「New Education Expo 2015」リポート
「Chromebook」が学校の“一押しノートPC”になれる4つの根拠(2/2 ページ)
メリット3:セキュリティ確保の容易さ
3番目のメリットは、セキュリティを確保しやすいことだ。ネットワーク接続が前提となる以上、Chromebookもマルウェアをはじめとする攻撃に無縁というわけではない。その点を踏まえ、Chromebookは以下のセキュリティ機能を標準で備えている。
- システムに影響しない隔離された領域でアプリケーションを実行する「サンドボックス」機能
- 起動時にシステムの改ざんや破損をチェックし、異常時には自己修復する「確認付きブート」機能
- ダウンロードしたファイルやWebブラウザのキャッシュファイルの暗号化機能
- Chrome OSのアップデートが利用できる場合は画面のステータス領域で通知し、ワンタッチで最新版にアップデートできる自動更新機能
こうした標準のセキュリティ機能により、「追加で市販のマルウェア対策ソフトウェアを購入したり、スキャンしてマルウェアをチェックするといった作業の必要がない」と菊池氏は説明する。セキュリティ対策に掛けられる予算や人員が限られた教育機関にとってメリットに映るだろう。
メリット4:起動の速さ
4つ目の利点は、起動の速さだ。「Chromebookであれば、どの端末でも10秒以内には起動する」と菊池氏は断言する。Chromebookの起動時に必要になるのは、基本的にはOSやWebブラウザ関連のプログラムのみのため、一般的なOSと比べて起動は必然的に速くなる。ただし、最近ではWindows端末でも起動時間の短縮化が進んでおり、それほど大きな差にはならないかもしれない。
Chromebookの強みは、使い込んだ後の起動速度の劣化がほとんどないことだと菊池氏は説明する。Chromebookでは基本的に、Webブラウザ以外のクライアントアプリケーションを追加することはないので、使い込んでも起動時間は大きく変わらないというわけだ。「50分前後と限られた授業時間の中では、常に速い起動速度を維持できることはインパクトが大きい」(同氏)
課題はアプリケーション 解決策は「仮想化」「リモートアクセス」
教育機関にとってメリットが多いChromebookだが、考慮すべき点もある。インターネットの利用を前提としたChromebookゆえに、オフライン時の利用制限は気になるところだ。もっとも、これは、現実的にはそれほど大きな問題にはならないという声もある。「Googleドキュメント」「Googleスプレッドシート」をはじめ、機能制限はあるもののオフラインでも利用できるChromeアプリが一定数存在すること、端末導入に併せて無線LANなどのネットワーク環境を整備する教育機関が増えていることなどが、その理由だ。
一方、当面の懸念となりそうなのが、利用できるアプリケーションが限られることだろう。既にWeb化されているアプリケーションは多いものの、Chromebookでは「Skype」「iTunes」といった定番ともいえるソフトウェアが利用できない。Skypeについては、Webブラウザで利用できる「Skype for Web」のβ版が提供されるといった動きもあるものの、この動きがどこまで広がるかは不透明だ。特に教職員用にChromebookを導入する際には、クライアント/サーバ型の学習管理システム(LMS)や校務システムの多くがWindowsベースであることもハードルとなる。
ChromebookからWindowsなどのアプリケーションを利用する仕組みは、既に存在する。その代表例が、デスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化といったクライアント仮想化技術だ。サーバで稼働する仮想PCのデスクトップやアプリケーションの画面をネットワーク経由で転送し、Chromebookからリモートで操作できるようにする。例えば、米Citrix Systemsのデスクトップ仮想化製品「Citrix XenDesktop」やアプリケーション仮想化製品「Citrix XenApp」、米VMwareのデスクトップ仮想化製品「VMware Horizon View」はChromebookから利用できる。
仮想環境ではなく、物理的なWindows端末やサーバOS「Windows Server」の搭載サーバへリモートアクセスしてWindowsアプリケーションを利用する、といった手段もある。Googleの「Chromeリモートデスクトップ」といった無償製品から、アシストの「Ericom AccessNow」(開発:イスラエルEricom Software)といった有償製品まで、Chromebookからのリモートアクセスを可能にする製品は充実しつつある。ただし、いずれの場合でも、利用したいアプリケーションのライセンスが、リモートアクセス環境での利用を許可しているかどうかを確認する必要がある。
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