SAPがビッグデータ時代に投入した「SAP HANA」。同製品で採用されているテクノロジーの概要と、それを武器とするSAPの最新戦略を紹介する。
独SAPは、2010年の同社の年次カンファレンスSapphireNowで「SAP HANA(High-Performance Analytic Appliance)」を発表して以来、この技術によってIT環境を簡素化でき、膨大なデータを数秒で処理できることを訴えてきた。
SAP HANAは、大量の業務データやトランザクションデータをリアルタイムで処理するためのデータウェアハウスアプライアンスだ。SAP HANAで採用されているインメモリアナリティクスは、HDDやフラッシュストレージの代わりにRAMに格納されたデータを分析処理するアプローチだ。このアプローチは、プロセッサへのデータ転送による待ち時間を短縮することを目的としている。
一部の顧客は、「SAP NetWeaver Business Warehouse(BW) Accelerator」のような技術に既に投資しているため、「より高速なアナリティクスを実現するために、また費用を掛ける必要がある」という提案を嫌っている。しかし、こうした提案に耳を傾けている顧客もいる。ムリドゥラ・シャーマ氏もその1人だ。
シャーマ氏は、同氏が勤務する米ワシントン州スノーホーミシュにある公益企業において、契約者の利用パターンに関する大量のデータを処理し、より適切にピーク需要期に備えるのにインメモリアナリティクスが役立ちそうだと語った。また、インメモリアナリティクスにより業務が大幅に簡素化されることも期待しているという。
「BWは従来の技術に基づいている。基幹システムからBWにデータを取り込み、続いて“インフォキューブ”というデータコンテナに格納しておく仕組みだ」とシャーマ氏は説明した。
「インメモリコンピューティングでは、これらのステップを全て省ける。レガシーシステムのデータをそのまま処理し、結果をまとめた戦略的なリポートを出力できるからだ。そのおかげで開発時間がかなり短縮される。実に興味深い技術だ」(シャーマ氏)
「5年分の複製データをキューブに保存しておく必要もない」と同氏は付け加えた。「これはストレージ容量の大幅な節約につながる」
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