Microsoft、Salesforce.comの強敵出現
うわさされる「Facebook at Work」(仮)の中身、仕事でも「今どんな気持ち?」
米Facebook は「Facebook at Work」で企業向けソーシャルコラボレーションに新たなてこ入れを狙っているといわれる。
マネージドサービスプロバイダーの米Avanadeが実施した国際的な調査によると、職場で従業員に利用されているコラボレーションツールの上位は、「Facebook」(74%)、「Twitter」(51%)、「LinkedIn」(45%)。いずれも企業向けコラボレーション機能のない一般利用者向けツールで、企業を対象とした米Microsoftの「SharePoint」(39%)、米Salesforce.comの「Chatter」(12%)、Microsoftの「Yammer」(11%)より多く利用されている。
この実態からすると、米Facebookが米Microsoft、米Salesforce.com、米Googleなどの大手に対抗してエンタープライズソーシャルコラボレーション分野に参入するのも、単に時間の問題だったのだろう。
「Facebook at Work」への期待と不安
「Facebook at Work」(編注:Facebookが法人向けに準備中とうわさされるサービス)は、従来の一般利用者向けFacebookとは別サービスになるが、ニュースフィード、メッセージ、グループ機能や文書共有など同様の機能を備えるようだ。企業のCIO(最高情報責任者)にとって、Facebookのエンタープライズ参入は少しも驚くことではないだろうが、Facebook at Work導入に関する社内の反応など、新たに気になる問題が浮上してくる。
「(職員は)気に入ったサービスがあれば、IT部門に伺いも立てずに、さっさと自分のクレジットカードで料金を払って使い始めるだろう」と、米カリフォルニア州パロアルト市CIOのジョナサン・レイチェンタール氏は、米TechTargetのインタビューの中で語り、導入推進の鍵を握るのは従業員だと予測した。
IT部門と従業員のずれは統計からも見える。経営幹部およびIT部門の上級意思決定者1000人と従業員4000人を対象にしたAvanadeの同調査では、ソーシャルコラボレーションツールの主な利点として、経営幹部やIT意思決定者は(生産性や効率の向上より)従業員の仕事を楽しくすることを考えているのに対し、従業員は仕事の楽しさより効率と生産性を重視していることが分かった。
IT部門幹部にとってはプライバシーも重要な懸念材料だ。Facebookが利用者のデータを大量のターゲット広告に利用していることや、ユーザープライバシーポリシーを頻繁に変更していることを考えれば、気掛かりになるのも当然だろう。
医療管理ソリューションプロバイダー、米Health Management SystemsのCIOシンシア・ヌスタッド氏は、「Facebookにはデータ利用権に関するポリシーをころころと変えてきた前歴があり、同社の行動がもっと落ち着かないと、エンタープライズレベルでの試験運用を支持できない」と話す。
トレーニング不足やITサポート不足も、Facebook at Workの企業参入の障壁要因になり得る。上述の調査によれば、多くのIT意思決定者(26%)がコラボレーションツールに関する従業員トレーニングの不足を感じており、また、そうしたツールを導入するITリソースが不足していると答えたIT意思決定者も26%いた。
ただし、CIOの見通しは悲観的なものばかりではない。
レイチェンタール氏は、膨大なFacebookユーザー基盤を擁するFacebook at Workが一般利用者より企業のニーズに対応するコラボレーション機能を提供すれば、「ソーシャルコラボレーションとソーシャルエンタープライズがようやく実現するきっかけになるかもしれない」と語った。
Avanadeの調査報告書は、Facebook at Workであれ、SharePointであれ、企業でソーシャルコラボレーションを実現するためのヒントとして以下のことを挙げている。
- シンプルで、ビジネス目的に合致し、ユーザーニーズを満たすテクノロジーに投資すること
この調査報告書の執筆者で市場調査専門家のヴァンソン・ボーン氏は「そうでないと、またしても情報過多と業務への集中の妨げの元になる」と述べている。
- 情報を集約し、従業員がその情報にアクセスするための統合的ソリューションを提供すること
そうすることによって、従業員の仕事の効率と効果を高めることができる。
- テクノロジー以上に重要なのがコミュニケーションと教育
従業員は、ツールの適切な使い方を学ばない限り、いかにコミュニケーションが効率化され、いかにデータアクセスが簡単になるか分からないままだとボーン氏は語る。
- 従業員同士をつながりやすくすること
社内にはさまざまな専門家がいる。この調査報告書では、インスタントメッセージング、ビデオ、電子メール、ブログなどを利用して相互に連絡しやすくするためのツールを提供すべきであると提案している。
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