアリー氏はそう語った。
Gartnerの用語はともかく、高度なインテリジェンスは、自律型の物事や拡張分析からAI駆動型の開発およびスマートシティーに至るまで、さまざまな形でGartnerの2019年トップ10技術トレンドの中核をなす。シアリー氏はこのトップ10技術トレンドと、産業の破壊や恒久的なイノベーションの促進、統合とデリバリーにおいて、それぞれが果たす重要な役割ごとに分析した。
1. 自律的なモノ
Gartnerの予想では、2021年までに、新車の10%に自動走行機能が装備されるようになる見通しだ。これは2017年の時点では1%に満たなかった。
だがこのトレンドは車だけの現象ではない。ごく一例を挙げるだけでも、人に入れ替わるロボットや、遠隔操作できるドローンもある。初の自律型船舶も、このほど初めて大西洋を横断した。
シアリー氏によると、われわれは自律の領域に沿って、人が手助けする機能から、部分的な自律化、条件付きの高度な自律化、そして最終的には完全自律化へと移行しつつある。完全自律化への道のりはまだ遠い。そうした異なるレベルの自律化に関する協調や連携が、次世代の自律する物事の鍵を握るとシアリー氏は見る。
自律技術の成長に伴い、今後数年間の大きな課題は技術ではなく、この技術で何ができるかを見極めるための法的枠組みになるだろうと同氏は予想している。
2. 拡張アナリティクス
市民データサイエンティストの数は2020年までに、データサイエンスの専門家の数に比べて5倍のペースで増えるとGartnerは予想する。
「(企業は)データサイエンス機能を自動化して一般社員やビジネス担当者の手に委ね、これを促進させている」とシアリー氏は語る。
われわれは分析機能の3段階目にいるという。第1フェーズはIT駆動型の、極めて静的なダッシュボードだった。第2フェーズはビジネス駆動性が強まり、Tableauなどのように製品の柔軟性が高まって、より視覚的でユーザー定義型になった。そして機械学習が主導する拡張分析が第3フェーズに該当する。
将来的には、自然言語が語るインサイトと自動化された視覚化機能が、インテリジェントなシステムに組み込まれるようになる。
3. AI主導の開発
Gartnerの予想では、2020年までに、新しいアプリケーション開発プロジェクトの少なくとも40%は、チームにAIコード開発者が加わるようになる。
AIプラットフォーム関連ではAIフレームワークやAIインフラが存在しているが、CIOはこれから先、その上の認知サービスを増やすことに重点を置く必要がある。こうした「より高いレベルの抽象化」は、主にクラウドサービスとして提供される。この分野ではGoogle、Amazon、Microsoft、そして中国企業がしのぎを削っている。
「こうした高度なレベルの抽象化では、開発者がデータサイエンティストを必要とすることなくAI強化型のシステムを構築するのが容易になる。だが残念なことに、そうしたクラウドサービスは競争が激しく、自分がどの方向へ行きたいのか見極める必要がある」(シアリー氏)
4. デジタルツイン
Gartnerの調査によると、IoTプロジェクトを導入している企業の24%はデジタルツインを利用している。この割合は向こう1~2年の間に50~60%の範囲に到達するとGartnerは予想する。
Gartnerの定義するデジタルツインとは、現実世界の物事をデジタルで表現することを意味する。デジタルツインが最もよく利用されているのはメンテナンスと信頼性の分野だが、産業機器の製造やビジネスプロセスおよび資産最適化にも利用されている。
近い将来、デジタルツインは「モノ」を越えて組織や都市、そして人さえも網羅するようになる。人のデジタルツインの一例としてシアリー氏は、医師が実際の手術の前に仮想手術を行ったり、リアルな人の心臓のデジタルツインを見て心臓の状態に関するデータを収集したりすることを挙げている。
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