「Windows Intune」のモバイル向け新機能
iOS、Androidの「Microsoft Office」をも管理、Microsoftが狙うモバイル管理の覇者
2014年5月に「TechEd North America 2014」で発表された「Windows Intune」の新機能では、iOSやAndroid端末上のOfficeアプリケーションの管理ができるようになるという。
米Microsoftは2014年5月12日(米国時間)から開催された同社の開発者向けイベント「TechEd North America 2014」において、「Windows Intune」でOffice 365アプリケーションおよび非Windowsデバイスの企業データを管理する新機能について明らかにした。
同社は2014年初め、クラウドベースのIntuneのアップデート時に新機能の一部を示唆していたが、今回のTechEdの中でプレビューを披露した。2014年後半にも、アプリケーションラッピングと、より安全性の高い企業データ管理機能が「Enterprise Mobility Suite(EMS)」の一部として利用できるようになる。
Microsoftは、IntuneをWindowsデバイスだけでなく、米AppleのiOSや米GoogleのAndroidを搭載したモバイル端末の管理とセキュリティの中核として位置付けている。「Office for iPad」のリリースと同様、AndroidデバイスにOfficeアプリを提供し、Intuneでそれらの管理を可能にする。
今回、TecEdの会場で行われたデモの1つは、個人の電子メールに送られた企業データが、IT部門の承認したアプリケーションを使わない限り、エンドユーザー側で表示できない仕組みだった。新機能は2014年後半にも提供が開始される見込みだ。
Intuneアプリケーションラッピング
さらに、Microsoftが2014年後半に提供するツールを利用すれば、IT部門はiOSやAndroidベースの自社業務アプリをラッピングすることが可能になる。そしてIT管理者は、Intuneを使用して、ラッピングされたアプリケーションにポリシーを設定できるようになる。
例えば、ラッピングされたアプリケーションからユーザーに対し、会社のファイル共有ストレージ「OneDrive for Business」にのみファイルを保存するよう要求させることも可能だ。
MicrosoftのEMSは、米VMwareのAirWatchや米MobileIron、その他の競合相手に後れを取っていると、ITの専門家たちはいう。「競合他社はモバイルの経験が豊富。現時点でMicrosoftのソリューションがベストとはいえない」と語るのは、独Lange IT Consultingのオーナー、ライナー・ランゲ氏だ。
もっとも、「Microsoftはいずれエンタープラズモビリティ管理(EMM)分野において、競合他社と肩を並べるようになる」とランゲ氏は確信している。「Microsoftにはその力があり、必ずそうなるだろう」と同氏は話す。
米水道事業者のITシステム管理者兼プログラマも、Microsoftのモバイル製品群の導入を検討しているという。
一方、ゴルフ用品メーカーの米Callaway Golfは最近、VMwareのAirWatchを含むEMMツールから、MicrosoftのIntuneに移行した。CallawayがIntuneを選んだ理由は、PCに加え、iOSやAndroidデバイスなど、さまざまなモバイルエンドポイントをサポートしている点だ。
「効率的にシングルポイントへ移行し、エンドユーザーにより良いサービスとリソースを提供できるようになった」と、Callawayのビジネスインテリジェンスおよび開発担当IT上級役員であるアラン・シュナイダー氏は語る。
業界アナリストの多くは、企業内に増殖するモバイルデバイスの管理に向けたMicrosoftの戦略的アプローチに対して楽観的な見方を示す。
「MicrosoftのIntune EMMツールとモバイルデバイス上のOfficeの統合は、重要な差別化要因になる」と、米調査会社の451 Researchでモバイルおよびワイヤレス市場を担当するリサーチディレクター、クリス・ハゼルトン氏は指摘する。「Microsoftはこの統合化に、ドキュメントのIDアクセス管理とデジタル著作権管理を加え、Microsoftの顧客基盤から先行ベンダーの追い出しを図るだろう」
Visual Studio、ASP.Netのアップデート
MicrosoftはTechEdにおいて、モバイルアプリケーション開発ツールとともに、「Azure RemoteApp」サービスのデモも行った。
同社が披露したのは、「Apache Cordova」プラットフォーム用のVisual Studioツールだ。このツールを利用すれば、HTML5やJavaScriptを用いてモバイルデバイス用のハイブリッドアプリケーションを開発することが可能になる。
「Visual Studio 2013 Update 2 RTM」の提供も開始された。ユニバーサルWindowsアプリ開発をサポートする機能が含まれている。
Microsoftはさらに、開発プラットフォーム「ASP.Net」の次期バージョンを披露するとともに、「Visual Studio Online」を機能強化し、サードパーティーのサービスと統合できるようにAPIを対応させた。
新しいASP.Netについて、ソリューションプロバイダー米Computer Servicesのソフトウェアエンジニア、カルロ・ワールステッド氏は「非常に印象的だ」と話すが、自社のビジネス戦略にどのように適合するかは「まだ分からない」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込み開発特有の課題も解消できる「AI活用」の秘訣とは? -
事例
[株式会社ビザスク] 「新規事業」事例集:大手企業はどのように想定顧客ヒアリングを行っているのか -
市場調査・トレンド
[株式会社ビザスク] 質の高い「仮説検証インタビュー」を実施するためのポイント -
事例
[株式会社ビザスク] 富士フイルムの新領域参入に学ぶ事業創出 「畑違い」でもビジネス化できる方法 -
事例
[株式会社ビザスク] 三菱電機 上席執行役員に学ぶ、未来を切り開く「新事業創出」の実践方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
4
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
7
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
3
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
8
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー