既存の技術でもやればできる
OpenFlowだけじゃない、SDNへの使用が期待される5つのプロトコル
OpenFlowはSDNアーキテクチャのコントロールレイヤーと転送レイヤーの間で最初に定義された標準インタフェースだが、幾つか問題も抱えている。だが、OpenFlow以外にも選択肢はある。
Open Networking Foundationは、OpenFlowをSDNアーキテクチャのコントロールレイヤーと転送レイヤーにおける第1の標準通信インタフェースとして定義している。だが、OpenFlowは優勢なプロトコルとしての地位を失うかもしれない。
OpenFlowは有望視されている。その一方で、スケーラビリティからセキュリティに至るまで、さまざまな課題も抱えている。最大の問題はネットワーク機器ベンダーがOpenFlowをサポートするネットワーク機器を作成しなければならないことだ。
大半のネットワーク機器ベンダーは既にOpenFlow対応機器を開発している。だが、それと同時に別の通信方法を使用するSDNアーキテクチャの設計を進めている。例えば、MPLSやNETCONFなど既存のネットワークプロトコルを使用する通信方法だ。
本稿では、OpenFlow以外の5つのSDNプロトコルの概要を紹介する。
1.Border Gateway Protocol(BGP)
自律システムのネットワークにおいてゲートウェイホスト間でルーティング情報をやりとりするためのプロトコル。BGPはインターネットのゲートウェイホスト間でよく使用される。また、標準の外部ゲートウェイプロトコルとしても認知されている。BGPは「経路ベクトル型プロトコル」または「距離ベクトル型プロトコル」に分類される。通常、自律システムにおけるネットワークのゲートウェイホストは、それぞれルータを持っている。ルーティングテーブルには、さまざまな情報が格納されている。具体的には、既知のルータ、各ルータが到達できるアドレス、各ルータへのパスに関連付けられているコスト(距離など)の情報だ。つまり、ルーティングテーブルの情報に基づいて最適なルートを選ぶことができる。
ネットワーク機器ベンダーは、ハイブリッドなSDNでBGPを使おうとしている。OpenFlowの使用の有無に関係なく、SDNアーキテクチャの下りリンクのプロトコルは、SDNが提供する運用のアジリティやプログラマビリティよりも重要度が低いという意見が見られる。このような状況により、ベンダーはBGPにSDNプロトコルとしての潜在能力を見込んでいる。
2.NETCONF
Internet Engineering Task Force(IETF)が策定したネットワーク管理プロトコル。NETCONFによって、管理者やネットワークエンジニアは、ネットワーク機器(ファイアウォール、スイッチ、ルータなど)を安全に構成できる。NETCONFはリモートプロシージャコール(RPC)をベースにしている。ネットワーク機器の構成に関連する簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)とコマンドラインインタフェースプロトコルの問題を解決する目的で策定されたプロトコルだ。
Open Networking Foundationは最近NETCONFを採用し、OpenFlow対応ネットワーク機器の構成でNETCONFのサポートを義務付けた。OF-CONFIG仕様では、NETCONFをサポートするネットワーク機器で転送プロトコルとしてNETCONFの実装を必須としている。
3.Extensible Messaging and Presence Protocol(EMPP)
XML(拡張マークアップ言語)ベースのプロトコル。EMPPの用途は、インスタントメッセージとオンラインプレゼンスの検出だ。2台以上のサーバ間で機能し、ほぼリアルタイムの運用を促進する。XMPPはハイブリッドSDNネットワークでOpenFlowに代わるSDNプロトコルとして最近出現したものだ。コントローラーはXMPPを使用して、サーバのエンドポイントにコントロールプレーンとマネジメントプレーンの情報を配信できる。XMPPは末端までのあらゆる抽象化レベルで情報を管理する。
4.Open vSwitch Database Management Protocol(OVSDB)
Open vSwitchの実装を管理するためのOpenFlow構成プロトコル。Open vSwitchはネットワークの自動化と標準の管理インタフェース/プロトコルのサポートを可能にする仮想スイッチだ。標準の管理インタフェースには、NetFlowなどがある。複数の物理サーバ間の分配もサポートしている。
Open vSwitchの実装では、コントロールクラスタに、マネジャーとコントローラーが含まれる。マネジャーとコントローラーはOVSDBプロトコルを使用して、構成情報をスイッチデータベースサーバに提供している。また、コントローラーはOpenFlowを使用して、スイッチ経由でパケットフローの詳細を指定している。各マネジャーとコントローラーは複数のスイッチに指示を出すことが可能だ。一方、各スイッチは複数のマネジャーとコントローラーから命令を受け取ることができる。
5.MPLS Transport Profile(MPLS-TP)
MPLS(Multiprotocol Label Switching)のトランスポートプロファイル。MPLS-TPは転送ネットワークでネットワークレイヤーのテクノロジーとして使用するように設計されている。MPLSのプロトコル拡張であるMPLS-TPは、サービスプロバイダーから提示された要件に基づいてIETFが策定したものだ。MPLS-TPにはCO-PS(Connection Oriented Packet Switched)が適用される。CO-PSに該当しない機能は除外し、重要な転送機能対応の機器を追加することで、専用のMPLSの実装を提供する。
Open Networking FoundationはMPLSに対する変更を提案している。これには、SDNとOpenFlowをベースとしたよりシンプルなコントロールプレーンで標準的なMPLSデータプレーンを使用することが含まれる。データプレーンから切り離したシンプルなコントロールプレーンの使用によって、SDNコントローラーを制御するネットワークアプリケーションを作成し、サービスのグローバルな最適化、サービスの動的化、新しいサービスの作成が実現できるというわけだ。
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