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2007年のホットなストレージ技術【前編】
米国Storage誌の編集部は、2006年のストレージ分野の技術開発や製品リリース、規格の動向を振り返り、それを基に2007年のホットなストレージ技術を検討して5つを選定した。前編では、2006年の予測結果とともに、そのうちの2つを取り上げる。
2007年にはiSCSI SAN、ハードウェアベースのテープ暗号化、大容量ディスクドライブ、仮想化、シンプロビジョニングが、必須のストレージ技術になる見通しだ。
ストレージ業界の特徴は、ダイナミックな変化である。しかし、決して変わらない要素もある。ストレージの大容量化ニーズと、より優れた、手間のかからないデータ保護方法の飽くなき追求だ。
米国Storage誌の編集部は、2006年のストレージ分野の技術開発や製品リリース、規格の動向を振り返り、それを基に2007年のホットなストレージ技術を検討して5つを選定した。
米国Storage誌の編集部は、2006年のストレージ分野の技術開発や製品リリース、規格の動向を振り返り、それを基に2007年のホットなストレージ技術を検討して5つを選定した。
この5つの技術のうち「iSCSI SAN」と「仮想化」は、何年も前から誌面で取り上げられてきた。だが、2007年には、両者はいよいよ本格的に普及しそうだ。また、選定された5つの技術の中には、1つの問題の解決に特化した新しい技術もある。ハードウェアベースのテープ暗号化がそれにあたる。この技術は、データテープの紛失に伴う個人情報の盗難や企業秘密の不正利用の防止を図るものだ。
われわれが選んだ2007年のホットなストレージ技術について、以下で説明する。取り上げるベンダーや製品は、それぞれの技術カテゴリーの代表例だ。
前編では、2006年に予測されていた技術の結果と、5つのうち、iSCSI SAN、ハードウェアベースのテープ暗号化の2つについて説明する。
2006年、ストレージ分野で予測された結果
まず、2006年にホットなストレージ技術として予測された技術、5つの現状を下の表にまとめた。
■2006年の予測の成績表
| 2006年のホットなストレージ技術として予測された技術 | 現状 |
|---|---|
| 電子メールアーカイビング | 大企業や中堅企業が電子メールアーカイビングを実施または検討していない場合、それらの企業の法務部門は有効に機能していないはずだ。 |
| リモートオフィスをサポートする技術 | 企業がITコスト削減の圧力にさらされ、リモートオフィスが真っ先に、常勤スタッフによるITサポートの廃止対象となっている。こうした中央集中化が進み、中央からリモートオフィスをサポートする技術が活発に利用されている。 |
| Serial Attached SCSI(SAS)/SATA | SATAは第2層および第3層ストレージに広く浸透しており、SASは着実に支持を獲得している。第1層ストレージでは、パラレルSCSIとFibre Channelが依然として主流だ。 |
| 仮想テープやディスクへのバックアップ | ディスクへのバックアップのパフォーマンスメリットは議論の余地がないが、テープは価格と携帯性で強みを維持している。企業ではどちらも出番がある。 |
| ミッドレンジアレイ | 2006年に大手ベンダーがミッドレンジアレイ製品の発表や改良を次々に行い、ストレージ管理者はそれらを多数購入した。われわれの調査では、彼らは概して、購入した製品を気に入っていることが分かった。 |
ほかにも、技術開発や製品リリース、規格の動向を振り返って検討し、選んだ2007年のホットなストレージ技術5つを、2回にわたって説明していこう。
iSCSI SAN
iSCSIは中堅企業がいち早く採用した。コストが低い上、導入しやすいためだ。以前はIPネットワークの最大通信速度は1Gbps程度だったが、それは問題ではなかった。「導入を決めるにあたって、パフォーマンスはあまり気にかけなかった。コストメリットが大きかった」と、自動車部品メーカーのシャイローインダストリーズでネットワーク管理者を務めるスティーブ・メクリング氏は語る。
iSCSIは着実に支持を広げている。調査会社IDCの最近のリポートによると、iSCSIプロトコルのストレージシステム市場でのシェアは、2008年までに売上高ベースで10%を超え、記憶容量ベースではそれ以上に達する見通しだ。ストレージネットワーキングの普及当初は、大企業はiSCSI SANについては、強力なパフォーマンスを提供するFibre Channel(FC) SANに将来移行するという前提で利用する、中継ぎのソリューションと位置づけていた。FCは2Gbpsから4Gbpsへと順調に高速化しているが、IP/Ethernetは最近、銅線ケーブルで10Gbpsが実現され、FCを追い抜いた。10GbpsのiSCSIは、FCよりも高速な伝送が可能であり、FCの速度が数年後に8Gbpsに達したとしても、依然としてその優位を保つことになる。
とはいえ、これまでiSCSIが支持されてきた理由は、パフォーマンスでは決してなかった。「端的に言えば、iSCSI SANの特徴は、Ethernetを利用してコストを削減できることにある。だが、ユーザーが本当に気に入っているのは、iSCSI SANで標準的に利用できる負荷分散やスナップショットなどの機能だ」とグラスハウステクノロジーズの戦略サービス担当ディレクター、スティーブン・フォスケット氏は語る。「iSCSI SANはユーザーから非常に好評を得ている」
現在、大企業では、FC SANとiSCSI SANを組み合わせて利用することが重要になっている。「FC SANを運用している企業がiSCSI SANも導入している。彼らが求めているのは選択肢だ。iSCSIはFCに取って代わるものではない。むしろ、大企業がビジネスニーズに基づいてストレージに関する意思決定を行うことを容易にするものだ」とエンタープライズマネジメントアソシエイツの上級アナリスト、マイク・カープ氏は語る。「最近では、ほとんどのストレージ製品ベンダーがiSCSIをサポートしている」と同氏は付け加える。EMCやIBMのようなエンタープライズストレージベンダーもiSCSI対応を進めているという。
またiSCSI SANは、依然としてFCよりもコスト的に優れている。例えば、シャイローインダストリーズは現在、イコールロジックの約4万ドルのiSCSI SAN機器を4台使って17Tバイトのストレージを運用している。
ハードウェアベースのテープ暗号化
2006年には、データを暗号化すべき理由が明確に認識されるようになった。バックアップテープの紛失が多発したほか、連邦規則により政府機関では、保存されたデータを暗号化することが必要になり、現在34の州が企業に対し、データの紛失により個人情報が漏洩した可能性がある場合には、該当者に必ず連絡することを義務付けている。
保存されたデータの暗号化は、ホスト、ネットワークベースアプライアンス、あるいはストレージデバイスやテープライブラリでさまざまな方法を用いて行える。だが、テープデバイスでの暗号化が、最も高速なパフォーマンスを実現し、業務への影響も最も少ないと見られる。大胆な予測かもしれないが、われわれは、ハードウェアベースのテープ暗号化という選択肢が、メインフレームベースのデータセンターを持つ大企業に最も好まれるようになると考えている。
こうしたデータセンターでは、数百万人ではないにしても、数十万人の顧客の機密データがバックアップされている。そこでは信頼できるパフォーマンスと透明な運用が必要とされる。「こうしたデータセンターを運用している企業は、テープ上のデータを長期間管理している」とIDCのテープ/リムーバブルストレージ担当リサーチディレクター、ロバート・アマトルーダ氏は説明する。
ハードウェアベースのテープ暗号化は、こうした大企業以外の企業による利用も想定して、次世代LTO規格のLTO-4に対応したデバイスで、2007年のいずれかの時期からサポートされる見通しだ。こうしたLTO-4製品の価格は、暗号化機能がない現行のLTOドライブと比べて変わらないか、あるいは若干高い程度だろうと、フリーマンリポーツの社長兼上級アナリスト、ロバート・エイブラハム氏は見る。
また、IBMとサン・マイクロシステムズは、大規模データセンター向けのテープドライブで暗号化機能を提供している。IBMはテープドライブの「System Storage TS1120」でデータ暗号化機能を初めて導入した。これらのドライブは、テープ速度で暗号化を行い、ホストCPUサイクルを消費するホストベースの暗号化を不要にしている。サンはテープドライブの「StorageTek Crypto-Ready T10000」で、z/OS、Solaris、WindowsなどさまざまなOSをサポートしている。
これらのエンタープライズ製品の価格は決して安くない。サンの製品は基本価格が3万7000ドルで、暗号化機能を利用するには5000ドルの追加料金がかかる。IBMの製品は3万5000ドルだ。デクルー(現在はネットワークアプライアンスの傘下)やネオスケールシステムズ、ボーメトリックが提供しているような暗号化アプライアンスや、近い将来に登場するLTO-4ドライブは、IBMやサンのテープ暗号化対応ドライブより安価だろう。それでも、IBMやサンの製品は、大規模なメインフレームデータセンターを運用する大企業にとって魅力的だ。「こうしたデータセンターでは、エンドツーエンドのストレージソリューションが求められる」とアマトルーダ氏。「彼らは既存のストレージと同じベンダーのテープドライブを使いたがる。小規模ベンダーとの取引に伴う不確実な要素を回避しようというわけだ」
エンタープライズ製品は、すべての企業に適しているわけではない。だが、テープ暗号化をサポートするLTO-4対応製品が登場すれば、テープドライブの暗号化は、手ごろなコストで利用できるようになり、広く普及するだろう。
(後編へ続く)
[Alan Radding,TechTarget]
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