「セルフサービスBI」の主要2ツール「Tableau」と「Qlik Sense」は、互いに似たものになりつつある。高度な視覚化機能と大規模データ分析に対するニーズの高まりが、その背景にある。
企業の業務部門が自らデータ分析するためのビジネスインテリジェンス(BI)ツールである「セルフサービスBI」。この市場は、新規ベンダーの参入はあるものの、トップ争いは依然として、Tableau Softwareの「Tableau」と、Qlik Technologiesの「Qlik Sense」の一騎打ちだ。「データ視覚化ツール」とも呼ばれる両セルフサービスBIツールには、どのような違いがあるのだろうか。
調査会社Ventana Researchのアナリスト、デビッド・メニンガー氏によれば、両ツールは重点を置いているポイントが異なる。「特定のデータを毎日更新して表示するダッシュボードの作成には、Qlik Senseの方が向いている。さまざまなデータを分析し、何が起きているのかを探るのには、Tableauの方が適している」とメニンガー氏は語る。
ただし以前と比べて、これら2製品の違いは薄れつつある。Qlik Senseは当初、強力なデータ処理エンジンを持つ、中央管理型の企業向け分析ツールとして登場した。一方のTableauは、主にアドホッククエリ(その場限りのクエリ)向けのツールとの位置付けで、高度な視覚化機能が事業部門に支持された。
その後Qlik TechnologiesはQlik Senseの視覚化機能の強化に注力し、Tableauとほぼ互角のレベルにまで引き上げた。一方のTableau Softwareは、新データエンジン「Hyper」など各種の大規模データ処理機能をTableauに追加した。
ここ何年間かで、両ツールはますます似たものになった。「大局的に見れば、両者には違いよりも類似点の方が多い」とメニンガー氏は語る。
ここ数年、この2ツールは同じターゲットに狙いを定めている。とはいえ、まだ違いは残っている。
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