ユーザー絶賛の新旧機種を徹底比較
「Surface Pro 3」 vs. 「Surface Pro 2」はまさかのいい勝負 比較で分かった選ぶコツ
「Microsoft Surface Pro 3」は前年発売の「2」と大きく違う。このため、Microsoftは競合製品として両方の販売を続けると考えられる。ユーザーはどちらのモデルを選ぶべきか。
2014年7月17日に日本でも販売が開始される「Microsoft Surface Pro 3」と前年に発売された「Surface Pro 2」。どちらも非常に魅力的なデバイスだ。Surface Pro 2に関しては、以前の記事で次のように評価した(参考:徹底レビュー:異彩タブレット「Surface Pro 2」の斜め上への進化)。
「Microsoft Surface Pro 2はデザイン性に優れた強力なタブレットである。強力で持ち運びに便利なマシンを求めているユーザーは当然一見の価値はあるが、そうでなければその価格の高さから他のマシンを検討すべきだろう」
また、Surface Pro 3に関しては、次のように評価した(参考:徹底レビュー:「Surface Pro 3」が示す“キングオブWinタブレット”の貫禄)。
「米Microsoftの『Surface Pro 3』は、以前の機種と同様、超薄型軽量のボディに高い処理能力を備えたデバイスを求める一定のユーザー層にとって最高のデバイスだ。だが安価ではない。純正のキーボード付きタイプカバーを使用するにも追加のコストが掛かる」
前述した2本のレビュー記事は、執筆時期が6カ月しか差がない。どちらのデバイスに対する評価も執筆時と変わらない。全ての条件が同じだとすれば、新しいSurface Pro 3の方がSurface Pro 2よりも優れたデバイスといえる。だが、ユーザーのニーズによっては、Surface Pro 2を選択するのが合理的な場合があるのではないだろうか。本稿では、それを検証する。
構造とデザイン
どちらのデバイスも優れたハードウェアの基準となっている。タブレットとして見た場合、薄さや軽さが最高レベルというわけではない。だが、処理能力と持ち運びやすさの点でSurface Proに匹敵するデバイスはない。これはSurface Pro 2とSurface Pro 3の両方に当てはまる。
Surface Pro 3は、Surface Pro 2よりサイズが大きいながらも、厚さと重さが抑えられている。サイズは292.1(幅)×201.4(高さ)×9.1(厚さ)ミリで、重さは800グラム(Surface Proタイプカバーとスタイラスペン未装着の場合)だ。丈夫な印象だが、その印象は厚さと重量のあるSurface Pro 2の方がなお強い。Surface Pro 2のサイズは275(幅)×173(高さ)×13.5(厚さ)ミリで、重さは907グラム(同じくタイプカバーとスタイラスペン未装着の場合)だ。耐久力はSurface Pro 2の方が恐らくあるだろう。だが、どちらのデバイスもマグネシウム合金構造で乱暴な扱いへの耐久性が非常に高いため、日常的に粗雑に扱ったり、1~2回落としたくらいで壊れる心配はない。
ディスプレーとスピーカー
Surface Pro 2のディスプレーは10.6インチで、解像度は1920×1080、ppiは208だ。16:9のアスペクト比は、メディアのストリーミング、Windows 8.1でイライラするスタート画面やアプリの表示に最適だ。ただし、狭いデスクトップが窮屈こともある。
Surface Pro 3のディスプレーは12インチで、解像度は2160×1440、ppiは216だ。アスペクト比は正方形に近い3:2。ディスプレーが大きくなったことも相まって、デバイスの能力を存分に引き出すことができる。この点については以前の記事で次のように評価した。
「ディスプレーサイズが真価を発揮するのは、ノートPCとして利用する場合だ。12インチというサイズは、フルサイズとポータブルサイズの両方を検討しているユーザーの多くにとって最適な中間のサイズである。Surface Pro 3のボディは正方形に近い。そのため、縦の空間を広く使うことが可能で、広い作業空間を確保できるため、オフィススイートを使う作業に特に適している。「Microsoft Excel」のヘビーユーザーから好評を博すだろう」
Surface Pro 2では2つのアプリを並べて実行できたが、Surface Pro 3では1画面で同時に3つのアプリを並べて実行できる。3つのアプリを一画面で表示すればごちゃごちゃするし、さすがに多すぎるだろう。だが、それができるという選択肢が用意されているのは悪いことではない。
解像度に関しては互角だ。ppiはSurface Pro 3の方が高いが、画像の鮮明さに明らかな違いはない。90度に近い斜めの角度から画面を見た場合、Surface Pro 3の方が若干見やすい程度だ。Surface Pro 2の画面は若干赤味を帯びているが、Surface Pro 3は黄色く暖色系に傾いている。また、Microsoftが採用している光学接合によって、まぶしくないよう反射が適切に抑えられている。
スピーカーについても明確な差異はなく、2つのデバイスの音質の違いを説明するのは難しい。どちらも平凡な品質だが、他のノートPCやタブレットと比べれば十分だろう。
キックスタンド
2013年発売のSurface Pro 2のキックスタンドは、2つの角度で固定でき、テーブルに置いたり膝の上で使用するのに最適だった。任意の角度で固定できるようになったSurface Pro 3のキックスタンドも、同じように便利に使うことができる。
