価格や性能、使い勝手を比べた
「Surface Pro 3」「Surface 3」をガチ比較、真の“キングオブWinタブ”はどっちだ?
米Microsoftの「Surface Pro 3」と「Surface 3」。Windowsタブレットの代表格たる風格さえ備わるこの2種類のタブレットを徹底比較する。あなたが満足するのはどちらのSurfaceか?
まず大前提を。コストを度外視すれば、米Microsoftの「Surface Pro 3」は、どんな合理的基準でも「Surface 3」よりも良い評価になる。どちらの端末もデザインや機能は似ているが、Surface Pro 3が地力で勝る。より強力なプロセッサを搭載しているからだ。実際、Surface Pro 3は、発売から1年が経過しても、市場に出回っているほぼ全ての汎用端末の上を行っている。
ただし、両者の条件は全て同じではなく、特に価格は全く違う。Surface 3はSurface Pro 3よりもかなり安い。とはいえ、金に糸目を付けないユーザーがいるのも確かだ。こうしたユーザーは、本格的な画像編集ソフトウェアや複雑なプロ向けソフトウェアが扱える端末を必要としている。この手のユーザーにはSurface Pro 3がうってつけだ。だが仕事や学習、遊び用に普通のコンピュータが必要な一般ユーザーにとっては、個々のマシンの違いが価格に見合うかどうかが問題となる。
仕上がりとデザイン
大まかに言うと、Surface 3とSurface Pro 3はほぼそっくりで、デザインの特徴も似ている。Surface 3の方が10%くらい小さく、約180グラム軽い。平均的なスマートフォン1台分程度軽いということだ。
どちらのデバイスも見た目が素晴らしく、マグネシウム合金製ボディが非常に好評だ。Surface 3とSurface Pro 3は間違いなく、市場でも有数の優れた仕上がりの端末である。
だが、両者の仕上がりを比べると、Surface 3がSurface Pro 3に小差で勝っている。Surface Pro 3はサイズが大きいせいで、ときには少し不便だ。一方のSurface 3は若干小ぶりながらも、サイズの割に小ささを感じない。さらにSurface 3は、デスクトップを散らかしてもスプレッドシートを多用しても、決して窮屈な感じにはならない。
ディスプレイ
Surface Pro 3は12インチ、Surface 3は10.8インチのディスプレイを搭載する。アスペクト比(縦横比)はいずれも3:2で、ピクセル密度はSurface Pro 3が216ppi、Surface 3が213ppiとなっている。どちらのディスプレイも、Microsoftが買収したイスラエルN-Trigの同モデルのスタイラスペンが利用でき、10点マルチタッチが可能だ。
これらのディスプレイはよく似ており、いずれも非常に出来が良い。Surface Pro 3は、ぎらつき(グレア)を抑えるという点に関して若干優れており、画面は黄色みがかっている。Surface 3の画面は赤みがかっており、こちらの方が少し目に心地よい。
ボタンとポート
Surface 3とSurface Pro 3は、いずれも横置き(以下同じ)の状態で本体上部の左側に電源ボタンがあり、Surface 3ではその右隣に音量ボタンがある。Surface Pro 3の音量ボタンは本体左側面に配置されている。
両者ともキックスタンドを備えているが、Surface Pro 3のキックスタンドが無段階で好きな角度に開けるのに対し、Suraface 3のキックスタンドは3段階の角度で調整可能だ(キックスタンドを閉じた状態もカウントすると、4段階)。いずれもキックスタンドを開けたところにmicroSDカードスロットがある。
Surface 3とSurface Pro 3は、本体下部にキーボードカバーをマグネットで固定する共通の機構を備える他、USB 3.0ポート、「Mini DisplayPort」規格のポートを本体右側面に用意する。Surface 3では、3.5ミリのヘッドフォンジャックも本体右側面にあるが、Surface Pro 3のヘッドフォンジャックは本体左側面の音量ボタンの上にある。
Surface Pro 3では、独自のマグネット式充電ポートが本体右側面に用意されている。これに対し、Surface 3では、同じく本体右側面にあるMicro USBポートで充電できる。
音量ボタンの位置はSurface 3の方が適切である。Surface Pro 3では、左側側面にある音量ボタンをひんぱんに押していると、タブレット本体が右に移動してしまうからだ。
またSurface 3のMicro USB充電ポートの方が、Surface Pro 3のマグネット式充電ポートよりも望ましい。Micro USBは汎用的な規格であるため、より便利だからだ。実際、このMicro USBポートは、各種アクセサリを接続するためのUSBホストとしても機能する。ただし大半のアクセサリは、接続するにはMicro USBから通常のUSBへの変換アダプターが必要だ。
キックスタンドはSurface Pro 3の方が柔軟に使えるが、それは全体的な評価を左右する要因ではない。ユースケースの99%には、3段階の角度で十分だからだ。
パフォーマンス
Surface Pro 3とSurface 3は、いずれもさまざまな構成が用意されている。最も非力なSurface Pro 3でも、最も強力なSurface 3よりもさらに強力だが、その差は大きくない。
Microsoftは次のように述べている。「Surface 3が提供するパフォーマンスは、米Intelのプロセッサ『Intel Core i3』を搭載するSurface Pro 3のパフォーマンスの80%以上に相当する(ベンチマークテスト「PCMark 8 Creative Conventional」の結果より)」
Surface 3のハイエンドモデルである128Gバイトモデルは、プロセッサ「Intel Atom」の第5世代である「Atom x7-Z8700」と4GバイトのRAMを搭載する。エントリーレベルのSurface Pro 3となる64Gバイトモデルは、プロセッサ「Intel Core」の第4世代である「Core i3-4020Y」と、同じく4GバイトのRAMを搭載する。
残念ながら、われわれはこれらのモデルをまだ入手していない。各プロセッサを搭載する製品を過去に扱った経験からすると、日常的なタスクに使用するときには、どちらのプロセッサも良好に機能する。だが、米Adobe Systemsの画像処理ツール「Adobe Photoshop」を使った作業など、やや負荷が高いタスクについてはCore i3の方がスムーズに処理できる。
ベンチマークツール「Geekbench」のユーザーによるテスト結果が公開されているオンラインデータベース「Geekbench Browser」に、これらのモデルのベンチマーク結果例が掲載されている。それを見ると、マルチコアスコアではSurface Pro 3が「3063」で、Surface 3の「3031」をわずかに上回り、シングルコアスコアではSurface Pro 3が「1503」、Surface 3が「961」となっている。マルチコアスコアの差が小さいのは、Surface 3に搭載のAtom x7がクアッドコアであるのに対し、このベンチマークテストに使ったSurface Pro 3が搭載するCore i3がデュアルコアだったことに起因するものだろう。
われわれがベンチマークテストに使用したモデルは、Surface 3、Surface Pro 3とも上記のモデルとは異なる。Surface 3は、Atom x7(上記モデルと同じ)と2GバイトのRAMを搭載するエントリーモデルを使用。Surface Pro 3は、「Core i5」と8GバイトのRAMを搭載する、よりハイエンドのモデルを使用した。以下では、この2モデルのベンチマーク結果を比較する。この比較は不公平であることは確かだが、両者のパフォーマンスの違いを浮き彫りにできる。
ベンチマークテスト「wPrime」では、プロセッサの性能を比較した(図1)。
ベンチマークテスト「3DMark 11」では、グラフィックスカードの総合的なゲーム性能を計測した(図2)。
バッテリー
Surface 3はバッテリーベンチマーク「Powermark」で、Surface Pro 3を打ち負かした。Powermarkは、システムを酷使した場合のバッテリー持続時間の概算を示す。
ただし、われわれが別途実施したバッテリー消耗テストでは、Surface Pro 3の方がバッテリー持続時間が長かった。このテストは、ディスプレイを最大輝度に設定し、無線LANを介してWebブラウザの「Google Chrome」で動画配信サービス「Netflix」をストリーミングするというもので、ユーザーが最低限期待できるバッテリー持続時間を調べることを目的としている。このテストでSurface Pro 3のバッテリーは5時間持ったが、Surface 3のバッテリーは3時間30分しか持たなかった。
これは奇妙な結果だ。だが、バッテリーの減りが遅いという評判や、両方のタブレットを使った経験から見て、Surface 3の方がバッテリー持続時間が長い。ただし、Surface Pro 3もなかなかのものだ。このクラスの他の端末と比べるとなおさらだ。
価格と構成
Surface Pro 3は以下の構成と価格で提供されている(国内価格は税別)。
- 799ドル(国内では法人向け9万3800円、個人向け10万7800円): Intel Core i3(1.5GHz、Intel HD Graphics 4200)、RAM 4Gバイト、ストレージ64Gバイト
- 999ドル(法人向け11万2800円、個人向け12万6800円): Intel Core i5(1.9GHz、Intel HD Graphics 4400、Turbo Boost使用時最大2.9GHz)、RAM 4Gバイト、ストレージ128Gバイト
- 1149ドル(法人向け14万8800円、個人向け16万2800円): Intel Core i5(1.9GHz、Intel HD Graphics 4400、Turbo Boost使用時最大2.9GHz)、RAM 8Gバイト、ストレージ256Gバイト
- 1549ドル(法人向け18万4800円、個人向け19万8800円): Intel Core i7(1.7GHz、Intel HD Graphics 5000、Turbo Boost使用時最大3.3GHz)、RAM 8Gバイト、ストレージ256Gバイト
- 1949ドル(法人向け22万4800円、個人向け23万8800円): Intel Core i7(1.7GHz 、Intel HD Graphics 5000、Turbo Boost使用時最大3.3GHz)、RAM 8Gバイト、ストレージ512Gバイト
Surface 3の構成と価格は以下の通り(国内価格は税別)。
