「文書管理」導入の目的はペーパーレス化だけじゃない、多様化する企業の課題エキスパートに聞く情報系システム導入の現状:文書管理編

文書管理の目的は真っ先に思い付くペーパーレス化だけでなく、ナレッジマネジメント、ECMなど多様化している。企業は「文書管理製品」を探しているのではなく、自社の課題を解決する方法を探しているのだ。

2010年11月29日 08時00分 公開
[吉村哲樹]

IT化の進展が必ず行き着く文書管理の課題

 ITソリューション導入の古典的なテーマの1つに、「ペーパーレス化」がある。一部の先進的な大企業の中には、既に20年以上前からオフィスのペーパーレス化に取り組んできたところもあるが、ここ10年でPCを使ったワークスタイルが一般的になり、HDDやネットワークの価格性能比が飛躍的に向上したことを背景に、中堅・中小企業も含め幅広い企業でペーパーレス化が進んだ。

 確かにオフィスのペーパーレス化は企業に多くのメリットをもたらしたが、同時に新たな課題を生むことにもなった。電子媒体の文書は極めて容易に更新・複製できるため、放っておくと無秩序に数が増殖し、遅かれ早かれ管理しきれなくなってしまうのだ。その結果、「あのファイル、どのサーバのどのフォルダにあったっけ?」「この文書は、どのファイルが最新版なんだっけ?」といった混乱が生じることになる。

 こうした課題を解決するためにあるのが、文書ファイルの保管場所やバージョン管理アクセス制御などの機能を提供する文書管理システムだ。既に多くのベンダーからさまざまなパッケージ製品が提供されており、また自社開発で文書管理システムを構築する企業も少なくない。また近年では、文書ファイルだけでなく、Webのコンテンツやメール、画像や動画などのデータも含めた、社内に存在するあらゆるコンテンツを一元的に管理する「ECM(Enterprise Contents Management)」というソリューションも注目を集めている。

 そこで本稿では、ノークリサーチのシニア・アナリスト岩上由高氏に、文書管理システムの導入状況やトレンドといった最新事情、および今後の市場展望などについて詳しく話を聞いた。

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