SAPが開催したイベントから分かるのは、水平分業から垂直統合へとビジネスモデルを急速に変えつつある同社の姿だ。SAP HANA、モバイルソリューションが紹介されたイベントをリポートする。
「SAP HANAは過去30年のデータベースとは大きく異なる。HANAを使えば1秒で信じられないほど大量の処理をこなせる」。SAPジャパンが7月13日に都内で開催したイベント「SAP WORLD TOUR 2011」で、SAP本社のジェネラルマネージャー兼グローバル・ヘッド・オブ・ビジネスアナリティクスのスティーブ・ルーカス氏は基調講演と記者会見を行い、HANAの優位性を強調した。ERPパッケージ大手のSAPはその姿を急速に変えようとしている。本稿ではSAPの未来を基調講演から探ろう。
HANAについては過去の記事が詳しい(参考記事:ERP、次の常識は超高速統合システムか)。従来のディスクベースのHDDではなく、高速な読み書きが可能なメモリを使うことで高速なデータ処理を可能にしている。データウェアハウスなどの分析(OLAP)のために開発されてきたが、将来はERPなどの更新系(OLTP)の処理にも活用する予定だ。ルーカス氏は「HANAのビジョンはまずはSAP BW(SAPのビジネスインテリジェンスアプリケーション)のデータベースとしてHANAを使ってもらいたい。さらに将来的にはERPの基盤としても使っていきたい。SAPの環境ではない顧客も利用可能だ」と話し、HANAがSAPアプリケーション全般、そして他社製品が中心の環境でも利用可能なことを強調した。
基調講演でルーカス氏はHANAの導入事例を紹介した。「オーストラリアの電力会社ではスマートメーターを使い、180万世帯から30秒ごとにデータを受け取っている。このデータを分析することで、家庭ごとの電力消費が分かり、次の意思決定をリアルタイムにできる」。SAP自体でもHANAを使っており、CRMに蓄積された8億件のデータをHANAで処理しているという。スマートデバイスを使ってデータ分析ができる「SAP BusinessObjects Mobile BI」を活用し、「いつでもどこでもパイプラインの情報にアクセスできる」環境を構築している。
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