機械学習を始めるなら知っておきたいアルゴリズム5選【前編】
機械学習の代表的アルゴリズム「線形回帰」「決定木」とは?
機械学習にはさまざまなアルゴリズムがある。前後編の前編に当たるこの記事では、数あるアルゴリズムの中でも、代表的な機械学習アルゴリズムの「線形回帰」「決定木」について紹介する。
機械学習モデルの開発に万能のアルゴリズムはない。使用する目的やデータセットによって、適切な機械学習アルゴリズムは異なる。例えば比較的単純な「線形回帰」は、トレーニングや実装が比較的容易な機械学習アルゴリズムだ。ただし複雑な予測が必要な場合には適切な分析結果が得られないことがある。
IT担当者は機械学習ベンダーの選定や、機械学習モデル作成のための複雑なプログラミングを始める前に、アルゴリズムの特徴を理解し、利用する目的を明確にしておく必要がある。前後編にわたり、企業での利用に適した5種類のアルゴリズムについて、詳しく説明する。前編に当たる本稿では、そのうちの2種類を紹介しよう。
アルゴリズム1.線形回帰
線形回帰は広く使われているアルゴリズムの一つだ。このアルゴリズムは、データセットから2つの変数の単純な相関関係をマッピング(関連付け)する。入力する値とその値に合わせて変化する値を調べ、一方の値の変化が他方にどのように影響するかといった関係を定量化する。また線形回帰はグラフの線で表すことができる。
仕組みの単純さは、線形回帰の人気が高い理由の一つだ。簡単に説明でき、機械学習モデルのパラメータの調整はほとんど必要ないため、比較的使いやすい。企業では長期的な事業計画を策定するための、売上予測やリスク評価によく利用されている。
テクノロジーサービス企業Clairvoyantの最高技術責任者(CTO)を務めるシェカール・ベムリ氏は、値や可能性を予測したいときに線形回帰は最適だと話す。「信用情報の調査や学生の単位取得の可否などが線形回帰の典型的な利用例だ。企業が予測したいことは『それが起こるか起こらないか』という問いに行き着くものが多く、これらの問いに答えを出すことができる」(ベムリ氏)
アルゴリズム2.決定木
決定木は、条件分岐を持つ木構造でデータを表し、一連の決定から結論を導き出す。決定木は応答変数(実験の結果となる変数)を分類し、過去の決定に基づいて応答変数を予測する。
視覚的に分かりやすい手法で決定と結果を関連付けできる決定木は、データの専門家ではない「市民データサイエンティスト」にも親しみやすい。さまざまな決定が最終結果に及ぼす影響を確認したい場合に決定木が役立つ。
決定木は、小規模なデータセットやリスクの低い決定を扱う場合に向いている。例えばオプション価格決定は典型的な利用例の一つだ。融資会社が借り手を分類したり、製品管理部門が主原料を変えたら市場がどう変化するかを定量化したりする場合などに利用されている。
データベース管理システムを扱うソフトウェア会社のInterSystemsで、製品管理を担当するジェフ・フリード氏は「決定木が広く使われているのは、データサイエンティストがさまざまなアルゴリズムを導入しなくても、多様な検証結果を把握できるからだ」と言う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
機械学習を始めるなら知っておきたいアルゴリズム5選
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
8
積水化学工業が「SAP S/4HANA Cloud」の“全グループ導入”に踏み切った訳
-
9
データセンター事業者が「脱VMware」をした“例のライセンス問題”じゃない理由
-
10
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー