IP電話に関する読者アンケート調査リポート
IP電話に新たな課題? 音質・安定性を上回るユーザーの要望とは
IP電話に関する会員アンケート調査により、半数近くのユーザーが導入済み、一定のコスト削減を実現していることが分かった。しかし一方で、IP電話に対する会員の不満から、新たな課題も浮き彫りとなっている。
TechTargetジャパンでは2011年2月10日から23日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「IP電話」に関する読者アンケート調査を実施。回答者の約半数が何らかの形でIP電話を導入していることが分かった。一方、導入ユーザーからは音質以外の不満点が挙げられるなど、これまでは目立たなかった課題も浮かび上がっている。以下、その回答内容の一部を紹介する。
調査概要
目的:TechTargetジャパン会員のIP電話の利用状況調査
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年2月10日~2月23日
有効回答数:220件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
システム/サービスの利用状況
IP電話の導入状況については、回答者の46.8%が「導入済み」だった。ここ数年はブロードバンドネットワークが定着し、サービスの低廉化がさらに進んでいることもあり、導入の壁はなくなってきている。
また、企業規模別に導入状況を見ると、1000人以上の大規模企業はIP-PBXベースでシステムを自社構築している割合が51.2%と高い数値を示している。情報システム部門を持ち、IT投資力のある企業は、規模や業態に合わせてシステムの最適化を図っていることが推測される。
一方、1000人未満の中堅・中小企業(SMB)では従来の電話機やPBXもそのまま利用できるIP外線電話サービスのユーザー(46.8%)が多い。なお、法人向けIP電話サービスの利用状況を問う調査では、NTT東日本・西日本のIP電話サービス「ひかり電話」の導入率が圧倒的に高かった。さらにSMBについては、Skypeなどのコンシューマー向けソフトフォンを利用するユーザーの比率(27.4%)が大企業ユーザー(9.8%)に比べてかなり高い点が興味深い。
「使いにくさ」が不満に
「導入しているIP電話の満足度」を調べたところ、「とても満足している」「ある程度満足している」と回答したユーザーが約45%と、「不満」(約20%)と回答したユーザーを大きく上回り、おおむね満足していることが分かった。半面、不満と答えたユーザーにその理由を聞くと、「端末や機能が使いにくい」(40%)を筆頭に、「音質が悪い」(20%)、「通話中よく途切れる」(20%)、「機器の不具合」(5%)という結果となった。
従来はIP電話の音質や安定性(話中の途切れ、不具合)に対するユーザーの不満の声が多かったが、この調査からはIP電話端末の操作性に課題があることがあらためて判明した。ここには、保留・ピックアップ操作やグループ着信などオフィス電話固有の機能が簡単に使えないといった問題もあると考えられる。従来の電話機と同様の操作性を実現することが今後の改善点となるだろう。
コスト削減効果は10~30%がトップ
ユーザー企業がIP電話を導入する動機、期待する効果として最も大きいのが「通信コストの削減」だ。そこで実際のIP電話のコスト削減効果(月額ベース)を従来のコスト対比で聞いたところ、「10~30%未満」が32%と最も多く、次いで「10%未満」が16.5%、そして「30~50%未満」が9.7%、「50~70%未満」が4.9%と続いた。全て合わせると全体の64.1%のユーザーが、ある程度のコスト削減を実現したことになる。中には70%以上の削減効果が得られたユーザーも存在する。
IP電話のシステム構成や拠点数などユーザー環境の違いがあるため一概には言えないが、6割以上の導入ユーザーは「通話料の削減」という第一の目的を達成でき、5~7割のコスト効果も得られる可能性はあることが、今回の調査から導き出された。
詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果と共にアンケート回答者の詳細な属性も紹介されているので、ぜひ参照されたい。
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