- 499ドル(法人向け6万8800円): Intel Atom x7-Z8700(1.6GHz、Intel Burst Technologyにより最大2.4GHz)、RAM 2Gバイト、ストレージ64Gバイト
- 599ドル(法人向け7万8800円): Intel Atom x7-Z8700(1.6GHz、Intel Burst Technologyにより最大2.4GHz)、RAM 4Gバイト、ストレージ128Gバイト
以上のモデルは全て無線LAN規格IEEE 802.11a/b/g/n/acでの通信が可能で、Surface 3では近くLTEモデルがリリースされる(国内では、Surface 3の法人向けは上記のWi-Fiモデルに加えてLTEモデルもラインアップされており、価格は64Gバイトモデルが7万8800円、128Gバイトモデルが8万8800円。個人向けはLTEモデルのみで、価格は64Gバイトモデルが8万1800円、128Gバイトモデルが9万1800円)。Surface Pro 3にはLTEモデルはなく、今後も投入予定はない。
Surface Pro 3にはスタイラスペンの「Surfaceペン」(単体で49.99ドル、税別5980円)が付属し、Surface 3にはオンラインオフィススイート「Office 365」の1年分のサブスクリプション(69.99ドル相当)が付属する(国内でもSurface Pro 3にはSurfaceペンが付属し、個人向けモデルは「Office PremiumプラスOffice 365サービス」も標準搭載する。Surface 3の個人向けモデルにも同サービスの標準搭載などの特典が付く)。
Surface Pro 3とSurface 3には、両製品のマーケティングで前面に押し出されているキーボード付きカバーの「タイプカバー」が付属していない。どちらの端末でも、タイプカバーは129.99ドル(税別1万5680円)で別途購入しなければならない。
ペンとキーボード
Microsoftは、Surface 3とSurface Pro 3用にスタイラスペンを1種類だけ販売している。それがN-Trig製のSurfaceペンだ。このペンはどちらのタブレットでも快適に使える。だが、4.99ドル(税込581円)で安っぽい「Surfaceペンループ」を買わなければ、どちらの端末にも固定する場所がない(国内では、Surface Pro 3用のタイプカバーを購入すれば、Surfaceペンループが付いてくる)。
試したところ、ゆっくり描いた線を滑らかにするのはSurface 3の方が得意で、エッジ検出でもSurface 3が若干優れていることが分かった。だがこれは重箱の隅をつつくような見方であり、こうした違いが購入判断を左右することはないだろう。さらに、デジタルアーティストやイラストレーターは、Surface Pro 3の大きなディスプレイを好むはずだ。大画面は小さな短所を補って余りある。
サイズのわずかな違いを別にすれば、Surface 3とSurface Pro 3はタイプカバーも非常に似ている。どちらのタイプカバーも、入力が快適で楽なキーボードだ。
ただし、この2つのタイプカバーのキーは少し違っている。Surface Pro 3用の「Surface Proタイプカバー」には、Windows 8.1の各種設定、「デバイス」「共有」のチャーム(設定画面)などを開くショートカットキーが用意されている。
Surface 3用の「Surface 3タイプカバー」ではこれらのキーの代わりに、画面の明るさを調整するキーやプリントスクリーンキー(Windowsクリップボードに画面全体のスクリーンショットを格納する)などが配置されている。われわれはSurface Proタイプカバーのショートカットキーは全く使わなかったが、Surface 3タイプカバーの画面の明るさを調整するキーは使った。Surface 3タイプカバーの辛勝といったところだ。
結論
ほとんどの一般ユーザーはSurface 3で十分事足りるし、満足できるだろう。Surface 3はやはりプレミアムな端末だ。499ドルという価格に十分に値する。たとえ市場にはもっと安価な選択肢が溢れているとしてもだ。
もっと強力な端末が必要な人には、Surface Pro 3が断然向いている。Surface Pro 3は、超薄型軽量のボディに高い処理能力を備えた端末を求める一定のユーザー層にとって最高の端末だといえる。
Surface 3の128GバイトモデルとSurfaceペン、タイプカバー(合計約780ドル)を買おうと考えている人は、Surfaceペンが付属するSurface Pro 3のCore i3モデル(799ドル)を選んだ方が得策だろう。BluetoothやUSBキーボードは十分安く、Officeの代わりに使える無料ソフトウェアもたくさんあるからだ。
Surface Pro 3
長所
- 薄型、軽量、頑丈な優れた仕上がり
- 最高品質のディスプレイ
- Windows 8.1に最適な3:2の縦横比
- タブレットとしては無類の潜在的な生産性
短所
- キーボードカバーが別売り
Surface 3
長所
- 卓越した仕上がりとデザイン
- フルサイズUSBとキックスタンドで生産性が大幅に向上
- 総合的に考えるとまずまずの性能
- 素晴らしいディスプレイ
短所
- ベースユニットの2GバイトのRAMはこのクラスのデバイスにしては少ない
- Windows 8.1と主要アプリがディスク容量を使い過ぎ
- 必要なアクセサリの価格が高過ぎ
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