システムの「サイロ化」の課題を抱えていた中部電力は、課題解決のためにデータ分析システムを構築し、可視化ツールとして「Tableau」を導入した。Tableau選定の理由とシステムの運用体制、実際の活用例を紹介する。
中部電力は社内のデータ分析システムにセルフサービスBI(ビジネスインテリジェンス)ツール「Tableau」を利用し、従業員がさまざまなデータを可視化できる環境を構築した。データ分析システムおよび社内制度の整備を通じ、各事業部門がIT部門の手を借りることなくデータを分析できるようになり、分析業務の効率向上と高度化を実現できた。
本稿は2019年5月に開催されたイベント「Tableau DATA DAY OUT 東京」の講演内容を基に、中部電力のTableau導入事例を紹介する。
システムが個々の部門ごとに特化し、システム間のデータ連携が取りづらくなっている状況をシステムの「サイロ化」という。サイロ化は日本企業のシステムに付きまとう悩みの種であり、中部電力にとっても大きな課題だった。社内で取得、蓄積しているデータは基幹システムと個々の制御システムに散らばっており、各システムの管轄部門でしかデータを管理できない状況に陥っていたのだ。データを分析するためのセルフサービスBIツールを導入していたものの、従業員がうまく使いこなせず「Microsoft Excel」など旧来の表計算ツールを使ってデータを分析していた。
「社内で収集しているさまざまなデータを従業員が有効に使い、業務を効率化・高度化する」という目標を実現するためには「従業員がデータをストレスなく触れる環境と施策が重要だった」と中部電力の鈴木良尚氏は説明する。従業員がデータを自分で可視化し、分析する手段として、同社は2018年にTableauを導入した。
他のセルフサービスBIツールと比較してTableauを選んだ理由として鈴木氏が挙げるのは次の要素だ。
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