「New Education Expo 2015」リポート
「Chromebook」が学校の“一押しノートPC”になれる4つの根拠(1/2 ページ)
海外を中心に、教育機関での導入が進む米Googleの「Chromebook」。日本法人担当者の話を基に、教育機関にとってのChromebookのメリットと課題を整理する。
米Googleの「Chrome OS」を導入したノートPC、「Chromebook」への関心が教育機関の間で高まりつつある。グーグルによると、世界で1万校以上の教育機関がChromebookを利用。2014年第3四半期の米教育市場向け端末出荷台数では、Chromebookが米Appleのタブレット「iPad」を抜いてトップシェアになったという調査結果もある。国内でも、広尾学園中学校・高等学校(東京都港区)が高校課程の医進・サイエンスコースで2014年度からChromebookの活用を始めるなど、盛り上がりを見せ始めた(写真1)。
Chromebookのメリットといえば、1台3万~4万円程度という安価さが真っ先に思い浮かぶ。だが教育機関にとってのメリットは安さだけではないと、グーグルの国内教育事業を統括する菊池裕史氏は強調する。一方、Webブラウザ「Chrome」の利用が中心となるChromebookは、「Microsoft Office」のフル機能版が使えないなど、Windowsを搭載する一般的なノートPCとは使い勝手が大きく異なることも事実だ。
教育機関がChromebookを導入することで、得られるメリットとは何か。利用のハードルとその解決策とは。内田洋行主催の教育機関向けイベント「New Education Expo 2015」で講演した、菊池氏の話を基にまとめる。
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菊池氏は、教育機関にとってのChromebookのメリットとして、以下の4点を挙げる。
- 管理のしやすさ
- 共有のしやすさ
- セキュリティ確保の容易さ
- 起動の速さ
メリット1:管理のしやすさ
導入が先行する海外の教育機関は、なぜChromebookを選択するのか。その主要な理由として菊池氏が挙げるのが管理のしやすさだ。「端末の管理にかかる時間をなるべく減らし、学習者に向き合う時間を増やしたいという理由で、Chromebookを導入する海外の教育機関は少なくない」と同氏は語る。実際、プログラミング教育に米DellのChromebook「Dell Chromebook 11」を1万1000台導入した米Oakland Unified School District(オークランド統一学区)も、管理の容易さがChromebookの導入を後押ししたという(写真2)。
Chromebookの管理性を高める重要な要素が、Googleが教育機関などの組織向けに販売する端末管理ツール「Chrome管理コンソール」である(画面)。管理者はChrome管理コンソールを使うと、外付けストレージへの接続制限やログアウト後の端末内データ消去といった約200種類のポリシーを、複数の端末にリモートで適用できる。ポリシーの設定はプルダウンメニューの選択といった単純な操作で完了するなど分かりやすさに配慮し、設定項目が明確であれば「5~10分もあれば設定が完了する」(菊池氏)という。ポリシーはユーザー全体に一斉適用するだけでなく、個別のユーザーごと、ユーザーのグループごとに別のポリシーを適用することも可能だ。
菊池氏によると、特に米国の学区では「数万台規模のChromebookを2人程度で管理しているケースは少なくない」という。「Chrome管理コンソールを使えば、大量の端末でも“片手間”で管理できる」と同氏は言い切る。
メリット2:共有のしやすさ
学習者に端末を1人1台配備する教育機関が増えつつあるものの、コストの制約などから、限られた端末を複数の学習者で共有する教育機関は少なくない。こうした共有端末としての利用にもChromebookは適すると菊池氏は語る。その根拠となるのが、ChromebookのOSであるChrome OSが備える設定同期機能だ。
Chrome OSでは、Googleの総合アカウントである「Googleアカウント」を使ってログインすれば、他人の端末でも共有端末でも、自分の作業環境が自動的に再現される。壁紙やマウスカーソルの移動速度などの端末設定に加え、Chrome用の拡張機能/アプリケーションも自動的に引き継がれる。Chrome OSで扱うデータやアプリケーションは基本的にはオンラインにあるので、ログイン後にアクセスすれば問題なく利用できる。ログアウトすれば環境はリセットされる。
同様の機能は他のOSにもあるが、再現度の高さではChrome OSに軍配が上がる。例えば、Microsoftの「Windows 8.1」では、同社の総合アカウントである「Microsoftアカウント」でログインすると、スタート画面のレイアウトやタッチ操作に最適化された「Windowsストアアプリ」の設定など、一部の設定を複数端末間で同期できる。ただし、従来型Windowsアプリケーションの設定は同期対象にはならないなどの制限があり、自分の端末環境をそのまま再現できるわけではない。
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