シャドーITはデータ分析にも影響を及ぼし始めている。データドリブン経営を本気で目指すのであれば、シャドーITの野放しはやめた方がよいという。どういうことなのか。
本来、IT部門は各部署におけるITツールやサービス、利用状況を把握できる立場にある。だがシャドーIT(IT部門が関与しないIT活用)の拡大によって、それが難しくなっている。これはデータ分析ツールを利用する場面においても同様だ。
CRM(顧客関係管理)をはじめとする最近の主要なSaaS(Software as a Service)は、簡易的なデータ分析機能を備えていることがある。IT部門がデータ分析ツールを導入しなくても、各部署がこうしたSaaSを独自に導入すれば、従業員の間でデータ活用を広げることが可能だ。だがIT部門が関与しなければ、自社に適切な機能なのかどうか、利用するデータが信頼できるものなのかどうかを正しく判断できない可能性がある。
IT部門がこうした状況を放置するとどうなるのか。企業内に複数の分析サービスが存在すること、同じサービスがボリュームディスカウントのメリットなしに複数契約されていることに、しばらくたってから気付くことになる。
これを解決するための最近のトレンドは、IT部門が「データサイエンティスト」と共に「シチズンデータサイエンティスト」(データサイエンスに貢献する非専門家)を育てることだ。これにより、以下のようなデータ活用に関する社内標準を設定しやすくなる。
第4回は、データサイエンティストや「データエンジニア」といったデータ関連職の得意分野がそれぞれどのように違うのかを紹介する。
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