モバイルデバイス管理の可視性がさらに向上
従業員のスマホ紛失で困らないための次の一手、モバイル資産管理とは?
会社支給や私物利用を問わず、モバイルデバイスの業務利用が拡大している。端末紛失などによるリスクを最小限に抑えるために欠かせない適切な管理手法を探る。
モバイル資産管理を行うと、IT部門は、従業員のスマートフォンとタブレットの使用状況について詳細な洞察を得ることができる。例えば、デバイスの所有者やデバイスの状態などを把握することが可能だ。モバイル資産管理は、モバイルデバイス管理(MDM)の強力な相棒になる。
職場に持ち込まれ、社内ネットワークにアクセスするモバイルデバイスの数は増加している。このため、企業がモバイルデバイスのアクセスを制御して監視できることは重要になっている。誕生して間もないながらも、このニーズに応えてくれるのが、モバイル資産管理ツールだ。
モバイルデバイスからインベントリ管理システムにアクセスできることが重要な業界は多数ある。具体的には、倉庫、物流、電気/水道/ガス、卸売/小売業など、在庫の品目や場所を把握することが不可欠な業界だ。多くのアプリと専用Webサイトやクラウドサービスでは、このようなニーズを満たす各種機能と詳細な分析機能が提供されている。
企業が現在抱えている懸念事項は、モバイルデバイスなどのモバイル資産を追跡管理することだ。所有者、状態、用途、全ての障害、サービス/サポート要請などを追跡しなくてはならない。会社支給のデバイスではなく私物デバイスを仕事に使用するBYOD(私物端末の業務利用)は普及している。どのデバイスがITリソースにアクセスできるのかを把握するにはモバイル資産管理が不可欠だ。インベントリ管理と資産管理の違いはどこにあるのだろうか。インベントリ管理は販売と流通にかかわっている。また、業務に欠かせないモバイル資産を追跡する目的がある。後者は、可視性、コスト管理、セキュリティ、整合性の追跡を目的としている。多くのモバイル資産管理プログラムは、この部分が大きく重複している。
モバイル資産管理だけを目的としたソフトウェアは存在する。だが、この機能は構成管理、整合性管理、バックアップ、リモートプロビジョニング機能を備えたMDMソフトウェアの一部として実装されていることが多い。MDMシステムでは各モバイルデバイスで発生しているあらゆるイベントを追跡できる。そのため、モバイル資産管理はMDMと上手く適合する。
モバイル資産管理は、企業の目的、要件、ポリシーによって有効になる機能の数と範囲が変化するMDMのコンポーネントの1つと見なすのがよいだろう。結局のところ、MDMはモバイルデバイスにインストールされたソフトウェアが関与することが多い。そのため、モバイル資産管理はMDMによって確立された枠組みにぴったりはまるというわけだ。
詳細な運用記録の管理は、モバイル資産管理の主要機能の1つだ。具体的には、購入履歴、保証、サービス履歴、メンテナンス、アップグレードなどの情報を記録する。また、トラブルに関するリポートと解決策、経費情報、アプリ履歴、使用履歴などが含まれる場合もある。このような情報が保存されたデータベースを分析すると、今後の購買決定をより適切に下すことができる。また、用途、費用、信頼性に関する履歴に問題があるデバイスについて対策を講じることも可能になる。MDMソフトウェアにはある傾向が見られる。それは、この情報をユーザーやネットワーク管理スタッフの介入なく自動的に更新することで総所有コスト(TCO)を削減し、モバイル資産管理の投資利益率を向上するというものだ。
会社支給のモバイルデバイスを使用している場合、デバイスのプロビジョニングではモバイル資産管理が不可欠だ。この場合の資産管理は、「Gold Tag」に番号を付けたものの発展形になる。Gold Tagは、資本資産を特定し、その場所や用途を追跡するために古くから使用されてきたものだ。モバイルインベントリ管理とモバイル資産管理の重複部分は非常に大きい。また、モバイル資産は企業や組織の運営に役立つものとして扱われる。
BYODは事態を複雑にする。というのも、企業が所有していないデバイスを企業が管理することになるからだ。だがMDMと同様に、管理が及ぶ範囲は企業の要件やポリシーの機能によって異なる。このため、モバイル資産管理機能は、他のエンタープライズモビリティ管理(EMM)に関する懸念事項と同じように対処する必要がある。また、企業とBYOD環境にかかわる全員が遂行するBYODのポリシーと契約の両方で、モバイル資産管理機能について慎重かつ詳しく説明しなくてはならない。
モバイル資産管理全体で最も興味深い傾向の1つが、GPSを始めとする追跡機能だ。例えば、Wi-FiやBluetooth Low Energy Beaconなどがある。デバイスの場所や権限を把握すると、位置情報サービス、重要な人物や機器への迅速なアクセス、高いセキュリティを実現できる。だが、追跡機能の実装には、プライバシーという大きな問題が立ちはだかっている。現時点でも大部分は未解決のままだ。法的な解決策が出ることは間違いないが、数年はかかる見通しだ。そのため、この点についても法律に関する適切な助言を受けながら企業のポリシーを注意深く検討する必要があるだろう。
当面の間、企業や組織はモバイル資産管理に対する自社の要件を考えなくてはならない。電気/水道/ガス、医療機関、政府機関、金融サービス業などには、セキュリティと整合性に関する厳しい要件が課されている。このような業界に携わっている企業や組織は、許可されているデバイス、特定のアクティビティが許可されているデバイス、リアルタイムで場所が追跡されるデバイスについて詳細な記録を管理する必要がある。だが、EMM全体の機能の統合が進めば、モバイル資産管理は数年以内に広く普及し、全ての企業や組織が当たり前のように導入するものになるだろう。
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