古い業務アプリを最新OS環境で
Windows 7の互換性問題を解消するWindows XP Mode
Windows XP Modeにより、Window 7はWindows XPをエミュレートし、XPにしか互換性がないアプリケーションを動かせる。
長年にわたる互換性問題
多くのITマネジャーは、古いデスクトップOSと関連ハードウェアをサポートせざるを得ない。新しいOSは予算の制約からなかなか導入できないことがあるが、古いOSは大抵、業務アプリケーションが古いOSとハードウェアの上でしか動作しないという理由で、長期にわたって利用される。
Windows 7の新機能「Windows XP Mode」(以下、XPM)は、Windows XP(以下、XP)をエミュレートすることで、Windows 7における古いアプリケーションの互換性の問題を解消する。
Windowsにはかねて互換性の問題がつきまとっており、そのためにWindowsのアップグレードは企業にとって悩みの種となっている。XPに対応するアプリケーションの多くは、後継OSのWindows Vista(以下、Vista)と互換性がない。最新のWindows 7にも互換性の問題は残っている。
Vistaと互換性がないXPアプリケーションを使っている企業が、XPからVistaと対応ハードウェアに移行したい場合、ITマネジャーの選択肢は以下のようにわずかしかない。
- Vistaで動作するようにレガシーアプリケーションを作り直す
- 仮想デスクトップインフラ(VDI)を導入し、Vista上でXPをエミュレートするセッションを提供する
どちらの選択肢も多大なコストが掛かるため、正当化するのは困難だ。
しかし、アップグレードしないと、さまざまな問題を抱えることになる。新しいシステムに移行しなければ、IT部門は最新の高度な機能性、例えば省電力機能、リモート管理、64ビット対応、強化されたセキュリティ、改善されたパフォーマンス、向上した信頼性などを享受できない。しかも、古いハードウェアは新しいものよりも故障率が高い。これらのことから、レガシーOSのサポートは高くついてしまう。
だがWindows 7では、高いコストが掛かる妥協や限られた選択肢を受け入れずに済みそうだ。XPMにより、Window 7はXPをエミュレートし、XPにしか互換性がないアプリケーションを動かせる。このため、ITマネジャーは、登場後10年近くたつOSと、同様に老朽化したハードウェアを一掃できる。
Windows XP Modeとは
XPMは、Windows 7搭載PC上に仮想PCを作成するアプリケーションであるWindows Virtual PCと連係して機能する。
XPMは完全な仮想マシンパッケージであり、ライセンス付きのXP SP3がゲストOSとしてプリインストールされている。Windows 7環境では、XP上で動作させなければならないアプリケーションは、XPMの仮想セッションの中でインストールする。これらのアプリケーションをPCのスタートメニューから実行すると、XPMが自動的に起動し、プリインストールされたコンポーネントを使ってこれらのアプリケーションを、Windows 7上で動作しているかのように表示する。
だが、これらのアプリケーションは実際には、XP上で動作する。これにより、XPを必要とする古いアプリケーションのソフトウェア互換性の問題が解決される。XPMを使うことで、ITマネジャーは新しいWindows 7搭載PCを導入し、同OSの機能を必要とする新しいアプリケーションをサポートする一方で、XPでしか動作しない業務アプリケーションへのアクセスを引き続き提供できる。
さらに、XPMはXPソフトウェア環境を模倣するだけでなく、XPで使われる一般的なハードウェアを再現する。XPMが作成する仮想PCがエミュレートするPCのハードウェア構成は、Intel Pentium II(32ビット)プロセッサ、Intel 440BXチップセット、標準的なSVGA VESAグラフィックスカード(VRAMが4MバイトのS3 Trio 32 PCI)、AMI System BIOS、Creative Labs Sound Blaster 16 ISA PnP、DEC 21041イーサネットネットワークカードだ。
XPMは、仮想ハードウェアとXPの仮想バージョンを組み合わせ、XPベースのビジネスアプリケーションとの高度な互換性を実現する。XPMにより、完全なアプリケーション互換性が提供され、アプリケーションはすべての機能がサポートされ、物理的なXP搭載PC上と同じように安定して動作する。
適切に導入されれば、XPMはまったく表に現れず、エンドユーザーはその存在に気付かない。Windows 7ユーザーが意識するのは、XP環境でいつもそうだったように、業務アプリケーションがすぐに使えるということだけだ。
本稿筆者のフランク・オールホースト氏はITジャーナリスト。ネットワーク管理者、アプリケーションプログラマーの仕事を経て創業したコンピュータコンサルティング会社の経営者でもある。
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