「Alexa、油汚れの落とし方を教えて」を実現 P&Gも挑む“顧客とつながるAI”Coca-ColaやP&Gも実践 消費財メーカーの「AI」活用【前編】

食品や生活用品を扱う消費財業界でも、AI技術の導入が進みつつある。Coca-ColaやPepsiCo、P&Gなどの事例から、AIシステムを利用したサービスの提供について考える。

2019年06月25日 05時00分 公開
[Kathleen WalchTechTarget]
画像

 食品、飲料、化粧品などの消耗品を扱う消費財業界は、利便性を原動力とする。この業界では、商品の価値や売り上げを高めるイノベーションが、機械学習をはじめとする人工知能(AI)技術によって後押しされている。商品をオンラインで購入する消費行動が当たり前になる中、消費財メーカーは市場シェアを獲得するために独創性を高めている。メーカーはAI技術を利用することで、個人に合わせて高度にカスタマイズした商品の創出や在庫・価格の最適化、販売促進の改善が可能になる。

 消費財業界では、継続的に販売する定番商品が主役になる。歯磨き粉からシャンプーに至るまで、最も安い商品を求める人もいれば、特定のブランドにこだわる人もいる。このように顧客のさまざまな商品の好みに応えるため、消費財メーカーは顧客からのフィードバックを重視する。そのためAIシステムを活用して、製品アンケートの回答、ソーシャルメディアでの評判、顧客との直接のやりとりを継続的に見守っている。そうして顧客満足度を計り、潜在的な問題に対処する。

 自然言語処理と感情分析を使用して顧客像を把握している消費財メーカーもある。商品に対する認識の変化を見極め、マーケティングキャンペーンや販売キャンペーンへの影響を見積もるためだ。自然言語処理技術が組み込まれたAIシステムは顧客とのやりとりの中からパターンを見つけ出す。この技術の支援を受けることで、消費財メーカーはより適切に顧客をサポートし、マーケティングキャンペーンを改善して、情報を基にビジネス上の決断を下せるようになる。

顧客個人との結び付きをAIで深める

 消費財メーカーでは、顧客エンゲージメントを高める創造性の高い方法を見つけるためにもAI技術を使用する。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...