Surface Pro 3では、それに加え安定性が向上している(新しいSurface Proタイプカバーを装着するとその固定機能で安定感がさらに増す)。Surface Pro 3を極端な角度で開かなければならず、かつ水平にしてはいけないといった状況に遭遇したことはまだないが、今後そのような状況に陥らないとも限らないし、他のユーザーが必要としないとも言い切れない。なので、ここはSurface Pro 3の勝ちということにしておこう。
スタイラスペン
Surface Pro 2ではワコムのスタイラスペンが採用されているが、Surface Pro 3ではイスラエルN-trigのスタイラスペンが使われている。デジタルな創作活動を行う人にとっては、この違いが購入の決め手となるだろう。
デジタルな創作活動を行う人は手描き入力テクノロジーに強いこだわりを持っている。Microsoftによれば、Surface Pro 3のN-trig製スタイラスペンのテクノロジーはSurface Pro 2のワコムのスタイラスペンよりも優れているという。精度が高く、遅延が少なく、デバイスの薄型化にも貢献している。ただし、Surface Pro 2のスタイラスペンの筆圧感知レベルが1024段階であるのに対し、Surface Pro 3のスタイラスペンは256段階しかないというマイナス面もある。
われわれのチームには芸術的な素養のあるメンバーがいないため筆圧の差による違いはよく分からなかった。だが、本格的なデジタル創作活動を行う人であれば違いをはっきりと感じられることだろう。ホバー操作に必要な画面からの距離にも違いがある。Surface Pro 3のスタイラスペンでホバー操作を行う場合、Surface Pro 2のスタイラスペンを使う場合よりも1センチほど画面に近づける必要がある。
スタイラスペンをテストしてみると、Surface Pro 2ではディスプレーの左右の端や下部の隅で直線を引く際に問題が発生した。ペンをゆっくり動かすと線がゆがみ、左右の端でペンを素早く動かしたときには全く認識されない。また、ペンを鋭角に傾けて使った場合も認識されない。なお、この問題はSurface Pro 3のスタイラスペンでは発生しなかった。
以前、2つのデバイスに付属するスタイラスペンの物理的な面に関しては、次のように評価した(参考:徹底レビュー:「Surface Pro 3」が示す“キングオブWinタブレット”の貫禄)。
「新しいN-trigのスタイラスペンは、全体がプラスチック製だったワコムのスタイラスペンよりも握り心地がよい。重さとバランスが改良され、滑り止め加工が施されたアルミニウム製のボディは、手触りがよくなっている。電源に単6電池が使われているのは間違いないだろう」
「ワコム、N-trig製のスタイラスペンには、どちらも先端にボタンが付いている。新しいN-trig製スタイラスペンの付け根の部分には、マウスボタンの機能を持った2つのボタンがある。以前のスタイラスペンには、本体への装着部分とボタンの機能を兼ねたマグネットの突起部があったが、これは最善策ではなかった。新しいN-trigのスタイラスペンは物理的な側面が全体的に改善されている。Surface Pro 3に装着部分はないが、ペンにはクリップが付いており、Surface Proタイプカバーのホルダーに装着できる」
この評価に付け加えることが2点ある。Surface Pro 3のスタイラスペンのペン尻のボタンをクリックすると、Surface Pro 3がスリープ状態のときでも「Microsoft OneNote」が起動する。これはSurface Pro 2にない便利な機能だ。もう1つはWindowsボタンの位置だ。右利きの人はSurface Pro 3のWindowsボタンの位置を不便に感じるだろう。Surface Pro 2では下枠にあったボタンが、Surface Pro 3では右枠に移動している。そのため、手描き入力中に手の平で誤ってWindowsボタンを押すという問題が発生するようになった(このボタンをオフにすることはできるが)。
パフォーマンス
Surface Pro 2は全てのモデルで第4世代「Core i5 4300Uプロセッサ」(1.9GHz、Turbo Boost使用時最大2.5GHz)と、米Intel製「HD 4400統合グラフィックス」および4Gバイト/8GバイトのRAMを搭載している。Surface Pro 3の構成は、4GバイトのRAMとCore i3搭載モデルから8GバイトのRAMとCore i7搭載モデルまでさまざまだ(詳細については「構成と価格」セクションで詳述)。TechTargetでは、4GバイトのRAMとCore i5を搭載したSurface Pro 2と8GバイトのRAMとCore i5を搭載したSurface Pro 3を比較した。
標準のベンチマークテストを実施したところ、優劣を断言できるほどではなかったが、各テストでSurface Pro 3の方がSurface Pro 2よりもわずかに優れていることを示す結果が出た(搭載されているRAMの差が結果に関係していることは間違いないだろう)。実際、どちらのデバイスも、パフォーマンスでは類似スペックのUltrabookや他のWindows 8.1タブレットの多くに勝っている。ハードウェアとソフトウェアの両方を同じ1社が開発するSurface Proシリーズは、ほぼ非の打ち所のないドライバーのサポートが行われるからだろう。
Surface Pro 3がSurface Pro 2に確実に勝っている点がある。それはバッテリー持続時間だ。非常に厳しいベンチマークツール「Powermark」を使ってテストを実施したところ、Surface Pro 3のバッテリーは212分持続したのに対し、Surface Pro 2のバッテリー持続時間は187分だった。実用的な使い方であれば、Surface Pro 3のバッテリーはたっぷり8時間、Surface Pro 2はせいぜい6時間超だろう。
構成と価格
Surface Pro 3には5種類の構成があり、プロセッサごとに統合チップセットが異なる。
- Intel Core i3(1.5GHz、Intel HD Graphics 4200)、RAM 4Gバイト、ストレージ64Gバイト
- Intel Core i5(1.6GHz、Intel HD Graphics 4400、Turbo Boost使用時最大2.9GHz)、RAM 4Gバイト、ストレージ128Gバイト
- Intel Core i5(1.6GHz、Intel HD Graphics 4400、Turbo Boost使用時最大2.9GHz)、RAM 8Gバイト、ストレージ256Gバイト
- Intel Core i7(1.7GHz、Intel HD Graphics 5000、Turbo Boost使用時最大3.3GHz)、RAM 8Gバイト、ストレージ256Gバイト
- Intel Core i7(1.7GHz、Intel HD Graphics 5000、Turbo Boost使用時最大3.3GHz)、RAM 8Gバイト、ストレージ512Gバイト
Surface Pro 2は4つの構成が提供されている(編注:日本では64Gバイトモデルは提供されていない)。
- Intel Core i5(1.9GHz、Intel HD Graphics 4400、Turbo Boost使用時最大2.5GHz)、RAM 4Gバイト、ストレージ64Gバイト
- Intel Core i5(1.9GHz、Intel HD Graphics 4400、Turbo Boost使用時最大2.5GHz)、RAM 4Gバイト、ストレージ128Gバイト
- Intel Core i5(1.9GHz、Intel HD Graphics 4400、Turbo Boost使用時最大2.5GHz)、RAM 8Gバイト、ストレージ256Gバイト
- Intel Core i5(1.9GHz、Intel HD Graphics 4400、Turbo Boost使用時最大2.5GHz)、RAM 8Gバイト、ストレージ512Gバイト
本稿執筆時点で、Surface Pro 2の最低価格は799ドル、最高価格は1599ドルだ(編注:日本国内で購入できるモデルの最低/最高価格はそれぞれ税込みで10万2651円、18万4937円)。Surface Pro 3の最低価格は799ドル、最高価格は1949ドル(編注:国内ではそれぞれ9万9144円、21万9024円)。Surface Pro 3とSurface Pro 2はいずれもキーボードカバーが同梱されていないため、Surface Proタイプカバー(Surface Pro 3用)またはタイプカバー2(Surface Pro 2用)を別途130ドル(編注:日本ではそれぞれ価格が異なり、1万4018円と1万3351円)で購入する必要がある。
同じ条件で比較してみよう。Surface Pro 2のCore i5モデルは899ドル(RAM 4Gバイト、ストレージ128Gバイト)と1099ドル(RAM 8Gバイト、ストレージ256Gバイト)であるのに対し、Surface Pro 3のCore i5モデルは999ドル(RAM 4Gバイト、ストレージ128Gバイト)と1299ドル(RAM 8Gバイト、ストレージ256Gバイト)で販売されている。ハイエンド構成では200ドルの価格差がある。選択肢としてはSurface Pro 2が魅力的だ。200ドルあれば、Surface Pro 2のドッキングステーションやタイプカバーなどの購入費用を捻出できる。
結論
繰り返しになるが、ほとんどのユーザーにとって、あらゆる点でSurface Pro 3の方が適している。だが、市場に出回っている他のデバイスと比較するとSurface Pro 2も決して引けを取ってはいない。Surface Pro 3との価格差が、この2つのデバイスの優劣を決めることを難しくしている。
より安価なモデルのSurface Proが欲しい人は、時間に余裕があるならMicrosoftがSurface Pro 2の価格を再び引き下げることを期待して購入を先送りしてみるのもいいだろう。
Surface Pro 2とSurface Pro 3のCore i5モデル(特にストレージが256Gバイトのもの)については選択が非常に難しい。購入を検討中の人は、ディスプレーやデザインの違いが使用する上でどの程度重要になるかを吟味してから決めることを強くお勧めする。
ここまで、N-trig製ではなくワコム製のスタイラスペンがどうしても欲しいユーザーにとってはほとんど関係のない話をしてきた。ワコム製スタイラスペンが付属しているSurface Pro 2を選ぶユーザーに異論を唱えるつもりはない。だが、そういう人でも、Surface Pro 2の購入を決める前にSurface Pro 3を試してみることをお勧めする。最高峰ではないかもしれないが、Surface Pro 3も間違いなく優れたデバイスだ。
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