【市場動向】SAP HANAはデータベース市場でOracleを追い抜けるか?インメモリ技術が過熱するデータベース市場

SAP HANAでデータベース市場への本格参入を宣言したSAP。OracleもOracle TimesTen In-Memory Databaseなどインメモリ技術を積極的に投入している。SAPはデータベース市場におけるOracleの脅威になり得るだろうか。

2012年06月14日 09時00分 公開
[Chris Maxcer,TechTarget]

 ジョージア州グイネット郡のCIOで、IT局長を務めるジョン・マテルスキー氏は、SAPデータベースOracleのシリアスな競争相手になるとは思っていない。

 同郡ではOracle DatabaseとSAPアプリケーションを利用している。同氏によると、ベンダーがエンタープライズクラスの製品を持つことと、それを顧客に受け入れてもらうことは、全く別の問題だという。

 「短期的にも長期的にも、(OracleからSAPへの)目を見張るような大移動が起こることはないと思う。データベースプラットフォームを切り替えるには、非常に綿密なプランニングが要求されるからだ」と同氏は語る。「また十分な訓練を受け、移行をサポートできる優れた社内リソースも不可欠だ」

 しかし、SAPはマテルスキー氏のような人々を説得できると考えているようだ。同社は傘下のSybaseデータベースとSAP HANAなどの新製品群で、2015年までに業界第2位のデータベースベンダーになることを目指している。それは今後3年ほどのうちにMicrosoft SQL ServerIBM DB2を一気に追い抜くことを意味する。調査会社Gartnerの最近の調査によると、Sybase買収後もSAPのデータベース市場における売り上げ別シェアは5%以下にとどまる。一方、IBMとMicrosoftはそれぞれ20%前後、Oracleはほぼ50%のシェアを占めている。

 「他のデータベースにスイッチするときは、システムの安定性を維持できるかなど、さまざまな技術的懸念が生じる」とマテルスキー氏は指摘する。「また、代替のソリューションは性能面で現行システムに匹敵するかという懸念が常に付きまとう」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...