VDIのライセンスモデルを改良
2011年、Microsoftは仮想デスクトップに本腰を入れるか(前編)
Microsoftは2010年、仮想デスクトップ技術を改良して攻勢に出た。同社はVDIがWindowsの存在を脅かすものと認識する一方で、VDIに商機も見出している。
米Microsoftは、デスクトップ仮想化の大手ベンダーになるための要素を全て兼ね備えている。しかし、同社はこの新技術を全面的に推進したことは一度もない。そのコンピューティングモデルはWindowsデスクトップのパラダイムに反するからだ。
実のところ、Microsoftが仮想デスクトップインフラ(VDI)のコストを企業が正当化できないほど上昇させるライセンシングルールを適用したことは、デスクトップ仮想化の普及の足を引っ張った。しかし、同社は2010年に方針を転換し、VDIを利用しやすいライセンシングモデルを導入するとともに、自社の仮想デスクトップ技術を改良して攻勢に出た。
もっとも、Microsoftの“VDIスイート”は今のところ実態としては製品の寄せ集めであり、IT担当者はそれらを組み合わせて仮想デスクトップ環境を構築することになる。構築に使われるのは、Windows Server 2008 R2、Hyper-V R2、System Center Virtual Machine Manager、同Configuration Manager、同Operations Managerのほか、Windows 7とMicrosoftの仮想デスクトップ製品、例えばRemoteFX(リモートデスクトッププロトコル(RDP)を拡張する技術)、App-V(Microsoft Application Virtualization)、MED-V(Microsoft Enterprise Desktop Virtualization)、リモートデスクトップサービス(旧称:ターミナルサービス)などだ。
Microsoftは、完全なVDI環境を構築するのに必要なものを全て販売しているが、顧客には、仮想デスクトップ技術の導入は具体的なビジネスニーズを念頭に置いて慎重に進めるよう呼び掛けている。VDIがWindows PCにとって持つ意味を考えれば、同社がこの技術に相変わらず及び腰なのも無理はないと、米Directions on Microsoftのアナリスト、マイケル・チェリー氏は語った。
「Microsoftは依然として、エンドポイントにはフル機能のWindowsとフル機能のOfficeが必要だという考え方を推進している。だが人々はVDIを使うようになると、一体なぜPCが必要なのかと思い始める。どのエンドポイントからも自分のデスクトップにアクセスできるからだ」とチェリー氏。「もう1つの問題は、MicrosoftはVDI環境を構築するための技術を持っているが、それらはまだ非常に複雑だということだ」
Microsoftは、VDIがWindowsの重要性を損なう恐れがあると見ているかもしれないが、その一方で、VDIが金のなる木になる可能性も認識していると、米Gartnerのアナリスト、マーク・マージビシャス氏は語った。
「結局、Microsoftは株主に対して責任がある。このため、収益機会を捉えなければならない。同社は、ライセンスモデルを変更することでそうしたわけだ」とマージビシャス氏。「そのおかげで、MicrosoftはVDI製品を何も提供しなくても、この技術で利益を上げることができる」
前編ではMicrosoftの2011年におけるVDI戦略について説明した。後編では、VDIを実現するツールであるApp-VやMED-Vについて紹介する。
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