人工知能(AI)技術を取り巻く動きの中で、2020年に注目すべきものは何か。RPAにAI技術を組み込んだ「IPA」や説明可能なAI技術、対処すべき課題であるAI技術の偏見や倫理にまつわる問題を取り上げる。
2020年は、さまざまな業界の企業が「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)によるバックエンドプロセスの自動化に乗り出すだろう。既にRPAを導入している企業の間では、自動化するプロセスの多様化が進む可能性がある。プロジェクト管理者のための非営利国際会員団体であるProject Management Institute(PMI)で、最高データ責任者を務めるマーク・ブルーム氏は、RPAを「最も大きな成長が見られる分野の一つ」と位置付ける。
PMIは2019年夏、プロジェクト管理者551人を対象にした調査結果をまとめた。ブルーム氏はその調査結果から、調査対象企業の約21%がRPAの影響を受けていると指摘する。向こう数年のうちにRPAがある程度の影響、または強い影響を及ぼすと予測した組織は約62%に上る。
RPAは以前から使われてきた比較的古い技術だ。今になって弾みがつき始めた一因は「多くの企業がRPAを認識するようになったためだ」とブルーム氏は分析する。「テクノロジーが根付くまでには長い時間がかかる。人がそのテクノロジーの訓練を受けるようになることでさえ、ある程度の時間が必要だ」(同氏)
機械学習能力を持つRPAである「インテリジェントプロセスオートメーション」(IPA)が登場し、Automation AnywhereやUiPathといった主要RPAベンダーがIPAに取り組んでいる。API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を搭載したIPA製品は、ユーザー企業がもっと手早く簡単に自動化の規模を拡大させたり、画面内の物体の自動検出や光学文字認識(OCR)、自然言語処理(NLP)など、さらに高度な作業を実行させたりできるようになる。
判断の理由や根拠を説明可能なAI技術(Explainable AI)関連の開発を手掛けるDarwinAIの最高経営責任者(CEO)、シェルドン・フェルナンデス氏も、RPAが一層高度化しつつあるとの見方を示す。フェルナンデス氏によると、向こう数年のうちにRPAやIPAを使い始める企業は徐々に増えると予想する。
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