押さえておきたいSQL ServerとHadoop連係の注意点【後編】
SQL ServerユーザーのためのHadoopコネクタ実装手順
SQL ServerとHadoopを接続するためのコネクタの実装手順を解説。SQL ServerとHadoop環境を組み合わせれば、大量の非構造化データを処理し、リポーティング、分析、BIなどをサポートする構造化環境に統合できる。
前編「SQL ServerユーザーのためのHadoop連係入門」では、SQL ServerとHadoopの連係を検討するユーザーのために、Hadoop環境におけるビッグデータ処理技術の概念を説明した。後編ではMicrosoftが提供するSQL Server用のHadoopコネクタの実装手順を解説する。
SQL Server用のHadoopコネクタの実装
SQL Server用のHadoopコネクタは、Hadoopクラスタのマスターノードに実装する。この場合、SqoopとMicrosoftのJava Database Connectivityドライバを使ってマスターノードを構成しなければならない。Sqoopはオープンソースのコマンドライン型ツールで、リレーショナルデータベースからデータをインポートし、Hadoop MapReduceフレームワークを使ってデータを変換した上で、そのデータをデータベースにエクスポートするのに利用する。
SQL Server用のHadoopコネクタをマスターノードにインストールすれば、Sqoopを使ってSQL Serverのデータをインポート/エクスポートできる。ただし、SqoopとコネクタはHadoopを中心とした環境内で動作する。言い換えれば、Sqoopを使ってデータをインポートする際には、SQL Serverデータベースからデータを取り込み、それをHadoop環境に追加するという形になるのだ。しかしデータをエクスポートする場合には、Hadoopからデータを取り込み、それをSQL Serverに送ることになる。
SqoopでSQL ServerのデータをHadoopにインポートする、あるいはHadoopからデータをエクスポートするには、次の3つの保存形式が使用できる。
- テキストファイル:コンマ、タブ、その他のサポートされた区切り文字を使用する基本的なテキストファイル
- シーケンスファイル:シリアライズされたデータが含まれるバイナリファイル
- Hiveテーブル:Hiveデータウェアハウス(Hadoop上に置かれる特殊なウェアハウジング構造)内のテーブル
SQL ServerとHadoop環境(MapReduceとHDFS)を組み合わせれば、大量の非構造化データを処理し、そのデータを、リポーティング、分析、ビジネスインテリジェンス(BI)などをサポートする構造化環境に統合できる。
もっと先を見据えるMicrosoft
SQL Server用のHadoopコネクタは、Microsoftがビッグデータ管理の分野に向けて大きな一歩を踏み出したことを意味する。その結果、Microsoftはオープンソースの世界を積極的に受け入れざるを得なくなった。Hadoop、Linux、Sqoopはいずれもオープンソース技術なのだ。だがMicrosoftはもっと先を見据えている。同社は2011年、クラウドプラットフォームのWindows Azure上のサービスとして動作するHadoop派生ソリューションを投入する予定だ(関連記事:Microsoftのビッグデータ戦略は顧客に何をもたらすか?)。
さらにMicrosoftは2012年、Windows Server向けに同様のサービスをリリースする計画だ。しかし、同社がHadoopコネクタをリリースしたことだけでも大きな前進だといえる。企業はビッグデータを自社のSQL Server環境に統合する作業を直ちに始めることができ、一方、Microsoftはこれを出発点としてビッグデータを統合する手段の改善に向けて継続的な取り組みを続けることができるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
5
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
6
SAP導入後も残る“Excel依存” 京急電鉄は「kintone」でどう解消した?
-
7
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
8
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
9
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
10
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー