「Microsoft SQL Server」とSSDを組み合わせる10種のアプライアンス
【徹底比較】データベース処理を“超”高速化する「SQL Server SSD Appliance」10製品の違いは?
日本マイクロソフトが主導となり、2012年から提供するアプライアンス製品「Microsoft SQL Server SSD Appliance」。現在、提供されている10製品を比較した。
データベース(DB)処理を高速化したい――。OLTP(オンライントランザクション処理)やDWH(データウェアハウス)などのデータ分析処理の高速化、データ量の急増に伴うバッチ処理の遅延の解消を求めるニーズが増えている。そうした声に応えるため、日本マイクロソフトと同社パートナーのハードウェアベンダーが2012年から提供しているのが、アプライアンス製品「Microsoft SQL Server SSD Appliance」(以下、SQL Server SSD Appliance)だ。
SQL Server SSD Applianceは、SQL Serverの最上位モデルであるEnterpriseエディションとフラッシュメモリを利用するハードウェア(サーバ、ストレージ)を組み合わせており、2014年現在で11社のベンダーから10製品が提供されている。
提供元によってハードウェアの構成は多少異なるものの、DBをフラッシュメモリストレージに格納することで、DBサーバの処理速度を向上させたのが特徴だ。また、DBの高速化には付き物である複雑なチューニング設定が不要で、多様な業務システムに短期間で適用できる点がメリットに挙げられる。
本稿では、以下11社が提供するSQL Server SSD Appliance10製品について、Webサイトの製品情報を基にハードウェア構成の違いや特徴を紹介する。
SQL Server SSD Appliance提供ベンダー(五十音順)
- インサイトテクノロジー
- SCSK/NEC
- 大塚商会
- デル
- 東芝ソリューション
- 日本アイ・ビー・エム
- 日本ヒューレット・パッカード
- 日本ユニシス
- 日立製作所
- 富士通
「SQL Server SSD Appliance一覧表」のダウンロード
今回紹介するSQL Server SSD Appliance10製品のハードウェア構成などをまとめた一覧表をPDFファイルで提供しています。「SQL Server SSD Appliance一覧表」からダウンロードしてください。
サーバ構成で比較
以下は、SQL Server SSD Applianceで組み合わせるサーバとプロセッサの構成をまとめた。
| 提供企業 | サーバ | 搭載CPU | 最大コア数 | 最大メモリ(バイト) |
|---|---|---|---|---|
| インサイトテクノロジー | Insight Qube for SQL Server | インテル Xeon E7-4800 v2/インテル Xeon E5-2600 v2 | 60 | 3T |
| SCSK/NEC | NX7700x シリーズ(NEC) | インテル Xeon E7-4800/8800 v2 | 60 | 4T |
| 大塚商会 | HP ProLiant DL385p G8(日本ヒューレット・パッカード)/Express5800(NEC)/R120e-2M(NEC) | AMD Opteron 6200/6300、インテル Xeon E5-2600シリーズ | 32 | 768G |
| デル | Dell PowerEdge R820 | インテル Xeon E5-4600 | 32 | 1T |
| 東芝ソリューション | Cisco UCS C420 M3 | インテル Xeon E7-4870 | 40 | 1T |
| 日本アイ・ビー・エム | IBM System x3850 X6 | インテル Xeon E7-4800/8800 v2 | 60 | 756G |
| 日本ヒューレット・パッカード | HP ProLiant DL560 Gen8/HP ProLiant DL580 Gen8 | インテル Xeon E7-4800 v2 | 60 | 3T |
| 日本ユニシス | Unisys Enterprise Server rE5000シリーズ/Unisys Enterprise Server ES7000 | インテル Xeon E7-8800 | 80 | 2T |
| 日立製作所 | BladeSymphony BS540 | インテル Xeon E5-4600シリーズ | 32 | 256G |
| 富士通 | FUJITSU Server PRIMERGY RX500 S7 | インテル Xeon E5-4600シリーズ | 32 | 512G |
提供ベンダーによって自社、または他社サーバを採用する(SCSK、大塚商会、東芝ソリューション)などの違いがあるが、サーバの種類はハイエンド機種が中心となっている。また、プロセッサにはミッションクリティカルシステムやデータセンター向けx86プロセッサが基本的に採用されている。最大メモリ容量は、256Gバイトから4Tバイトまでとなっている。
フラッシュストレージの利用方法で比較
SQL Server SSD ApplianceではDBを構成する全てのデータをフラッシュメモリに格納することで、処理速度を向上させている。日本マイクロソフトの検証によると、フラッシュメモリストレージの速度はランダム読み込みでHDDの20倍、ランダム書き込みでも10倍という(容量1Tバイト、ブロックサイズ8Kバイトのデータベースの場合)。また、DWHシステムでも、600Gバイトの読み取り処理に要する時間を20分の1に、230Gバイトの書き込み処理の時間を10分の1に短縮可能だと公表している。ただし、この数値はあくまでも理論上の最大値であり、本稿で紹介する10製品の全てがこの処理速度を達成しているわけではない。
各社が提供するSQL Server SSD Applianceでは、フラッシュストレージの利用方法に違いがある。主に以下の3通りに分類される。
- PCI Express(PCIe)接続型
- 既存ハードウェア(サーバ/ストレージ)のSSD搭載型
- オールフラッシュストレージ
| 提供企業 | ストレージ | 最大ストレージ容量(バイト) |
|---|---|---|
| インサイトテクノロジー | 内蔵SSD | 8.8T |
| SCSK/NEC | Virident FlashMAXII/EMC VNXシリーズ/iStorage M シリーズ/Violin 6000シリーズ(米Violin Memory) | 1.1T |
| 大塚商会 | iStorage M100(NEC)/ioDrive2(フュージョンアイオー) 2TB | 2T |
| デル | ioDrive2 Duo(フュージョンアイオー)/Dell PowerEdge Express Flash PCIe SSD | 4.8T |
| 東芝ソリューション | Toshiba FL6000 モデル6606 | 6T |
| 日本アイ・ビー・エム | eXFlashメモリー・チャネル・ストレージ | 4.8T |
| 日本ヒューレット・パッカード | 内蔵SSD/IOアクセラレーター/HP 3PAR StoreServ 7450 | 7.6T |
| 日本ユニシス | SANARENA MVシリーズ モデル190 | 11.2T |
| 日立製作所 | Hitachi Unified Storage 110 | 2.4T |
| 富士通 | PCIe接続SSD | 7.2T |
単一の利用方法を提供するベンダーもあれば、PCIe接続型、既存ストレージのSSD搭載型、オールフラッシュストレージなどの利用方法を選択できるベンダーもある。PCIe接続型の方がより処理を高速化できる一方で、既存ストレージのSSD化やオールフラッシュストレージの方がよりストレージ容量を拡張できるという違いがある。
Microsoftが2014年4月にリリースした最新版「Microsoft SQL Server 2014」では、OLTP向けインメモリ機能「Hekaton」や、DBアクセスにフラッシュストレージを利用する「バッファープール拡張」機能などを備える。これにより、SQL Server SSD Applianceのさらなる性能向上が期待できるといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー