新しい仮想デスクトップインフラ機能とは?
Windows Server 2008 R2のRDS新機能トップ10(パート3)
Windows Server 2008 R2のリモートデスクトップサービス(RDS)で提供される新機能を取り上げる3回シリーズの最終回。今回は1位を発表する。
Windows Server 2008 R2のリモートデスクトップサービス(RDS)では、Windows Server 2008のRDSに残っていた粗削りな部分が修正され、多数の新機能が盛り込まれている。その中でも最も目を引くのが、VDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップインフラ)機能だ。
RDSのVDI機能は、ホスト型仮想デスクトップや旧来のアプリケーションを提供できるようにリモートデスクトップインフラを拡張する。この拡張は重要な意味を持つ。リモートユーザーのためにレガシーアプリケーションと本格的なデスクトップをサポートする必要性をMicrosoftが認識していることを示しているからだ。
ホスト型仮想デスクトップを実現するVDIは、RDSの従来のプレゼンテーション仮想化インフラにインストールできない、あるいはインストールされないアプリケーションをサポートするメカニズムを提供する。また、リモートアクセスが必要な環境のために、完全な(仮想化された)デスクトップをサポートするプラットフォームも提供する。
MicrosoftによるVDIの実装では、RDSとHyper-Vが組み合わされている。RDSがネットワークトランスポートを可能にし、Hyper-Vが仮想化プラットフォームを提供する仕組みだ。仮想デスクトップは、ユーザーのニーズに応じて以下の2つの形態で作成できる。
1. 個人用仮想デスクトップ
特定のユーザーに割り当てられ、各ユーザーとその専用デスクトップとが1対1で対応する。ユーザーは常に、使い慣れたカスタマイズ環境に接続して作業を行う。この環境には必要なアプリケーションとデータがすべて含まれる。
2. 仮想デスクトッププール
ユーザーがアプリケーションにリモートアクセスできるようにする必要があるが、高度なパーソナライズは必要でない場合に作成される。仮想デスクトッププールでは、各デスクトップは不特定ユーザー向けのアプリケーションアクセスポイントとして構成され、ユーザーは、ログイン時に空いていたデスクトップにアクセスする。この構成は、個人用仮想デスクトップと同レベルのパーソナライズは提供しない。だが、限られた状態データしか必要とされない場合にアプリケーションへのアクセスを可能にする。
Microsoftは、個人用仮想デスクトップに対する、あるいは仮想デスクトッププール内のデスクトップに対するユーザー状態データの転送を、既存のリモートデスクトップローミングプロファイルインフラによって実現している。新たに拡張されたRD接続ブローカが、ユーザーからの接続要求に応じて適切なデスクトップの特定、起動、プロファイル情報の注入、デスクトップの準備を調整、管理する。この接続ブローカは、ユーザーが仮想デスクトップを表すアイコンをダブルクリックしたときに、適切なデスクトップに接続し、それを利用できるようにするものだ。
この接続では、RDSが重要な役割を果たす。ユーザーと仮想デスクトップの接続にRDPプロトコルが利用されるからだ。Windows Server 2008 R2のRDSでは、RD WebアクセスやRDゲートウェイを介したユーザーと仮想デスクトップの接続もサポートされている。
そのおかげで、ユーザーは所定のWebページでアイコンをダブルクリックするだけで、仮想デスクトップを利用するプロセス全体を開始できる。また、LANの外部から接続するユーザーは、RDゲートウェイのサービスにより、トランスポートレベルのセキュリティとリバースプロキシ機能を享受できる。
一方、Microsoft製品で統一されたVDIソリューションは、ホスト型仮想デスクトップを実現する方法の1つにすぎないことを認識することも重要だ。Microsoftは、Hyper-VとCitrixのXenDesktopを組み合わせたソリューションを、高度な管理サポートが必要な環境向けの選択肢として勧めている。
今回まで3回にわたって、Windows Server 2008 R2のRDSにおける最も魅力的な10の新機能を紹介してきた。あなたがWindows Server 2003からのアップグレードや新システムの導入を考えているなら、RDSに追加されたこれらの機能の魅力はR2のリリースを待つ理由の1つになるだろう。
本稿筆者のグレッグ・シールズ氏は、フリーランスのライター兼コンサルタント。MCSE資格者で、ITアーキテクチャとエンタープライズ管理について長年の経験を持つ。Microsoft製品の管理、システム管理および監視、仮想化といったトピックに関するITトレーナーや講師も務める。近著として「Windows Server 2008: What's New/What's Changed」(SAPIEN Press刊)がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー