SQL Server 2012を推す7つの機能を紹介【前編】
サポート終了の「SQL Server」、移行先の本命は“あの製品”
「Microsoft SQL Server」の各製品がサポート終了を迎える中、その移行先に最新版のSQL Server 2014ではなく、SQL Server 2012を選択するケースがある。SQL Server 2012へのアップグレードをお勧めする理由を解説する。
米Microsoftの「Microsoft SQL Server 2000」は、メインストリームサポートおよび延長サポートが既に終了している。「Microsoft SQL Server 2005/2008/2008 R2」についても、メインストリームサポートが終了し、延長サポートも順次終了の予定となっている。Microsoftは、延長サポートの契約やサポート終了後の継続利用を選ぶのではなく、現行版のSQL Serverへとアップグレードすることを推奨している。現行版にアップグレードすれば、サポートライフサイクルポリシーに基づいて、今後も同社からサポートを受けることができる。現在のアップグレードオプションは「Microsoft SQL Server 2012」と「Microsoft SQL Server 2014」である。
最新版のSQL Server 2014では、複数の新機能が導入されている。だが、多くの企業では、まずはSQL Server 2012にアップグレードすることを選択している。SQL Server 2012は広く使われており、SQL Server 2005以降にリリースされた中で安定性の高いバージョンの1つとなっている。本稿では、SQL Server 2012へのアップグレードをお勧めする7つの機能を紹介する。
1.包含データベース
SQL Server 2012が登場するまで、SQL Serverのデータベースエンジンのインスタンス間でデータベースを移行または復旧すると、データベースユーザーに関連付けられたサーバログインは、移行先/復旧先のインスタンスに自動でコピーされなかった。そのため、孤立したユーザーが生まれ、移行直後のデータベースは機能しなかった。データベースを機能させるためには、移行先/復旧先インスタンスのデータベースユーザーと関連付けたサーバログインを作成してマップしなければならなかった。データベースのセキュリティはデータベースが配置されたSQL Serverデータベースエンジンのインスタンスの影響を受けるため、上述の方法ではデータベースの移植性が下がっていることは明らかだった。
SQL Server 2012は「包含データベース認証」を導入することで、この問題に対処した。包含データベースにより、ユーザーはデータベースが配置されているSQL Serverデータベースエンジンのインスタンスにログインする必要なく、データベースを認証できるようになっている。包含データベースは、SQL Serverのインスタンス間で簡単に移動することができる。包含データベースには、データベースを定義するのに必要な全ての設定とメタデータが格納されている。また、包含データベースが配置されているSQL Serverのインスタンスとの間に設定の依存関係はない。それから、包含データベースは同じSQL Serverインスタンスでホストされている他のデータベースから独立している。包含データベースには、「パスワードを持つ包含データベースユーザー」と「Windowsプリンシパル」という2種類のユーザーがある。どちらの種類のユーザーもマスターデータベースにログインする必要はない。このような機能のおかげで、SQL Server 2012の移植性は以前のバージョンよりも格段に高くなっている。
2.SQL Serverの監査機能の強化
SQL Server 2008/2008 R2には、サーバ監査およびデータベース監査の仕様オブジェクトを作成する機能が導入されている。これは、企業がさまざまな法規制の要件を満たす上で役に立つ非常に便利な機能だ。しかしながら、この機能を搭載するのは、Enterpriseエディションのみだった。
SQL Server 2012では、全てのエディションでサーバレベルの監査に対応している。また、ネットワーク障害などが発生したときの回復力が強化されている。監査レコードをバッファに格納することで、問題が解決されるまで監査レコードの書き込みの試行を続ける仕組みである。SQL Server 2012の監査機能では、ユーザー定義の監査グループにも対応している。「sp_audit_write(Transact-SQL:T-SQL)プロシージャ」を使用して、監査ログに監査イベントを書き込むことができる。また、監査イベントのフィルタ機能と、包含データベースユーザーを監視する新しい監査グループを含める機能もサポートされている。
3.Windowsグループの既定のスキーマ
SQL Server 2012が登場するまで、Windowsグループの既定のスキーマを指定することはできなかった。そのため、Windowsグループメンバーシップに基づいてアクセスしたユーザーがデータベース内にテーブルやビューなどのデータベースオブジェクトを作成すると、データベースにはActive Directoryアカウントにマップされた別のユーザーと同じ名前のスキーマが自動的に作成されていた。このセキュリティ管理上の問題によって、データベースには何百ものユーザーとスキーマが存在し、データベース管理者は悪夢のような管理作業に追われていた。そのため、SQL Serverコミュニティーは「Microsoft Connectサイト」経由で、このセキュリティ管理上の問題を修正するようMicrosoftに求めた。
SQL Server 2012では、Windowsグループの既定のスキーマを割り当てられるようにすることで、このセキュリティの問題に対処した。この変更により、企業ではデータベーススキーマの管理が簡略化された。
後編では、SQL Server 2012に関する残りの4つの機能を紹介する。
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