読めば分かる! ビッグデータのためのデータウェアハウス(DWH)とは?ビッグデータのためのDWH基盤【第1回】

BI/DWH分野でバズワードとなっている「ビッグデータ」。ビッグデータとはどのようなデータを指す言葉なのか。そしてビッグデータを格納するDWH製品の代表的な3つのアプローチを紹介する。

2011年09月29日 09時00分 公開
[平井明夫,アイエイエフコンサルティング]

変化するビッグデータの定義

 「ビッグデータ」という言葉は、ここ1年ほどで急速に取り上げられるようになったが、定義は今もって曖昧なようである。筆者が理解しているもともとのビッグデータの定義は、Twitter、Facebookといったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に、1日当たり数Tバイトといった莫大な単位で蓄積されるデータのことである。これらは、文字や映像を中心としたいわゆるマルチメディアデータであるため、一般的なデータウェアハウス(DWH)とは直接の関連はなかった。

 しかし、ここのところDWH分野でもビッグデータという言葉が頻繁に登場するようになった。これは、ビッグデータという言葉で表されるデータの種類が、マルチメディアデータだけでなく、大量に蓄積される(されている)定型的なデータも含むようになったためと考えられる。ここで言う定型的なデータとは、行(レコード)と列(カラム)で表現されるデータのことであり、別の言い方をすると、リレーショナルデータベース(RDB)で格納可能なデータということができる。

昔から存在するビッグデータ

 DWH分野におけるビッグデータの定義が、大量に発生する定型的なデータを含むとするならば、ビッグデータは昔から存在する。それは、例えばPOSデータであり、eコマースサイトのデータである。もともとDWHは比較的大量なデータを蓄積するためのIT基盤ではあるが、その中でもこれらは「日々刻々と膨大な量の明細データが発生する」という意味で立派にビッグデータの資格を満たしている。

 POSデータは、店舗小売業のレジで発生する販売データである。販売管理アプリケーションでは、1つのレシートが1件のトランザクションとなるが、DWHに格納される際は、購入商品アイテムごとに明細レコードとして格納するため、データ量はさらに莫大なものになる(関連記事:あるスーパーマーケットに見るPOSデータ分析の実践)。

 eコマースサイトのデータは、基本的な属性はPOSデータと同じであるが、一般的に会員制を取るため、購買者の個人属性(年齢、性別など)がデータに追加され、結果としてデータ量をさらに増大させる。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...