キーボード、ペン付きのタブレットで考察
検証:タブレットとChromebook、本当に仕事に役立つのはどっち?
現状、大抵のタブレット端末は仕事用のノートPCに取って代わる状態にはなっていない。では、スタイラスに対応したタブレット端末ではどうか。またはChromebookは。キーボードとペンを搭載したタブレット端末で考察する。
企業でタブレットがノートPCに取って代わる日は来るのだろうか。
これは米Compass Intelligence主催のエンタープライズモビリティカンファレンス「Go Mobile 2014」のパネルディスカッションでパネリストに投げ掛けられた質問だ。
「エンタープライズデバイスポートフォリオ:従業員が使うデバイスと優先順位を評価する」と題したパネルディスカッションのパネリストには、韓国Samsung Electronics、米AT&T、米Vertical Communications、ある通信事業者の上級意思決定者が名を連ねていた。
AT&Tでモバイル製品マーケティング部門の部長を務めるアラン・ミニー氏はパネルディスカッションの冒頭で次のように述べた。「現状、タブレットはノートPCに取って代わることができる状態にはなっていないと考えている。ナレッジワーカー、現場業務、小売業務には、タブレットが役に立つだろう。だが、コンテンツの作成という観点で見ると、コンテンツの作成や操作に関しては、ノートPCに比肩するレベルには達していない」
Vertical Communicationsで製品管理部門のディレクターを務めるケビン・バトラー氏はミニー氏の意見に同調している。そして、次のようにユーモアに富んだ発言をしている。「最終的にタブレットのフォームファクターは変化するだろう。一方の面にはディスプレー、もう一方の面にはヒンジとキーボード。そのような状態になれば、完璧なタブレットの誕生だ。だが、それは基本的にはノートPCと何も変わらない状態である」
企業向けのタブレットが成功を収める上で鍵を握るのは、遂行する仕事の種類だろう。そう付け加えるのは、Samsungでビジネスイノベーショングループの技術アカウント管理部門のディレクターを務めるベン・シモンズ氏だ。
「利用者の職務次第だと考える。タブレットがノートPCの代わりに活用されているのは、利用者が行う作業がタブレットで行える場合だ」(シモンズ氏)
これには、大型ディスプレー、通信テクノロジー、モバイルを活用できる職種が含まれる。例えば、訪問看護師や基幹業務タスクの実行担当者などだ。
GALAXY Note Proを考察してみる
スタイラスに対応しているタブレットはノートPCに取って代わることはできるだろうか。例えば2014年1月に開催された「CES 2014」で発表されたSamsungの「GALAXY Note Pro」シリーズだ。Samsungは仕事をするためのタブレットという位置付けで「GALAXY Note Pro」を販売している。
「GALAXY Note Proシリーズにはキーボードと『Sペン』が搭載されており、各種コンテンツの作成に対応できる。だが、GALAXY Note Proシリーズをもってしても、ノートPCを必要とするユーザーが存在するのも事実だ。企業がタブレットを代替デバイスとして使いたいというときは、大概300ドル程度のノートPCが欲しいといっているようなものだ」とシモンズ氏は語る。
問題は、ビジネスユーザーが必要な付属品をタブレットに追加すると300ドルのデバイスではなくなることだ。例えば、文書作成/表計算などの作業や高度なコンテンツの作成に必要な付属品を取り付ける必要があるだろう。
Chromebookと、うり二つ?
QWERTYキーボードを搭載し、ユーザーからの評判も上々で便利な300ドルのデバイスは存在する。それは米Googleの「Chromebook」だ。「Chromebookを試した人の話を聞くと、ほとんどの人が、その便利さにびっくりしたという反応が返ってくる」とクッシュ氏は話す。
企業ではChromebookのようなデバイスに対する需要はあるのだろうか。Chromebookの強みはタブレットとほぼ同じだ。バッテリー持続時間が十分で、瞬時に起動でき、軽量なOSが搭載されている。また、PCと比べると安価だという特徴もある。実際、Samsungの製品ラインアップにはChromebookが含まれている。
「企業でも需要はあるだろう。現在、教育現場ではChromebookが爆発的に普及している」とシモンズ氏はいう。
ミニー氏はシモンズ氏の発言を後押しする形で、Chromebookを別の省電力型のコンピュータデバイスになぞらえた。
「ネットブックの再来という感じがする。低価格なコンピュータデバイスではあるが、ネットブックよりフォームファクターが大きい」(ミニー氏)
ペン入力
QWERTYキーボードを備えたノートPCであっても、Sペンを備えたGALAXY Note Proであっても、作業を遂行できるという観点で見た場合、何が違うのだろうか。
「スマートフォン、ノートPC、タブレットのどれを使っても、ほぼ同じことができる。異なるのは弱点と入力方法だ」とクッシュ氏は各デバイスに大差はないという見方をしている。
バトラー氏は、これに補足する形でタブレットとノートPCが企業で活躍するチャンスは十分にあると次のように提案している。
「元来ペンを使って行っていた作業については、ペンの価値提案が重要になる。私の場合は、メモを取ったり、絵や図形を描いたりするのにペンを使用している。これはどれも紙の上で行う作業だ。
ペンや他の入力方法が得意することに注目して、それをアプリケーションで採用すれば成功を収められるだろう。だが、これはペンや音声をキーボードの代わりに使えるようにするといっているようなものだ。キーボードは優れたデバイスだ。キーボードに取って代わるなどと大それたことは考えない方がよいだろう」
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