エンドポイントセキュリティを強化
Windows 7のセキュリティを強化する5つの対策
Windows 7の守りを固め、マルウェアなどの攻撃を防ぐのに役立つ5つの対策を紹介する。
Windows 7はMicrosoftのそれ以前のクライアントOSに比べて大幅にセキュリティが強化されたが、それでもまだマルウェアなどの攻撃にさらされることはある。幸い、Windows 7搭載PCの守りを固め、そうした攻撃をある程度防ぐのに役立つ手だては幾つかある。本稿ではWindows 7搭載PCのセキュリティを強化する、5つの対策を紹介する。
ローカルセキュリティポリシー
第一段階は、Windows 7搭載PCのローカルセキュリティポリシーを設定することだ。たとえPCがドメインのメンバーであっても、Active Directoryにおけるグループポリシー設定は、ユーザーがそのドメインにログインするまで適用されない。ローカルセキュリティポリシー設定は、ローカルでそのマシンにログオンするユーザーに対する基本的な防御措置となる。ユーザーがドメインにログインすると、ローカルセキュリティポリシー設定がActive Directoryレベルのポリシー設定と組み合わさって、効果的なポリシーが形成される。さらにローカルセキュリティポリシーは、何らかの手違いでグループポリシーオブジェクトから外れてしまった場合の防御措置にもなり得る。
ローカルセキュリティポリシーの設定は、Active Directoryベースのグループポリシー設定とほとんど同じ内容になる。ローカルセキュリティポリシーにアクセスするには、「コントロールパネル」を開いて「システムとセキュリティ」「管理ツール」「ローカルセキュリティポリシー」をクリックする。ローカルセキュリティポリシーのインタフェースは図Aの通り。
ユーザーアカウント制御
MicrosoftはWindows Vistaの開発に当たり、「ユーザーアカウント制御」(UAC)という新しいセキュリティの仕組みを実装した。UACはシステムに加えられる変更を検知して、ユーザーに許可を求めていた。これでマルウェアがシステムに変更を加えようとしても、ユーザーが阻止できる手段を提供したはずだった。
しかし残念ながら、UACはWindows史上最も嫌われる機能となった。セキュリティ専門家ならご存じの通り、Windows VistaでOSの設定に影響するような操作を試みると、必ずUACプロンプトに出くわすことになった。これを踏まえてMicrosoftはWindows 7に幾つか変更を加えた。
Windows 7でMicrosoftはスライドバーを提供した(図B参照)。このスライドバーでは管理者がUACの動作レベルを調整して、ユーザーに確認を求めるプロンプトの量を調整できる。うっとうしいと思う向きもあるかもしれないが、私はUACの動作を高いレベルに設定しておくことを勧める。私は最近、感染の恐れがあるとUACが知らせてくれていれば深刻なマルウェア感染を防げたかもしれない状況に何度か遭遇した。
ユーザー権限
マルウェアがPCに感染しようとするときは、その時点で実行されているアカウントと同じ権限を持つ。時にはサービスアカウントを利用することもあるが、ログインしているユーザーと同じコンテキストでマルウェアを実行する方がはるかに一般的だ。この理由からMicrosoftは、ユーザーに付与するシステムへのアクセス権限を可能な限り最低のレベルにすることを奨励している。こうしておけば、もしマルウェアファイルが実行された場合でも、権限が不十分で危害は加えられないかもしれない。
ローカルユーザーに割り当てるアクセスのレベルは、「コントロールパネル」を開き、「ユーザーアカウント」「ユーザーアカウント」「ユーザーアカウント管理」をクリックして調整できる。ユーザーアカウント権限は、ここで表示されるダイアログボックス(図C参照)に従ってコントロールできる。
(※)図Cの画面は、Windowsドメインに参加しているコンピュータにのみ表示される。
マルウェア対策
Windows 7はWindows XPに比べてはるかにマルウェア感染に強くなったとはいえ、感染する可能性はあり、実際に感染が起きている。サードパーティーのウイルス対策ソフトの代替になるものは存在しないが、Microsoftは2種類のマルウェア対策機能を提供しており、これを使えば基本的なレベルのマルウェア対策を講じることができる。
そのうちの1つ、「Microsoft Security Essentials」は、ホームユーザーやユーザー10人以下のスモールビジネスを想定した無料マルウェア対策アプリケーションだ。MicrosoftのWebサイトからダウンロードできる。
もう1つのマルウェア対策機能「Windows Defender」は、ユーザー10人以上のエンタープライズ向けにオプションで提供している。Microsoft Security Essentialsとの違いは、Windows DefenderがOSに組み込まれている点だ。ただしデフォルトでは無効になっているので、「有効」に切り替える必要がある。Windows Defenderの画面は図Dの通り。
AppLocker
MicrosoftはWindows XPで「ソフトウェア制限ポリシー」という機能を導入した。ソフトウェア制限ポリシーはグループポリシーの設定を集めたもので、ユーザーがデスクトップPC上で無許可のソフトウェアを実行するのを防ぐ狙いがあった。
しかし結果的に、ソフトウェア制限ポリシーには最低限の効果しかないことが判明した。ポリシー設定は複雑で、かわすのは容易だった。そこでMicrosoftはWindows 7のために、ソフトウェア制限ポリシーの次世代版となる「AppLocker」を開発した。
AppLockerには一元管理のためのコンソールが存在しないため、大企業や高度に動的なデスクトップPCを持つ組織では効果を発揮しない。しかし、小規模組織では無許可のソフトウェアがユーザーのデスクトップPC上で実行されるのを防ぎ、マルウェア感染防止に役立てられる。AppLockerの画面は図Eの通り。
Windows 7搭載デスクトップPCのセキュリティ対策には追加的措置が必要な場合もあるが、以上5項目のセキュリティ対策は、エンドポイントに配置されたWindows 7の効果的なセキュリティ強化に大きな役割を果たし得る。
本項筆者のブライアン・M・ポージー氏はフリーランスのテクニカルライター。全米規模の病院チェーンのCIO、フォートノックスにある米国防総省施設のネットワーク管理者を務めた経歴を持つ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー