新登場の「iOS 8」に搭載
健康管理にも革新を、Apple「HealthKit」のまだ知られていない衝撃
米Appleが発表したモバイルヘルスプラットフォーム「HealthKit」への注目が集まっている。HealthKitはわれわれの健康管理をどう変えるのか。
米Appleの上級副社長を務めるクレイグ・フェデリギ氏は、2014年6月に開催された「Worldwide Developers Conference」(WWDC)で同社のモバイルヘルスプラットフォーム「HealthKit」を発表した。HealthKitは2014年内に同社のモバイルOSの「iOS 8」で使用できるようになる見通しだ。同氏の基調講演では、HealthKitが米Mayo Clinicおよび米Epic Systemsの製品/サービスと連係することが明かされた。
モバイルヘルス市場には多数の製品が出回っているが、いずれも普及しているとは言い難い。HealthKitは、Appleがモバイルヘルス市場に参入するに当たって重要な一歩だ。モバイルヘルスプラットフォームの多くは、トラッキングの対象となる領域やデータ点を絞り込んでいる。HealthKitは消費者にとってより魅力的なツールとなることを目指している。HealthKitでは、モバイルデバイスから共通のインタフェースで複数の個人健康記録にアクセスし、データを共有できるようになる。
フェデリギ氏はWWDCの基調講演でAppleとMayo Clinicの提携について説明した。HealthKitではMayo Clinicが実施した幾つかの患者教育の調査結果を活用している。基調講演では、HealthKitが患者のニーズに合ったツールになっていることが詳細に語られた。Mayo Clinicの院長兼CEO、ジョン・H・ノーズワージー医師は次のように話している。「AppleのHealthKitは、医療業界で人々が交流する方法に革命を起こすだろう。当院のアプリで、この革新的なテクノロジーの最先端に立てるのを光栄に思っている」
HealthKitアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を基盤としたアプリも用意されている。そのため、医療機器メーカーがHealthKitを活用して、より広大な消費者基盤を囲い込むことが可能だ。さらにHealthKitでは、収集した健康情報をEpic Systemsの電子カルテシステムに送信して、Epic Systemsのツールを利用できる。この連係により、健康情報の記録につきものの懸案事項や不規則性という問題に積極的に対処できる。このようなAppleとEpic Systemsの密接な連係からうかがい知れることがある。それはEpic Systemsが医療と電子カルテ分野のトップ企業で、HealthKitが成功を収められるほど十分な患者基盤を持っているとAppleが見込んでいることだ。
Appleは、既に広範囲にわたるモバイルユーザーを取り込んでいる。米IDCのリポートによると、Appleが2013年に出荷したスマートフォンは1億5340万台にも上る。
健康アプリをネイティブにサポートするデバイスメーカーはAppleが初めてではない。韓国のSamsungは「S Health」という独自の健康アプリを最近リリースしている。このアプリを使用すると、米Googleの「Android」搭載のモバイルデバイスでフィットネスや健康状態をトラッキングできる。Samsungが2013年に出荷したスマートフォンの台数は3億1390万台で、Appleの出荷台数を上回っている。
Appleの大きな強みとなることが予想されるのは、Epic Systemsとの提携だ。Epic Systemsと提携することで、Appleには当初から広大なユーザー基盤を獲得する狙いがある。また、HealthKitとEpic Systemsの連動により、ツールが使いやすくなるだけでなく、個人的な健康状態のトラッキングと共有に医師や患者がHealthKitを使用する後押しとなることを期待している。
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