SMB向け業務パッケージ紹介【財務会計編】:ミロク情報サービス
税理士、会計士も納得のコンポーネント型財務会計システム「MJSLINK II 財務大将」
税理士・公認会計士事務所から圧倒的な支持を得ているミロク情報サービスの業務用アプリ。中でも「MJSLINK II」は国内の中小企業向けERP市場でトップシェアの売り上げを誇るという。その強さの秘密とは?
ミロク情報サービスは1977年に設立され、当初は会計事務所を対象とした計算センター受託処理サービスでスタートした。1980年代になりオフコン時代の到来を確信すると、会計事務所専用のオフコン開発・販売会社へと大きく業態を変更。その後、会計事務所の顧問先企業にまでマーケットを拡大していくとともに、1990年代後半には本格的にオープン化を進め、零細企業から大規模企業まで幅広い顧客層に対応していった。
そうした中、2002年に開発した中堅・中小企業向け業務情報統合システムの「MJSLINKシリーズ」が大きな反響を受ける。2007年末にはその後継商品であるERPシステム「MJSLINK II」をリリースした。現在では会計事務所ユーザー数は約8400事務所、企業ユーザー数は約1万7000社を抱えるまでに拡大。ミック経済研究所の「拡大の転換点さぐる基幹業務パッケージソフトウェアの市場展望 2009年度版」によると、年商5億~50億円規模企業におけるERPシステムの出荷金額ベースではマーケットシェア21%でトップを獲得している。
モジュールやテンプレートを柔軟に選択できるコンポーネント型システム
ミロク情報サービスの企業向けシステムは、導入する企業の規模やニーズに合わせて、複数用意されている。中堅・大企業向けには本格的な内部統制機能を装備したERPシステム「Galileopt(ガリレオプト)」、小規模企業向けには会計事務所のシステムと連動する業務パッケージ「ACELINK Navi CE」がある。
今回取り上げるMJSLINK IIは、GalileoptとACELINK Navi CEとの中間に位置する中小企業向けのERPパッケージシステム。同社の会計事務所CP事業本部 営業推進部 企業システム企画グループ長を務め、企業マーケティングの責任者である志牟田浩司氏は次のように説明する。
「MJSLINK IIは、従業員10~300人、年商5億~100億円規模の企業向けに最適化されており、低価格・短期導入が強み。また、財務、給与、販売情報を管理する基本システムを核に数多くのオプションシステムを用意することで、業種・業態に適した複数の業務モジュール機能やテンプレートを柔軟に選択できるコンポーネント型システムを採用している」
その主要コンポーネントの概要を以下に紹介する。
・「財務大将」
MJSLINK IIの中心に位置するのが、同社の会計業務パッケージ「財務大将」である。同社が顧問先企業向けとして1986年から発売を開始した大将シリーズの最初のモジュールの流れをくむもので、簡易な部門管理から高度なプロジェクト管理まで管理会計機能と管理帳票、経営分析帳票が出力できるようになっている。
各種伝票画面からの入力をはじめ、専門性の高い仕訳入力画面を用意して、入力画面から業務を効率化させる機能の呼び出しが行えるようにしているほか、補助科目・固定摘要・部門の採用により、各種の分析や集計が可能。経営指標に基づく約70種類の経営分析帳票をカラーで出力できるのも特徴だ。
また、業務や用途に応じたオプションを逐次導入でき、特殊な会計処理を必要とする業種にも対応する。さらに、汎用ファイル形式のデータ交換機能によって、MJSLINK IIのマスターデータや外部システムとのデータ連携も可能にしている。
・「給与大将」
給与計算や年末調整などの給与計算業務をサポートする、給与および人事データの連動型システム。月次の勤怠データを基にした給与計算処理や、支給明細書・源泉徴収票を印刷あるいは暗号化してメール配信が可能で、ペーパーレス化によるコスト削減を実現する。手当や控除も項目の追加が柔軟に行え、各種項目には計算式設定ができる。
また、採用から退職までの社員人事情報を統合的に管理し、戦略的な人事計画や適正配置を支援するほか、昇給時のシミュレーションや遡及(そきゅう)差額計算など豊富なオプションが用意され、年末調整にかかわる業務負担を軽減する。
・「販売大将」
見積書作成・受発注処理・商品の出荷・請求書発行・売掛管理などの販売管理や仕入・在庫管理といった、受注から納品まで販売業務をすべてリアルタイムに把握し、導入企業の業種・業態・管理体系に最適化させたシステム構築が可能なパッケージシステム。
実務の現場に即応した単価設定機能を搭載。顧客別、商品別、取引時期別の単価設定や前回販売単価の参照も可能で、商談内容に合わせた販売管理業務が行える。また、売上実績や予実分析など、さまざまな帳票やリポートを容易に作成することができる。
・「固定資産管理」
減損会計基準に基づく帳簿価額や減価償却額の管理のほか、取得予定の物件を登録する本格的なシミュレーションが可能。登録した内容は、MJSLINK IIやCSVファイルを経由して他社システムとも連動した管理ができる。最近ではIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)対応の資産除去債務に対応した。
・「ワークフロー」
Webブラウザで起票した申請書の申請から承認までの一連の業務フローをシステム上で実行することで、承認のペーパーレス化やスピードアップ化のほか、否認・差し戻しの際の再申請が遅滞なく可能になる。承認されたものだけを仕訳伝票に起こし、それを財務データとして反映するような自動仕訳機能も備わっている。
・「申告システム」
財務大将と連動することで、国税・地方税の申告書作成を省力化し、決算内訳書などの各アプリケーションのデータをワンクリックで自動抽出するなど電子申告の工程を自動的に時系列で管理する。
スキルアップや人材育成にも役立つ「業務プロセス・ナビ」
「これらは単独システムとしても提供しているが、必要なものを選んで組み合わせることで、財務を軸としたデータ連携による企業独自の経営情報システムを短期間にカスタマイズできるメリットがある」と志牟田氏は話す。
ミロク情報サービスは長年、特有の会計処理を行う建設業界や医療関連業界などに向けて業種別ソリューションを提供し、コンサルティングと運用サポートを行ってきたため、業界特有の課題を解決することには長けているという。
MJSLINK IIは税理士・会計士も認める信頼性を強みとする一方で、まだ経理業務に不慣れな担当者でも迷わず使えるための工夫も加えられている。例えば、「業務プロセス・ナビ」という機能は、使う人の業務プロセスのフローに応じてオリジナルメニューを構成でき、財務・販売・給与という業務アプリケーションを意識することなく業務処理が進められる。入力を専門に行う担当者には限られたメニューを表示することで業務効率を高め、さまざまな業務に取り組む上位者向けにはメニューを多機能化して付加価値の高い業務に取り組めるようになっている。ログインIDによってアクセス可能な情報の管理ができ、パスワード履歴管理やロックアウト設定、印刷履歴管理なども可能となっている。
「業務担当者のスキルレベルに応じてメニューを増やしていけば自然に業務の流れを習得でき、スキルアップや人材育成に役立てられる」(志牟田氏)
税理士も納得の「フリーレイアウト帳票設計」
また、帳票類は企業独自の書式が求められるため、帳票作成は業務パッケージのウデの見せ所となっているが、MJSLINK IIでは顧客が自由に設計できるように、Microsoft Excelと同様の操作性を持つ帳票作成ツールオプション「フリーレイアウト帳票設計」を新たに開発した。単に表を作成するだけではなく、テンプレートを基に表示項目を追加したり、また枠線の微妙な太さや背景色なども設計でき、きめ細かい帳票を作成できるのがポイントだという。
志牟田氏は、「昨今の管理会計への流れや経営分析を必要とする帳票類が増えたことから、ユーザーが独自でレイアウトを簡単にアレンジできるようになったことは、業務のスピードアップとコスト削減につながっている」と述べる。
ミロク情報サービスならではの2つのサービス
ミロク情報サービスはこうした製品の機能改善のほか、さらに2つの強みにも磨きを掛けている。その1つがサポート体制の強化だ。
「わたしたちは単にパッケージを販売するのではなく、保守・運用までのサポートが非常に重要だと考えている。そのため、全社員の3割に当たる約300人の人員をカスタマーサービス要員として、全国30カ所の営業所に配置するサービスネットワークを構築している」(志牟田氏)
例えば「ソフトウェア運用支援サービス」では、オンラインアップデートなどのプログラム更新サービスや、カスタマーサービスセンターの専門スタッフによるシステムの操作指導・運用支援を実施。経理・財務に関する専門情報から経営に役立つ情報の提供、さらには年間300回に及ぶセミナーや研修会などによるスキルアップサービスの提供などを行っている。
また、2つ目の強みは情報提供である。会計パッケージを提供する以上、法改正や税制改正など会計制度変更にも迅速に対応し、顧客にタイムリーに情報を提供することは最も重要なサービスの1つといえる。同社は、1999年に同社のシンクタンクとして「MJS税経システム研究所」を発足した。税務・商事法・会計・経営システムをテーマとした研究会に分かれ、それぞれの分野の第一線で活躍する学者やコンサルタントなどの専門家を顧問や客員研究員として招請し、迅速な情報収集と研究活動を行っている。
毎月発表される研究成果は、いち早く書籍や冊子、Webなどを通じて同社のソフトウェア運用支援サービスを契約しているユーザーに無償提供される。また、パートナーシップを組む税理士・公認会計士で組織された「ミロク会計人連合会」とも連携し、今後のシステムにどのように反映するかが議論される。そこでのノウハウも研修やセミナーなどを通じて全国のユーザーに提供され、貴重な情報源として高い関心を集めている。
IFRS適用に向けて管理会計オプションを充実
志牟田氏によると、「こうしたサービス体制や直感的に操作できる機能群などが評価され、ユーザー稼働率は100%を維持し、導入後長年にわたって活用されている」という。
また、最近は中堅・中小企業でもIFRSのコンバージェンスに向けた管理会計系の機能が求められ始めている。そのため、同社はセグメント会計やプロジェクト管理、経営分析、フリーレイアウト帳票など、制度会計以外の管理会計関連のオプションも充実させている。
「今後アドプション(IFRSの全面適用)が近づくにつれて管理会計が注目されてくるだろう。それに向け、日本基準とIFRS基準の両方に対応した複数元帳対応や財務諸表様式への対応、収益認識の変更などを進めていく」と語る志牟田氏。
MJSLINK IIの今後の機能改善については、BI(Business Intelligence)などの分析機能の搭載や、一部の機能のクラウド対応、スマートフォンやタブレット型端末を利用したモバイル向けサービスの提供などを視野に入れているという。
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