SAP HANAとの違いは?
50倍の処理速度を叩き出すSQL Server 2014のポテンシャル
2013年末にリリース予定の「SQL Server 2014」にはオンライントランザクション処理用のインメモリ機能が搭載される。テーブルレベルの設定が可能で、他のインメモリデータベースのように高価なハードウェアを必要としない。
米Microsoftは、2013年6月初めに米ニューオーリンズで開催された「TechEd」カンファレンスにおいて「SQL Server 2014」を発表した。テクノロジープレビュー版は6月25日に公開され、製品版は2013年末に提供される見込みだ。Microsoftは2012年秋、SQL Serverの次期バージョンにインメモリ機能が搭載されることを明らかにし、シアトルで開催された「Professional Association for SQL Server(PASS)Summit」において、このインメモリ機能が「Hekaton」というコードネームでプレビューされた。今回のTechEdではSQL Server 2014のリリース時期が新たに発表される形となった。
SQL Serverを専門とする独立系コンサルタントで、米企業の主任データベース管理者を務めるデニー・チェリー氏は、「大量のI/O処理を伴うシステムでロックとブロックの問題が発生するアプリケーションを使っている企業にとって、Hekatonと呼ばれるインメモリOLTP機能は注目すべき素晴らしい機能だ」と話す。
チェリー氏によると、「SQL Server 2014のインメモリ機能を最大限に生かすには多少のコード修正が必要になるだろうが、最大の利点はSQL Serverの標準データベースエンジンの一部として同機能が提供されることだ」という。
「われわれはSQL Serverの管理とプログラム作成の方法は既に分かっているので、Hekatonにも自動的に対応できる」と同氏は話す。
さらにチェリー氏によると、Microsoftは以前、新しいデータベース機能を発表したものの、ユーザーが実際にそれを手にしたのは何年もたってからということがあったという。だがSQL Server 2014の場合は、2013年6月中にプレビューがリリースされた。「このため、企業は新機能に向けた開発が最も必要とされる箇所で直ちに作業に取り掛かることができる」と同氏は語る。
Microsoft SQL Serverを担当するゼネラルマネジャーのイーロン・ケリー氏によると、ラボでテストしたところ、トランザクション処理をメモリに移動すると50倍の速度向上が見られるケースもあったという。「この機能はオプション設定となっており、データベース管理者はメモリに置くデータベースインスタンスやテーブルを選択できる」とケリー氏は説明する。さらに同氏によると、インメモリで実行するのに適したデータベースやテーブルの候補を提案してくれる診断ツールも用意されるという。「このきめ細かさは、他社のインメモリデータベースにはない特徴だ」。
「5つのテーブルをメモリに移動する一方で、既にメモリ上にあるテーブルをディスク上で動作させる、といったことが可能なので、ハイエンドのシステムを購入する必要はない。これがSAP HANAなどの製品との最大の違いだ。インメモリで動作するテーブルを選ぶことができるので、既存のハードウェアでも十分対応できる」(同氏)
さらにケリー氏によると、「Hekaton」というコードネームはいずれ使われなくなり、「SQL Server In-Memory OLTP Engine」という正式名称で呼ばれることになるという。
SQL Server 2014のその他の機能
SQL Server 2014の目玉はインメモリ機能だが、その他にも注目すべき機能が幾つかある。1つはSQL Serverの列ストアインデックス(column store index)機能だ。これは「xVelocity ColumnStore」と呼ばれ、データの連続ロードを可能にするというもの。列ストアインデックスは、従来のインデックスとは異なる方法(インデックス内のデータを圧縮)によって列を保存することでクエリの高速化を可能にする。「SQL Server 2012」では、テーブルを列ベースに変換すると、インデックス内のデータが固定される。これに対し、SQL Server 2014では、データベース管理者が既存の列ストアインデックスにデータをロードしたり、インデックス内のデータを削除したりできるようになる。
ケリー氏によると、SQL Server 2014には、データベースを「SQL Azure」(現在は「Windows Azure SQL Database」と呼ばれている)に素早くバックアップする機能も組み込まれるという。SQL Server 2014では「SQL Server Management Studio」を右クリックすることにより、ディザスタリカバリ用の2次バックアップと3次バックアップをSQL Azure内に作成できる。
さらにケリー氏によると、「SQL Server 2014では、一部のデータベースをアクティブデータとしてソリッドステートドライブ(SSD)に保存し、コールドデータ(アクセスが少ないデータ)が含まれるデータベースはHDDに保存することが可能なストレージ管理機能も備える」という。
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