Column
ワイヤレスをめぐる5つの神話に惑わされてはいけない
ワイヤレスLANは脆弱でサポートが面倒というのは、本当だろうか。ワイヤレスネットワークに関する限り、不安をかき立てている最大の要因は知識不足のようだ。
この数年間、ワイヤレスLANは、セキュリティが弱いだの、不必要だの、コストが高いだの、サポートするのが難しいだの、ありとあらゆる批判を受けてきた。読者もこういった批判を耳にしたことがあるはずだ。
多くの人々はしばらくの間、それが本当だと信じてきた。いや、今だってそう思っている人がいる。
しかしシスコやフォレスターリサーチ、インテルでは、ワイヤレスにまつわるこういった不安を払拭したいと考えている。これら業界リーダー3社は最近、ワイヤレスに関する5大神話を取り上げたリポートを発表し、同技術にまつわる多くの懸念に終止符を打つとともに、「ワイヤレス化しても大丈夫」な新時代の幕開けを告げた。
これらの神話とは、
- ワイヤレスネットワークは有線ネットワークと比べてメリットが少ない
- ワイヤレスネットワークはセキュアでない
- ワイヤレスネットワークは配備とサポートが難しい
- ワイヤレスネットワーク技術は未成熟である
- ワイヤレスはデータのモバイル化以外にビジネス価値がない
というものである。
シスコのマーケティングディレクター、ベン・ギブソン氏によると、このような認識は正しくないという。多くの米国企業は認識を改め始めているが、今でもこういった誤解を抱いている人は非常に多い。
「802.11技術の現状と、ワイヤレス技術に対する認識との間には大きな断絶が存在する。今でも多くの人が『ワイヤレスはセキュアでないので、まだ配備していない』と言っている」とギブソン氏は話す。
ギブソン氏によると、WEP(Wired Equivalent Privacy)が使われなくなり、暗号化方式としてWPA(Wi-Fi Protected Access)2のサポートが導入されたことで、ワイヤレスネットワークは有線イーサネットのネットワークと同じくらいセキュアになったという。だがワイヤレスネットワークが合理的なレベルのセキュリティに達しているにもかかわらず、多くの企業は依然として、ワイヤレスネットワークに施錠するための製品が必要だとする市場の誤解から抜けきれないでいる、と同氏は指摘する。
「ワイヤレスネットワークはビジネスツールとしての有用性が高まっており、企業各社はモバイル性や生産性だけでなく、重要なビジネス的利用価値を提供するワイヤレスアプリケーションを見つけ出している」とギブソン氏。
このようなアプリケーションとしては、高速かつ簡単なコミュニケーションを可能にするだけでなく、ネットワーク上のユーザーの位置を特定するのに役立つ音声技術やプレゼンス技術などがある。
従来、WLAN(ワイヤレスLAN)はオーバーレイネットワークにすぎなかった――有線ネットワークが存在して、その上にワイヤレスが置かれていたのだ。ギブソン氏によると、そういった背景があったために、企業がワイヤレスの広範囲な配備を進めなかったのだという。多くの企業では、配備と管理が非常に複雑であるという認識に基づき、ワイヤレスの配備を最小限にとどめてきたのだ。
「ワイヤレスアーキテクチャは簡素化され信頼性が高くなった」とギブソン氏は話す。同氏によると、従来はワイヤレスと有線のネットワーク用に別々のセキュリティ/管理プラットフォームが必要だったが、これは最後に克服すべきハードルだったという。有線・無線の両ネットワークを1セットのツールで管理できるようになったことは、ワイヤレス技術が成熟したことの証左である。
オレゴン州にあるインテルのキャンパス、ジョーンズファームでは、ワイヤレスネットワークはもはや、かつてのような厄介で扱いにくく、セキュリティの弱い代物ではないという認識が浸透している。同キャンパスでは全面的なワイヤレス化を実現した――有線ネットワークも残されているが、キャンパス全体がワイヤレスに対応し、大半のタスクがワイヤレスで処理されているのである。
インテルでデジタルエンタープライズマネジャーを務めるブライアン・タッカー氏によると、5000~6000人の従業員が働いているジョーンズファームキャンパスは、この数年間で完全にワイヤレス化したという。「これまでのところ、大きな障害は起きていない」と同氏。
ジョーンズファームキャンパスが完全にワイヤレス化する前は、多少の不安があったという。
「ワイヤレスは二次的なオーバーレイだと考えられ、ミッションクリティカルなものだとは見なされていなかった」とタッカー氏は、ワイヤレスネットワーク配備当初の状況について語る。「しかしミッションクリティカルなワイヤレスネットワークを構築できることがジョーンズファームで示された。有線ネットワークと同じ安定性と信頼性を備えたワイヤレスネットワークを構築することが可能なのだ」。
ジョーンズファームのチームが乗り越えなければならなかったハードルの1つは、ワイヤレスネットワークはモバイル性以外にはほとんどビジネス価値をもたらさないのではないかという認識だった。タッカー氏によると、検討を重ねた結果、「ワイヤレスネットワークが従業員にもたらす価値に確信を持った」という。インテルでは以前から社内でWLAN技術をある程度利用していたため、全キャンパス的に配備するのはそれほど大げさなことではなかった。
セキュリティに関しては、それほど心配したことはなかったという。「標準が存在したし、技術的にも成熟し、実績があったからだ。適切に配備すれば、有線と同等のセキュリティを実現することが可能なのだ」とタッカー氏は話す。
タッカー氏によると、企業は神話を信じてワイヤレス技術を拒否する前に、もっと勉強してワイヤレスネットワークに関する知識を深めるべきだという。
「情報を収集して知識が豊富になれば、適切に配備されたワイヤレスネットワークがコストの削減につながり、それほど複雑なものではないことを理解できるはずだ。ワイヤレスネットワークに関する限り、不安をかき立てている最大の要因は知識不足のようだ」(同氏)
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