「AI」の進化が“脱クラウド”を加速させる? その理由とは2020年のAIトレンド【後編】

人工知能(AI)技術の進化や多様化は、自然言語処理のさらなる高度化をもたらし、企業のクラウド利用に影響を与える可能性がある。それはどういうことなのか。専門家の声を基に2020年のAI関連市場の動向を予想する。

2020年02月18日 05時00分 公開
[Mark LabbeTechTarget]

関連キーワード

機械学習


 2020年は、ビジネスインテリジェンス(BI)をはじめとする分析への人工知能(AI)技術の活用や、AI技術を使った自然言語処理(NLP)の能力が高まる見通しだ。特に「NLP技術は進化し続ける」と、仮想アシスタントを手掛けるConversicaのチーフサイエンティスト兼シニアバイスプレジデントのシド・レディー氏は予想する。

進化を遂げる「自然言語処理」

 人の言語は複雑で、何百個、何千個もの単語がある。「変わり続ける構文や意味論(セマンティクス)、語用論(プラグマティクス)、相当のあいまいさが理解を難しくしている」とレディー氏は指摘する。「AI技術の進化の一環として、NLPとディープラーニングは言語の処理と理解における非常に効率的なパートナーになり、そのニュアンスや意図をもっとはっきり認識できるようになる」(同氏)

 AI技術にかかわる巨大IT企業のうち、Amazon Web Services(AWS)が2019年12月に披露したAI駆動型検索サービス「Amazon Kendra」は、自動的にビジネスデータを基にインデックスを作成して検索できるようにする。ユーザー企業は、同様のツールがアプリケーションに組み込まれたり、スタンドアロン製品として販売されたりすることを期待できる。

 2020年はチャットbotや音声アシスタントを導入する動きも広がる見通しだ。そうした技術は導入コストが下がって導入が容易になり、かつ高度化が進む可能性がある。ただし企業がコンタクトセンターの従業員を完全にチャットbotと入れ替えることはなさそうだ。それよりも人の従業員とソフトウェアロボットワーカーのペアによる効率性を向上させ、ソフトウェアロボットには簡単な質問に答えさせて、難しい質問はペアを組む人間の従業員に振り向けるようになる。「2020年は人とマシンのコラボレーションが重視されるようになる」とフェルナンデス氏は予想する。

「AIチップ」と「エッジAI」で脱クラウドが進む?

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

技術文書・技術解説 Snowflake合同会社

AIエージェント実践ガイド:基本概念からユースケース、克服すべき課題まで

意思決定や計画、行動を自律的にこなす「AIエージェント」に対する関心が高まる一方、実装に向けては、データの正確性やアクセスの制御など、多くの課題が立ちはだかる。その解決策や、代表的なユースケースなどについて、詳しく解説する。

製品資料 エス・アンド・アイ株式会社

コンタクトセンターで導入が急拡大する「生成AI」 実際に何ができるのか?

ビジネスにおける生成AI活用が広がる中、コンタクトセンターでも生成AIを使って業務改善につなげる動きが加速している。オペレーターと顧客とのやりとりに生成AIを活用することで、どのような成果が生まれるのか。本資料で解説する。

市場調査・トレンド Exabeam Japan株式会社

サイバーセキュリティ専門職1000人への調査で分かった、AI導入の現状と課題

サイバーセキュリティの領域でもAIの活用が進む中、経営層と現場には、大きなギャップが生まれているという。本資料では、サイバーセキュリティの専門職1000人を対象にした調査の結果から、AI導入の現状と課題を解説する。

製品資料 ServiceNow Japan合同会社

生成AIでカスタマーエクスペリエンスを変革するために取るべきステップとは

生成AIの登場以降、多くの企業が、生成AIの活用によって顧客と従業員の満足度を向上させる方法を模索している。本資料では、生成AIでカスタマーエクスペリエンスを変革するために取るべき重要なステップを解説する。

製品資料 DeepLジャパン合同会社

自動車業界に今、言語AIが必要な理由

自動車業界は、多数の国・地域にまたがるサプライチェーンで構成される。それだけに、正確なコミュニケーションは重要な課題の1つだ。その解決策として注目される、DeepLが提供する言語特化型AIはどのように自動車業界を支えるのか。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...