先の見えない現在は、過去データの分析だけでは対処できない想定外の要素によって事業の推進が不可能になる場合がある。「今何が起こっているか」をいち早くとらえるために、DWH導入意識が高まっている。
データウェアハウス(以下、DWH)というITソリューションは、かつては非常に専門的でニッチな領域だとみられがちだった。システムを構築するためには高度な専門知識と膨大なコストを要し、運用も非常に手間が掛かると考えられていた。また、構築したDWHを利用するにも、情報に応じた複数のツールを使い、ツール自体の操作経験と統計分析の専門的な知識が求められるため、専門家しか利用できないものだと思われがちだった。こうした見方には一部偏見も含まれているだろうが、少なくとも多くの人々にとってDWHの利用は、かつては「導入のハードルが高い」ソリューションだとみられていたのは確かだろう。
しかしこうした風潮は、2004年あたりから徐々に風向きが変わってきたようだ。その背景にあるのは、1993年にリレーショナルデータベースの父といわれるエドガー・F・コッド博士によるOLAP(Online Analytical Processing)の提唱以降のBI(ビジネスインテリジェンス)に対する認知度の向上にあると考えられる。2004年前後から多くの主要ITベンダーがBIソリューションに力を入れ始め、ユーザー企業もBIが自社のビジネスにもたらすメリットに注目するようになった。そうなると、自ずとBIシステムのデータ基盤としてのDWHにも注目が集まることになる。
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