人工知能(AI)の実行環境としてGPUをはじめとするハードウェアが使われている。最近は、より高いパフォーマンスを実現するFPGA(Field Programmable Gate Array)も使われるようになった。
「ここ10年の間にムーアの法則は限界を迎えた。CPUを利用する全ての企業がこの限界に直面し、アプローチの変更を迫られている」。こう語るのは、Amadeus IT Groupで応用研究センターのシニアマネジャーを務めるピエール=エティエンヌ・ムレー氏だ。
ムーアの法則によるパフォーマンス向上の限界の影響を緩和する一助になるのは、ソフトウェアエンジニアリングの高度な技術だとムレー氏は言う。だが、ハードウェアのイノベーションへの意識も高まっている。その立役者となっているのがGPU、FPGA、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)だ。これらは演算リソースを集中的に使うAIアプリケーションの処理を加速するといわれている。
「当社のイノベーショングループは、FPGAを使って機械学習を加速する方法の調査に乗り出している」(ムレー氏)
Amadeusは、スイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校のハードウェアエンジニアチームと協力して、機械学習に基づいて推論するアプリケーションへのFPGA適用について調査した。
従来のCPUでAIアプリケーションを実行してレイテンシ問題が発生した場合、解決手段としてまず目を向けるのがGPUだ。これでレイテンシ問題は解消するものの、一般にGPUは消費電力が多い。そのため電力の点で見ると非効率的だとムレー氏は指摘する。課題になるのは、AIアルゴリズムの演算処理を迅速に実行するだけでなく、電力を効率的に使って高いパフォーマンスを実現することだ。
「FPGAの消費電力はGPUよりも格段に少ない。この特性により、FPGAはAIを効率的に実行する優れた候補になる」(ムレー氏)
電力効率以外の点でも、GPUは大量のデータを処理するAIアプリケーションにとって最善の選択肢ではないとムレー氏は指摘する。「GPUは1つの処理を並列に行う。つまりあるデータセットに対して実行できるGPU命令は1つに限られる」
同氏は次のように補足する。「FPGAは粒度に制限がない。複数のデータに対する異なる指示を、並列に処理できる」
これはGPUでは得られないメリットだ。だがデメリットもある。
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