大量データの高速処理が求められる企業に向けて、米Microsoftは次期SQL Serverにインメモリデータベース機能「Hekaton」を搭載する。どのくらいの処理速度の向上が見込めるのだろうか。
米Microsoftは2012年11月7日(米国時間)に開催したイベント「Professional Association for SQL Server Summit」において、トランザクションアプリケーションの処理速度を向上する、新しいインメモリデータベース機能「Hekaton」を「Microsoft SQL Server」の次期バージョンに搭載すると発表した。
SQL Serverには既に「xVelocity ColumnStore」というインメモリ機能が組み込まれているが、こちらも引き続き提供される予定だ。次期SQL Serverのリリース時期についてはMicrosoftからの発表はまだない。これまでのパターンからすると、恐らく2014年以降になるだろう。
Microsoftは、さまざまな種類の情報を大量に処理し、できるだけ短時間でビジネスに役立つ情報を提供しなければならないビッグデータ時代において、この新しいSQL Serverのインメモリ機能の存在は極めて重要だとしている。
このイベントで、Microsoftのテッド・クマート副社長はHekatonを「完全なインメモリトランザクションエンジン」と紹介し、壇上ではアプリケーションや基盤のハードウェアを変更することなく、テーブルやストアドプロシージャをインメモリ化するHekatonツールのデモが行われた。このデモでは、テーブルの処理速度は10倍、ストアドプロシージャの処理速度は30倍向上していた。
オンラインゲームやオンラインギャンブルを運営する英BwinのITソリューションエンジニア、リック・クッチェラ氏は、同社がユーザーリクエストの処理に苦慮していると明かす。現在Bwinが1秒当たりに処理できるリクエストは約1万5000件で、これはクッチェラ氏自身も認めるように悪い数字ではない。しかし、オンラインゲームの世界では、ユーザーリクエストは矢継ぎ早に繰り出され、しかもレスポンスの遅れは許されない。
Bwinでは現在Hekatonのテストを実施しているが、これまでにリクエストの処理速度は10倍になり、最高で1秒当たり25万件の処理を記録している。
「Hekatonは、SQL Serverエンジンにシームレスに統合されるため、SQL Serverが分かっていればHekatonも使いこなせる」とクッチェラ氏は話す。
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