多様化するAI半導体の選択肢【後編】
「GPU」と「FPGA」を5つの視点で比較 AIプロセッサとしての違いは?
AI処理のためのプロセッサとして、GPU以外にも「FPGA」がある。どれを採用するかは、それぞれの長所や短所、プロジェクトの要件を慎重に評価した上で判断すべきだ。
AI(人工知能)関連の処理に使われるプロセッサの代表的な存在としては「GPU」(グラフィックス処理装置)があるが、近年はプログラム可能な集積回路「FPGA」(Field Programmable Gate Array)も注目を集めている。AIプロジェクトに使うプロセッサを検討する際は、そのメリットとデメリットを明確に把握することが重要だ。本稿は、GPUとFPGAのメリットとデメリットを比較した上で、選定のポイントを解説する。
「GPU」と「FPGA」の違いは? 5つの視点で比較
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連載:多様化するAI半導体の選択肢
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FPGAは「Field Programmable」(現場でプログラム可能)という名前の通り、製造後にユーザーが再プログラミングできる集積回路だ。ハードウェア記述言語を用いた再プログラムによって、ハードウェアを物理的に変更することなくデバイスの動作を調整できる。こうした柔軟性や、省電力性が評価されている一方で、以下のような理由からFPGA ではなくGPUを選択する開発者は少なくない。
- 処理能力の高さ
- GPUは一般的に、FPGAと比べてはるかに高い処理能力を提供する。FPGAはカスタマイズ可能な反面、計算リソースが限られており、大規模なAI処理には不向きだ。
- 習得の容易さ
- GPUは「PyTorch」や「TensorFlow」といった機械学習フレームワークとスムーズに連携できる。開発者は特定のベンダーの製品エコシステムに縛られることなく、使い慣れたツールや開発者コミュニティーのサポートを活用できる。一方、FPGAは専用のベンダーやツールに依存する場合が多く、習得のハードルが高い。
- 扱いやすさ
- FPGAを扱う際は、ハードウェア記述言語を用いてハードウェア構成を再プログラムするスキルが求められる。GPUは、通常のプログラミング環境でAIモデルの構築や最適化ができるため、開発のハードルはFPGAよりも低いと言える。
- GPUの内部ロジックはカスタマイズできないものの、GPUの特性に最適化されたAIモデルを設計することで、高いパフォーマンスを実現できる。つまり、ハードウェアを変更しなくても、モデル設計などソフトウェアの工夫によって最適化が可能だ。
とはいえ、FPGAにはGPUにない利点がある。
- コスト効率
- ユニット単体で見れば、一般的にFPGAの方がコスト効率に優れる。とはいえ、処理能力当たりのコストで考えると、GPUの方がコストパフォーマンスに優れる場合もある。
- 省電力性
- FPGAは一般的にGPUと比べて消費電力が低く、エネルギー効率に優れる傾向にある。そのため、バッテリー駆動デバイスのAIアプリケーションなど、省電力が求められるユースケースに適している。
こうした違いがどれほど重要になるかは、AIプロジェクトの目的や要件によって異なる。FPGAは特定の用途において使うメリットがあるが、一般的なAI開発や運用のシナリオでは、ほとんどの開発者がGPUの方が扱いやすく、実用的であると判断している。
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